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見たものと、読んだもの

岩明均『ヒストリエ』(1-9巻)

紀元前4世紀のマケドニアを舞台に、実在したエウメネスを主人公にした歴史漫画。

この時代のことはまったくといっていいほど知らないので、ワクワクしながら読んだ。

 

 

絵として、ちょっとすごいなとおもったのは、死んでいる人の顔と、生きている人の顔を描き分けているんですよね。『寄生獣』や『七夕の国』を読んでいて、絵が上手い人という感じをもっていなかったのだけど、実はすっとストーリーが頭に入るということは、ストーリーテリングのうまさだけでなく、画力も素晴らしかったからだということに遅ればせながら気がついた。

エウメネスの出世物語として読むとすると、奴隷身分から王に仕え、というところ、いろいろ機転を利かせながらということから、熱い太閤記になるかとおもいきや、そうはならない。武官というより文官であるせいか、出来事に対して俯瞰的な態度なので。そのちょっとしたひねくれ具合が岩明均ワールドだなという感じ。

だがしかし。

月刊アフタヌーンで隔月連載と言いながら進まないので手をつけていなかったのに、つい一気読みしてしまった。2003年3月に連載がはじまって、2016年5月現在で9巻。私が生きている間に完結するんでしょうか、これは。

 

この聖地巡礼記がすばらしい

honeshabri.hatenablog.com

 

また、史実としてのエウメネスについては、こちらが詳しい

エウメネスと「ヒストリエ」の世界