川口淳一郎『はやぶさ、そうまでして君は』(宝島社)

はやぶさ」プロジェクトリーダーの川口JAXA教授による、プロジェクト開始から、打ち上げ、採集、帰還にいたるまでの手記。

民放のスポーツニュースのような「感動しろ!」みたいな記述はまったくありません。淡々と、でも我が子を愛する父のような記述が続きます。
最後、読みながら、泣いちゃいましたよ。P19の、はやぶさが最後に撮った地球の写真もあわせて。

技術的にむずかしいところは、うまく簡潔にまとめて記述してあるので、宇宙開発系の前提知識がなくても戸惑うことはないとおもいます。

もちろん昔のSFやスペースオペラが好きなひとなら、読み覚えがある「イオンエンジン」「スイングバイ」などの言葉が頻出するので、わくわく感は倍増するとおもいます。

これ、ドラマにして放送しないかしらね。
世界初をこれだけ行い、裏でどんなに乏しく限られた材料を組み合わせて智慧と混ぜて、諦めずに実行したプロジェクトは、近年にない金字塔だとおもうのだけど。

他にも関連本がたくさんあるので、他のも色々と読んでみたいです。

とても重要だったのは、プロジェクトのメンバーの間で、「はやぶさ」のゴールはイトカワではなく地球だ、という認識が共有されていたことです。この点に、迷いもぶれもありませんでした。

これがプロジェクトを行う上で、一番大事な点だと言うことを、再認識しました。そして、これがぶれないように、常に繰り返していく姿も。
当たり前のことを、当たり前に行うこと。これが一番大変で大事ですね。