海月姫の構成能力に驚く

構成とトッピングと間が、フィクションのキモだと思っている。

正直、海月姫の絵は、あんまりうまいと思わない。サブカル的な腐臭を感じなくもない。このため、今ひとつ手に取る気になれなかったのは事実だ。
田中圭一のせいである。我が生涯に一片のコマあり 第二回東村アキコ先生をつい読んでしまって、はて、私の目は節穴だったのかもしれないとおもって、何かあったら読んでみるリストにいれた。
Kindleで1-2巻が無料だったので、読んでみた。この時点では、第一印象を大きく覆すものではなかった。
私は、尼ーズが嫌いだ。自分の世界に引きこもり、自分の世界がなくなろうとしているのに、それに愚痴を言いつつ何も能動的に行動せず、同じ目的を持つものに受動的に巻き込まれた被害者を装い、とにかく自分だけは傷つかずになんとかやりすごそうとしているところが、大嫌いだ。
にもかかわらず、有料になる三巻以降も読み進めてしまった。何か知らないが、その描き方には、上から目線のものではなく、なんとなく自覚的な自虐的なものをかすかに感じた。
気がつくと、はめられていた。
構成は、めちゃくちゃ正統派のおとぎ話なのだ。女装のハンサムとかオタク女子とかに完全に目くらまされた。
色々とねじれているのだが、そこが、そここそがオリジナリティとして機能している。
期待させて置いてずらす、間や緩急の付け方ももうしぶんない。

絵柄でちょっと引いているひとは、だまされて最初の三巻くらい読んでみそ。