cafe de nimben

見たものと、読んだもの

マイケル・チミノ『イヤーオブザドラゴン』1985

ジョンローンかっこいいよね、とおもって、未見の本作を観る機会があった。

ミッキーローク演じる主人公についていけない。ベトナム帰りでちょっとイカれてしまった刑事。ニューヨークチャイナタウンを浄化したいのはわかるが。人を人と思わない感じがあって、まったく同情できない。

ジョンローンはかっこいいんだけど、いや、冷徹なハンサム悪役は賢くないとつまらないじゃない? 最後に至るシーンは、気付いていてトラップを仕掛けたのだと思ったが違うし、最後はほとんどいじめられっ子のぐるぐるパンチだし、台無しじゃん。

という意味で、ストーリーとキャラは私的には論外なんだけど、ドキュメンタリーちっくに85年近辺のニューヨークチャイナタウンを捉えたものとしてみると、ちょっとおもしろい。

みんなタバコをどこでも吸うし(レストランの厨房で吸うのはありなのか?)、ブロンクス汚いし、セクハラパワハラまっさかりだし。コンプライアンスなにそれおいしいの? だし。

多少息苦しいかもしれないのだが、現代日本の方が過ごしやすいとおもった。という映画の感想になっていない感想で終わるのである。もうちょっとなんとかできたろうに。