読了>ジム・コリンズ『トレードオフ』(プレジデント社)

読了した。予想通り、後半はさまざまな事例があった。

自分がリアルタイムでおっかけていたことが、後知恵とはいえ整理されるのをみるのはおもしろい。

私にとっては、アップルがつくったNewtonと、Palm社のPalmの話は、とても実感を持って振り返ることができた。

この本のおもしろいところは、時がうつろくことにより、「上質」も「手軽」もかわるということを例示しているところ。

Newtonは持っていなかったが、「これは画期的だ」とやたらすすめる知人はたくさんいた。
当時貧乏学生だった私には、先端的で面白くはあったが、経済的に手軽ではなかった。上質であるともおもわなかった。身銭を削って買おうと思うと、紙の手帳で代行できるものだとおもった。

Palmは、後年買った。Palm社純正のものではなく、SonyPalmOSをライセンスして製造していたClieを。
このときは、「上質さ」をキーにして買った。私にとっては、日本語フォントがきれいに表示できるというのが、このときの「上質さ」の最低ラインだった。
当時のClieは、Palm社純正のPDA縦横倍密度で、日本語が読みやすかったのだ。
ポケットに入る大きさという手軽さと、スケジュールの日→週→月の切り替えが瞬時にできるという上質さが、好きだった。

カメラが付いたものができたりもしたが、私にはそれはムダに値段が高いだけのものだった。上質をめざそうとして、自分が好む上質のラインから離れていき、かつその「付加価値の対価」として値上げされるのは、がまんならなかった。

このように、消費者として振り返ると、自分がもっていた「買うか買わないか」の軸が、時代によって変わっていくのがよくわかる。

今は、いかに「ソーシャル」であるかという軸が出てきた。
twitterもそうだし、4sqなどの位置サービスとの連携もそう。

「ソーシャル」は、「手軽さ」との親和性が高いと思うが、「実は手軽さにお金を払っているようにみえて、上質さに払っている」という場合もあるかもしれないので、気をつけてウオッチしていきたいとおもう。

ビジネスモデルの整理には、とてもよい本でした。
『ピクト図解』と同時期に読んだのは、意図したわけじゃないけど、よかったとおもう。

ちなみに:iPhoneのCM : "reinvent phone" の気概がとてもよくわかる。