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見たものと、読んだもの

arts

2022年面白かった美術展

コロナが落ち着いて来つつあるので、ちょっとは行けた。 2021年はどこにも行かなかった(行けなかった)ことを考えると、良化。 フェルメール 知識的に面白いなあと思ったのは、春のフェルメール。フェルメール『窓辺で手紙を読む女』の修復前後を見ることが…

京都・智積院の名宝 @サントリー美術館

トーハクの国宝展繋がりで、長谷川派の図屏風があると聞き、参上。 長谷川等伯やその息子の久蔵の図屏風(国宝)も良かったが、全く予期していなかった堂本印象の図屏風も良かった。こういう良き出会いって素敵。 長谷川等伯 楓図 Asie - auteur: Akiyama Te…

東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」@東京国立博物館

概要 場所:東京国立博物館 平成館 特別展示室期間:2022年10月18日(火) ~ 同年12月11日(日) 作品リスト 概要:150年記念ということで所蔵する国宝89件を全て展示+この150年の振り返り。 個人的一押し 尾形光琳『風神雷神図屏風』(前期展示。江戸時代…

特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」@東京藝術大学美術館 (2022/8/6 - 9/25)

狩野永徳の唐獅子さんと、伊藤若冲の動植綵絵が見たくて。 本展は、宮内庁三の丸尚蔵館が収蔵する皇室の珠玉の名品に、東京藝術大学のコレクションを加えた82件の多種多様な作品を通じて、「美の玉手箱」をひも解き、日本美術の豊かな世界をご覧いただくもの…

自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで@国立西洋美術館 (2022/6/4-9/11)

19世紀から20世紀のかけての日独収集のオールスター! 松方コレクションとドイツのフォルクヴァング美術館が収集していた大体19世紀後半から20世紀前半までの作品のいいところを集めて展示してある感じ。このため、超目玉の作品を中心に、と言うよりもこの年…

ゲルハルト・リヒター展(東京国立近代美術館)(2022/6/7-10/2)

東京では初めての個展。110点ほど展示されている。私はリヒターってよく知らなかったので、概要が掴めてよかった。 richter.exhibit.jp 配られるパンフレットも、作成年代によって色々あるキーワードの簡潔な説明があって、初心者である私にはとても嬉しかっ…

源頼光の鬼退治、酒呑童子編

こちらで出てくる nimben.hatenablog.com 3巻の扉絵は、源経基。その子が満仲、孫が頼光。 そして、鬼として描かれている、酒呑童子、紅葉と茨木。 この鬼たちは頼光時代の伝説で、将門の物語とは別。このため、本編ではおそらく頼光はもうでてこないとおも…

特別展「空也上人と六波羅蜜寺」(東京国立博物館)

平成館まるごと使った特別展ではなく、本館の一階のスペースを使っての、こじんまりとした展示。(平成館はポンペイ展をやっている) 会期:2022年3月1日(火)~5月8日(日) www.tnm.jp 重要文化財 空也上人立像 運慶の四男康勝による作品(13世紀)。 117…

ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展 (東京都美術館)

なんといっても、フェルメール『窓辺で手紙を読む女』の修復後の姿が、日本初見参。 かなり精度が高くて大きさも揃えてある模写も展示されていて、とてもよかった。 本来は、2022年1月22日(土)~4月3日(日)と言う会期だったが、オミクロンのせいで、開始が2…

魚豊『チ。-地球の運動について-』/ 15世紀欧州の宗教と美術と音楽と大航海時代

前提として、14-16世紀ヨーロッパについて調べてみた 15世紀P王国。おそらくアディス朝ポルトガル王国。 ゴシックから、ルネッサンスへ変わっていく時期。ルネッサンスを朝日とするなら、チ世界は一番暗い夜明け前。 キリスト教 細かい派閥はあれど、まだカ…

2020年面白かった美術展

と言っても、全然見に行けていないので、ランキングは無しです。恨むべし COVID-19。 在宅勤務で鬱々としていたというか、気分転換がしづらい状況にいたので、いかに美術展に行くのが自分にとっての癒しになっていたか気づいた一年でした。特に後半。 今年は…

『琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術』(前期)@アーティゾン美術館

アーティゾン美術館初参戦。 前身のブリジストン美術館も、多分行ったことがないので、本当の初参戦。 東西都市文化ということで並べるのが正解だったかは、正直よくわからなかった。ファンゴッホ+浮世絵くらい近いとわかるんだけど。 しかし、琳派の名品は…

特別展「桃山―天下人の100 年」東京国立博物館(後期展示)図屏風を中心に

後期展示も観に行った。一番観たかったのは、唐獅子である。 しかし、図屏風。当たり前だが屏風の大きさなので、とても大きい。絵を浴びる感覚。(流石に『ミュシャ展』ほどではないにしろ) 狩野永徳『唐獅子図屏風』右隻 (宮内庁三の丸尚蔵館) 狩野永徳 [1…

トーハク feat. 井上涼 @なりきり日本美術館リターンズ

特別展「桃山―天下人の100 年」の同時開催で、 びじゅチューンとの合同企画をやっていた。特別展ではないので、普通に入れます。本館一階。 cpcp.nich.go.jp これ、別に「親子企画」とは思わずに、子供でも楽しめるように工夫された美術の見方を提示する企画…

特別展「桃山―天下人の100 年」東京国立博物館

新型コロナ蔓延後、初の博物館探訪。キラキラしている桃山店@トーハク! www.tnm.jp 安土桃山時代の私のイメージは、キンピカ。狩野派の皆さまが金箔を貼りまくった大きな屏風をドーーーーーンと置くイメージ。あとは、茶器。千利休による茶道の始まり。COV…

芸術は、不要不急か?

