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見たものと、読んだもの

国立新美術館開館10周年 ジャコメッティ展 @国立新美術館

ホムンクルスリエーターとしてのジャコメッティ

作家の意図とは違うことは、館内の説明文でもわかるのだけれど、もうそのように見えてしまうものは、私一人の勝手な感想として以下を持ち続けることにする。

私にとっては、あれは泥人形なのだ。ホムンクルスなのだ。

ジャコメッティが召喚したら、泥の中からまっすぐ立ち上がってきたんだね。

表面のもしゃもしゃが、泥がゆっくり垂れて行くようなのは、ナウシカ巨神兵のような。それが時が止まって固着してるの。

男や女に見えるけど、何か話すのかわからなくて。でもこいつらは、何かのきっかけで動き、話し始めるんだね、きっと。

ああ、今あなたが生まれてきている、そいう感じがして、ニヤニヤしながらみてました。

素晴らしいにもほどがある。

『小像』は、プロトタイプで小さく作った体高5センチくらいのもの。

『林間の空地、広場、9人の人物』は地面という面から色々な大きさのホムンクスルが生えてくるところ。少しずつ大きいのも作られてくる。

ヴェネツィアの女』はボーリングのピンみたいに10体が三角に配置されているのだが、それを遠くから見てみると、観覧者も像も全部鉛直に立ち上がっているので雨後の筍のようである。我々もホムンクスルかもしれない。インタラクションのある現代芸術ちっくである。写真撮りたかった。配置はYouTubeをご覧あれ。

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みんなちょっとずつ異なっていて、そこらへんも生き物的感覚がある。

 

 《女性立像Ⅱ》でかい。
照明の当て方もかなりセンスいい感じ。くどくはない程度に印象的。

面影が銀河鉄道999のクレアさんっぽいという超個人的な感想。

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<<歩く男I>>

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その他

シュールレアリズム時代のジャコメッティで好きなのは、キューブ。

立方体では全くないのだが、何か心地よい。室内というよりも、日本庭園に置いておきたい。枯山水もいい。

スプーンの女をみるにつけ、シュールレアリズムというよりも、アフリカとか土偶とかそういう生命力を感じる。

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人間以外

猫がかわいかった。この展覧会のアイコンの一つになっている犬と並んでいて良い。

一緒に写真を撮りたかった。

また、今回たくさんの作品を貸し出しているマルグリット&エメ・マーグ財団美術館の紹介動画で、猫がジャコメッティの彫刻に登ったりするのがかわいらしい。

 

 

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