Nude展の流れで。
横浜美術館のコレクション基準がなるほど、である。
西洋文化の流入窓口であった横浜開港当時からのヨーロッパ近代美術と日本近代美術の相互影響の足跡がたどれる作品
(1)現代美術の展開と流れの眺観に役立つ作品
(2)今日の美術が内包する問題点を明確に表している作品
(3)近代美術の一分野としての写真の代表作品
(4)現代の市民生活に密着した分野(デザイン、工芸、建築及びビデオ)の代表作品
横浜ゆかりの代表的作家の作品
岡倉天心との関係を含めて、原三溪に庇護された、日本近代美術の発展に寄与した作家の作品
基本的に昔のではなく、近現代のものという縛りなんですね。上野とは時代で分けようという感じかしら。横浜ゆかりというのも、地縁的に良いですね。
松井冬子
生で初めて見た。私の中では幽霊画の人。
「成灰(じょうけ)の裂目(さけめ)」は九相図っぽいし、その流れで「世界中の子と友達になれる」をみると、不幸になりそうで辛い。順番が逆だけど「世界中の子と友達になれる」は学部卒業の時の作品なのね。幽霊とか死とか、狂気を描き続けるのって、正気を保つ特別な努力が必要そうだ。
諏訪敦:Stereotype Japanese 08 Design
ブログによると、大学で具象を描いていることで、抽象画の人たちに小馬鹿にされていたということだが。具象だからかける抽象概念ってあると思うんだよねぇ。
すごく精緻に描いてあるが、何を想起するかは見た側に委ねられている。具象故に逃げられない感。
山中雪人:魔
解脱済みなので悩んでいない「聖アントニウスの誘惑」という感じがする。
具象と抽象の中間なイメージ。静謐だがよくみると赤い情念で誘惑する魔がいる感じ。
ついでに国立西洋美術館の「聖アントニウスの誘惑」ダフィット・テニールス (子)/ David Teniers the Younger
By David Teniers, the Younger (1610 - 1690) – Painter (Flemish) Born in Antwerp. Dead in Brussels. Details of artist on Google Art Project - IwHqShKHL1WOgg at Google Cultural Institute maximum zoom level, Public Domain, Link
プラド美術館展の流れで、初めて拝見。
誘惑している魔がブリューゲル(父)っぽいと思ったら、その娘と結婚しているのね。
なお、聖アントニウスの誘惑としては、個人的に一番印象に残っているのはサルバドール・ダリのですね。多分あれでシュールレアリズムを知った。
https://www.dalipaintings.com/temptation-of-saint-anthony.jsp