前日の記事を書くために『彼方のアストラ』を再読していた。この作品では、9名の少年少女が宇宙の果てに飛ばされて、宇宙船で帰ってくるお話なのだが、この閉じ込められ方は、ロックダウンに似ている。そこで皆が病気になって気力も尽きようとしているときに…

せっかくなのでオンラインの美術館を訪ねてみる:トーハク編

コロナなんかに負けないぜ! ということで、国立博物館を含め、3月15日くらいまで休館のところが多いので、オンラインでみてみるという試みをしてみる。 トーハクブログを初め、学芸員のかたが色々と記事を書いているので、とても面白い。特別展のページは割…

日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」@東京国立博物館

京都に行って愛でた源氏物語系のお話よりもさらに前の日本書紀のお話。1300年前。 www.tnm.jp 第 1 章 : 巨大本殿 出雲大社 日本書紀の生(と言っても当然写しではあるのだが)を見るのは、多分初めて。 #以下の写真は、展示されていた箇所とは違います。 …

新春特集展示 子づくし─干支を愛でる─ @京都国立博物館

たった一部屋なんだけど、子年スペシャルでかわいいものが揃っていました。 こいつは春からめでてーな、です。 https://www.kyohaku.go.jp/jp/project/ne_2020.html 勉強になったのが、なぜ穀物を荒らすネズミが愛らしい子孫繁栄の象徴になったのかという点…

幻の源氏物語絵巻 @京都国立博物館 と野宮神社

源氏物語絵巻、いやーカッコ良かった。 源氏物語絵巻 葵伝土佐光起筆六巻のうち、巻一、巻二、巻三 絵部分と文字部分が交互に書かれている。 巻物の地の金色が、まずキレイ。 絵は繊細な平安風で、文字は金の細やかな模様が入っている。 Tale of Genji, Warb…

特集展示 神像と獅子・狛犬 @京都国立博物館

獅子はライオンですが、狛犬は英語でなんというでしょう? Lion Dogなんだそうで。 こっちが狛犬(仁和寺) 663highland - 663highland, CC 表示 2.5, リンクによる こっちは獅子。 663highland - 663highland, CC 表示 2.5, リンクによる 狛犬が右でツノあ…

イズマイル・バリー「みえないかかわり」@銀座メゾンエルメス フォーラム

今年初めての美術館巡りは、銀座メゾンエルメスだった。イズマイル・バリー「みえないかかわり」展の最終日に駆け込み。 www.hermes.com 銀座メゾンエルメスは、レンゾ・ピアノが設計し、2001年にオープンした。 2018年に隣接するソニービルが解体されたので…

2019年美術展振り返り

今年をトップ3+1で、振り返り。 今年は、なんと言ってもアムステルダム にいって修復直前の『夜警』をアムステルダム 国立美術館で見たのと、そのお隣のファンゴッホ美術館に行ったというのが、最大のハイライト。 アムステルダム国立美術館の記事が大量…

大英博物館『マンガ展』の図録

ラッキーなことに、大英博物館でやっていた『マンガ展』の図録を手に入れた。 magazine.manba.co.jp これをざっと見るだけで、行くべきだった展覧会だということがわかった。 メインキャッチの絵が、『ゴールデンカムイ』のアシリパさんだったから、現代によ…

クリムト展 - ウイーンと日本1900 @東京都美術館

クリムトを生で見るのは初めて。 素晴らしかったです。 特設Webサイト https://klimt2019.jp/ 東京都美術館のサイト www.tobikan.jp ユディトⅠ By グスタフ・クリムト - http://www.belvedere.at/en/sammlungen/belvedere/jugendstil-und-wiener-secession/g…

特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」 @東京国立博物館 平成館

『阿・吽』以来、私の中で空海がブームなのだが、東寺も重要ポイントですね。 割と昔からお寺さんは好きで、その中でも東寺は雰囲気が好きなのと京都駅から近くて便利が良かったので、よく行っていました。今回はそのときわからなかったことを知ることができ…

原三渓の美術 @横浜美術館

原三渓なる人物を知らなかったのだが、孔雀王は大好きということで行ってみたが、いやいや大コレクターですね。下村観山の生活の面倒も見るとか、パトロンでもあり。 アーティストとしての原の、白蓮はなんとも穏やかで静謐で、夏の朝の夜明け直後のような爽…

塩田千春展:魂がふるえる@森美術館

塩田千春の展示は、『不確かな旅』の写真のイメージが峻烈だった。が、生で観ると別のもののようだった。 入り口からなるべく全体を撮ってみる。天井の高さも活かされていて、人が赤い糸の渦に飲み込まれているようにも見える。 照明も赤い糸越しになるので…

クリスチャン・ボルダンスキー『Lifetime』@国立新美術館

お盆が近いせいか、死というか冷凍された過去を解凍するような展示会のように見えた。 この直後、塩田千春を見にいったのだが、なんとなく繋がっているような感じでよかった。死と不在と記憶。 どちらの作家さんも初見で、予備知識なし。 クリスチャン・ボル…

IWM Londonこと帝国戦争博物館 London

Vauxhall で降りたら、考えるのは二つ。Tate Britain とIWMこと帝国戦争博物館のどちらに先に行くか。 ついたのが9:30ごろ。開館はどちらも10am。となると待つのがだるいので、遠い方から攻める。となると、IWMである。 帝国戦争博物館は、すごかったのだ。…