ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと』阪急コミュニケーションズ

NHK教育テレビで最近放送している『スタンフォード白熱教室』のホストのティナ・シーリグの著書。
この本の名前はだいぶ前に知っていたような気がするが、絶賛が気持ち悪くて、手に取っていなかった。
だめだね、そういうの。絶賛されていたら、とりあえず手にしてみてから、自分で判断したほうがいい。

NHKの『白熱教室』シリーズはおもしろい。ハーバードのサンデル教授のも、慶応の郄木教授のも、全部ではないが見た。
サンデル教授の質問の建て方のエグさはとてもよかった。神話的な寓話性があるような感じ。
郄木教授の冷静で考えさせる授業の進め方も好きだ。ペーパーをひっかくと血が出てきそうなケースの積み重ねの圧倒的な現実感がいい。
どちらも、学生が頭でっかちに論を立てていきやすい「罠」をしかけて、君がその立場にいたら、本当にその選択の重みを背負えるのか、という現実で頬を張る感じが、素敵だ。

シーリグ教授の教え方は、ちょっと違う。
「罠」をしかけるという点では同じなのだが、「罠」を超える答えを心待ちにしているところがある。また、講義というよりも、ワークショップに近い授業である、ということも。
今日は、8回シリーズの4回目だった。あと半分がどうすすむか、楽しみにしている。

『20歳のときに知っておきたかったこと』は、もしかしたら英文で読むと、味わいがもっと膨らむのかもしれない。センスのいい英語表現がたくさんありそうだ。というのも、彼女が授業で使う引用元となる例がたくさんでてくるから。

問題が大きければ大きいほど、チャンスも大きい。大して問題でないものを解決しても、誰もカネを払ってはくれない」というのは、ビジネスプランを考えるときの大前提。これをサン・マイクロシステムの共同創業者のひとりであるビノット・コースラがいうのだから、ITの歴史をちょいとかじったことがあるひとなら、おもしろくてしょうがないだろう。
そういう読み方もいいとおもう。そういう読み方だと、2時間程度で読めるのではなかろうか。とても平易ないい和訳だとおもいます。

でも、名言集としてしか機能しないような読み方は、もったいない。

自分事におきかえてみて、自分ならどうするか、どうしていたか、この例をしった後ではどう行動してみたいか、を感じながら時間をかけて読むといいとおもいます。10章あるから10週かけるとか、ね。

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

  • 作者: ティナ・シーリグ,Tina Seelig,高遠裕子
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2010/03/10
  • メディア: ハードカバー
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