cafe de nimben

見たものと、読んだもの

東京国立博物館『博物館に初もうで』

初詣に行ってきた。

www.tnm.jp

通常展示料金なのね。特別料金かとおもっていたのでラッキーである。

正面玄関から入って二階に上がる階段の踊り場に池坊の華道の品が。

金の扇に松竹梅でとてもめでたい感じ。

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そこから、高円宮コレクションの根付。様々あったが、ペンギンの「一人旅」がかわいかった。(うまく撮れなかったのでここには掲示しないが、ネット上にたくさんころがっているはず)おもったより巨大な根付もあってびっくりした。ぐい呑サイズくらいが最大かとおもっていたのだけど、手のひらサイズの根付もあるのね。

 

圧巻は国宝の長谷川等伯『松林図屏風』

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やっぱこれくらいの引きからの絵がいい。山の中で近くの松はくっきりと、遠くの松は白く遠くにみえる感じ。わたしには、寒い雪風を耐えているようにみえる。

くっきり松さんは、近くで見ると自然の厳しさに耐えているようなガッチリとした筆致。

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遠くから見てよし、近くから見てよし。すばらしい。すごすぎて自宅に置きたいとすら思えない感じ。眼福。

2階には、写真には撮らなかったが、鶏さんを含んだ鳥さんたちがたくさんいて、さすが酉年初詣という感じだった。

やっぱり私の好みは若冲の鶏さんですね。若冲の超絶写実系ではない、ちょっとコミカライズされたような鶏の姿、とくに真正面のちょっとしたアホヅラが好きです。

 

一階に回ると、彫像がたくさん。

とくにこの十二神将勢揃いがおもしろかった。

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ふつうは、薬師如来と日光月光菩薩さんがいて、それを守る十二神将でしょ。でもここには十二神将だけしかいない、というのが初めてでおもしろかった。

十二神将の説明は、以下の新薬師寺のがわかりやすいかも。

新薬師寺 公式ホームページ 十二神将

んー、もしかして、お寺さんによって武器が違うのかな。wikipediaでも諸説あるという感じだった。

じつは、トーハクの通常展示はおそらく今回が初めてなんだけど、展示物はおもしろいんだけど、なんかどよーんとした感じなのは建物が古いせいか。

作品にあまり明かりがあたって劣化するというのは嫌なんだけど、全体的にもうちょっとライティングがなんとかなってほしいかなという気がした。

建物の古さでいうとルーブルの方が当然古いけど、暗さは感じなかったんだよね。だから古さという問題ではないようにおもうので。

買えなかったのが残念だけど、春日大社の特別展はわくわくしますね。17日から!

 

 

関ジャム『プロデューサーが選ぶ2016年の名曲ベスト10』

プロデューサーが、選ぶ2016年のトップテンが面白かった。

星野源『恋』は踊りやすくするためにギターが慌てているけどこの速さにしてあるだろうなんてプロデューサー視点の解説っておもしろい。

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ふだん、音楽を聴かないので、知らない曲がたくさんあって、どれもいい曲だったな。

多分リアルタイムに聴いた2016年の新曲って、星野源『恋』RADWIMPS前前前世』とMETAFIVE "Don't Move" "Luv U Tokio" くらいじゃないかな。星野源RADWIMPSは映像が先。METAFIVEはたぶんTBSテレビ『オトナの!』で知った。ソースが少なすぎるw

気になったのは、aimer の『蝶々結び』

www.youtube.com

 

声がいい。歌詞も隠喩として機能しているというならプロデューサーの言葉通り。MVは岩井俊二監督で、相変わらずの作風だが、よく似合っている。プロデュースはRADWIMPS野田洋次郎

実は未だにRadとbump of chicken の区別がついていないので、聴いてみようかなあ。

歌詞は、男女の別れと読むのが自然なのだが、恋愛に限定しなくても通じるのがいい。これは星野源『恋』もそうなんだけど。

あと、米津玄師「LOSER」

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こっちも声がいいなあ。歌詞の言葉遊びも。

蔦屋好位置

  1. ??? (これがダントツのナンバーワンで、あとは全部2位だそうだ)
  2. ???
  3. ???
  4. リーガルリリー『リッケンバッカー
  5. チャットモンチー『majority blues』
  6. Chance The Rapper 『No Problem』
  7. SALU 『In My Face』
  8. Kan San 『C'est la vie feat. 七尾旅人
  9. 米津元師『LOSER』
  10. T字路s 『はきだめの愛』

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T字路sって、憂歌団っぽいなあ。たぶん誰の真似をしようともしてなくて、ただ腹の底から歌いたいって感じで、すごい。どストレートに届いてくる。この声は、宝物だ。

 

いしわたり淳治

  1. ???
  2. ???
  3. ???
  4. Suchmos 『STAY TUNE』
  5. Aimer 『蝶々結び』
  6. JUJU 『ラヴ・イズ・オーヴァー』
  7. RADIO FISH 『PERFECT HUMAN』
  8. SKE48 『金の愛、銀の愛』
  9. 平井堅『魔法って言っていいかな?』
  10. 清水翔太『My Boo』

