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見たものと、読んだもの

『クィア・アイ』season 1 / Netflix

これは、ダサいやつをかっこよくする話ではなく、何かで変われないと思い込んでいる人が、変わっていこうとするリアリティショーだと思う。

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話はなかなかキャッチーだ。

Fab5というチーム名で、それぞれに専門性をもつ5人のゲイが、ダサいストレートの男を1週間でかっこよくする。専門性は、ファッション、フード、インテリア、グルーミング、カルチャーの5つ。日本のマツコデラックス的な風体ではない。ちょっとグルーミング担当の人がちょっとフェミニンかなとは思うが、普通の人に見える。

しかし、拠点がなかなかすごい。ニューヨークとかカリフォルニアならそんなに違和感ないだろう。

ジョージア州アトランタ。ド南部である。最近、IT系誘致のために日本でいうと特区的な感じなので、全世界から人が集まるようになってきているとは言え、『風と共に去りぬ』の街ですからね。

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白人3名はまだ良いとして、アフリカ系とパキスタン系がいる。

テレビスタッフがいたって、なかなか怖いんじゃなかろうか。

実際、アフリカ系の人が車を運転しているときに、パトカーに停められた時の表情は、本当に怖そうだった。ドッキリだったけど、にしても、だ。

 

しかし、彼らはいわば狂言回し。主役は、エピソードごとに変わる「変わりたい素人」だ。

変わりたい。変われない。諦め。Fab5がきても、お愛想笑い。空気を読んでノリを合わせて。(そう、こういうのは別に日本人だけじゃないのよ)

 

昔、サッカーの日本代表監督のイビチャ・オシムが、日本サッカーの日本化を掲げていたが、Fab5は、「その人のその人化」を常にいう。嫌いなものの押し付けは一切せず、ちょっとだけ殻を破ってみようと話す。

内心はちょっと、と思っているかもしれないが、少しずつ自分を出していくことで、その変化を楽しみ、新しい自分に変わっていく様子が見えるのが、この番組の楽しいところだ。

 

ちょっと変わりたいと思っている人には、おすすめしたい。