 

tofubeats

  1. ???
  2. ???
  3. ???
  4. 宇多田ヒカル真夏の通り雨
  5. Heize "Shut Up & Groove"
  6. 三浦大地 "Cry & Fight"
  7. SOLANGE "Don't touch my hair" 
  8. 星野源『恋』
  9. METAFIVE "Luv U Tokio"
  10. 欅坂46サイレントマジョリティー』

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アンビエントR&Bってのはいいえて妙。引き算している感じが洗練。

 

まだまだ知らないすばらしい曲がいろいろあって、いいなあ。

いまのつまらない曲を聞くくらいなら昔の名曲でいいじゃんとおもっていたのだが、いやいやいまの名曲ってのもあるんだなあと。食わず嫌いはだめですね。

2017年、行きたい美術展

運慶快慶そしてバベルの塔が、私が行きたいトップスリー

1/17-3/12:東京国立博物館春日大社』★★

www.tnm.jp

重要文化財 文殊菩薩騎獅像および侍者立像は全期

国宝 赤糸威大鎧(梅鶯飾)(あかいとおどしおおよろい うめうぐいすかざり)が前期(−2/19)

国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)(あかいとおどしおおよろい たけとらすずめかざり)(2/14−)

ん、もしかして、2/14−19にいくと、この国宝の鎧両方を一挙にみれる? (という狙いの人で混みそうだな、この時期。うーん)

 

国宝 金地螺鈿毛抜形太刀(きんじらでんけぬきがたのたち)は前期(−2/19)

猫がすずめを取ろうとしている!

 

1/21−3/20:静嘉堂文庫『超・日本刀入門』★

二子玉川駅からバス静嘉堂文庫)

www.seikado.or.jp

日本刀は体系だって学んだことがないので、いいチャンスかな。

 

2/5-3/14: MOA美術館 (リニューアルオープン)★

(熱海駅からバスでMOA美術館前)

尾形光琳紅白梅図屏風』と杉本博司『海景--ATAMI』

http://www.moaart.or.jp/wp-content/uploads/2016/12/press_release.pdf

光琳は別格として、杉本博司のほぼ抽象画ともいえる絵が楽しみ。

 

2/23-4/16: Bunkamura 『ゴールドマンコレクション これぞ暁斎!』★

渋谷

www.bunkamura.co.jp

3/8−6/5:国立新美術館ミュシャ展』★★

(乃木坂ないし六本木)

www.mucha2017.jp

国外初展示のスラブ叙事詩がみたい。6x8m馬鹿でかい絵は生で見ないとわからない。

ルーブルにある『ナポレオンの戴冠式』が10x6mだから、匹敵する大きさかあ。祈りのように見上げるしかなさそう。

 

4/8-6/4: 奈良国立博物館『快慶』★★★

www.narahaku.go.jp

まだあまり細かい情報はでていませんが。これは是非行きたい。ついでに東大寺とか興福寺とか寄りたい。

4/18-7/2: 東京都美術館バベルの塔展』★★★

www.tobikan.jp

バベルの塔』はもちろん一押しなんだが、ボスってだれ、この変な絵は!

事前学習にもってこいのwebサイトなので、ぜひごろうじろ

#公式サイトなくなっていて、変なページに差し代わっているので、東京都美術館のWebにリンク先を変更した。こういうの、なんか切ない。 

9/16-11/5: サントリー美術館狩野派の確立者狩野元信とその時代』★

狩野派はあんまり生で見ていないのでみたい。

www.suntory.co.jp

9/26−11/26: 東京国立博物館『運慶』★★★

運慶です。すばらしい。

 

アクセス振り返り2016

年間アクセス一位は、3年連続3回目で、

 

nimben.hatenablog.com

 

ほかにアクセスをとるような記事を書いていないので、この記事が強いというよりも他が弱いということではないかとおもいつつ。

この詩は、とても哀しい。

死が近い。死は不可避なものだと理解する知性がある。そう、奇跡など起こらないと知っている。

たとえそうであっても、最期の瞬間まで、あの広い頼もしい背中をみせて、お願いだから足掻いてほしいという、子から親への、理性は諦めろと言っているが諦めきれないやり場のない悲しみと怒りの吐露だ。

そこが人間らしくて、心に届いてくるのだろう。

インターステラー』のなかでは、父と理性の代表としてマイケル・ケイン演じるブランド教授。彼は賢いが故の脆さがあるが、彼に対する宣戦布告としてこの詩があるようにおもう。

根性論で頑張れ、という映画も本もたくさんあるが、知性を持ちつつバランスしながらもなお最後は根性で、というものは少ない。そういう意味で、この詩は、やはり『インターステラー』の背骨のような気がする。

 

クリス・バック/ジェニファー・リー『frozen』2013

いやー、これ、題名として売れるのは『アナと雪の女王』かもしれないけど、物語としてはfrozenでないとあかんやろー

 

 

 

ネタバレ

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