間が空いてしまったが、単純に行く機会がなかったからである。
実際に入れるものもあったりと、体験型アトラクションが多くて楽しかった。『レアンドロ・エメリッヒ展』でも『リー・ミンウェイとその関係展』 でもそうだったけど、森美術館って、こういうのが得意なのかもね。
あと、白壁に直接大きな黒い字でお題などが記述してあるのが好き。建築誌によくある、一桁のアラビア数字がゼロから始まるのも楽しい。
情報量がかなり多いので、堪能する場合は数度いかないと無理かもしれない。
また、オールスターゲームっぽく各ジャンルの4番が出てくる感じなので、一本の線を感じとるのは難しいかもしれない。有名建築家目白押しなので、逆に一人当たりの時間は足りないから、ある程度知っていないと流してしまう感じ。
01. 可能性としての木造、部分と全体と
作家名/作品名:北川原温《ミラノ国際博覧会2015日本館 木組インフィニティ》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています
木組は釘を使わずに構造を作る。こう見るとシンメトリックで美しい。
こういう構造の元になる素材と、大建築物の縮小模型とが混在している。
出雲大社1/50の模型、もっと大きく見上げたいところだけれど、それは室内では無理かな。他にもさざえ堂などあって面白い。こういう模型って作るのはたいへんだけど、見てると楽しい。もちろん1/1がいいんだけど、一箇所でキュっと見れるのは貴重。投入堂とか行くのたいへんだしさ。
個人的には都市計画部分も含めて、例えば丹下健三の平和資料館と慰霊碑と原爆ドームが一直線に並ぶところ、とか、そういうのもあれば広がるかなという気はしたが。
02. 待庵の原寸大模型
国宝である待庵の原寸大模型は面白かった。本物には入れないが、これには入れるのだ。ウッドチップが敷いてあって踏み心地も良い。
千利休作で唯一現存する茶室。
お抹茶は飲む専門なので、特に何流でもないという程度なので、流石にきちんとした茶室に入ったことがない。こういうにじり口から入って、というのは初だったので、とても嬉しい。
(なお、東京の帝国ホテルではそういう茶室があるみたい)
作家名/作品名:《待庵》
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暗くて落ち着きます。お抹茶、いただきたいくつろぎの空間。狭いけど暗いので、あんまり気にならない。猫が段ボールに入る時ってこんな気分なのかな。
写真はiPhoneで勝手に増感されていてる。畳にチラシを置いているけど「日本展」の「展」が白飛びして消えているw
昼だともっと明るいと学芸員の方はおっしゃっていました。
作家名/作品名:《待庵》
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待庵の中から、六本木ヒルズの窓を抜けて東京夜景を楽しむ。本物だとできない。
作家名/作品名:《待庵》
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03. Power of scale
ウィトルウィウス的人体図から始まる、映像作品。
といっても、二次元スクリーンに、と言うものではない。スクリーンは三面。直角に交わる、壁と壁と床。
そこに4kか8kかで、映像を見せていく。
ネオン管的な発光する線が、中空に仕込んである。
そう。擬似的に家の中なのだ。
身体とその一部の大きさを単位とした採寸をもとに、描かれていく。
Cmの寸法付きで内装写真が一つの壁に、おそらく実寸大で投影され、隣の壁と床に、中銀カプセルなら、そこから見える銀座の様子が映される。
中銀カプセルのなかは、初めて見たし、同潤会アパートのなかもそう。
04. NISHINOYAMA HOUSE by Kazuyo Sejima
Saanaの妹島さんの京都の長谷さん依頼の集合住宅のインタビュービデオも面白かった。(公開して欲しいですねぇ)
西野山プロジェクト
建築家の話は、悪戦苦闘が面白い。
「最初は急かされたが、あとはそうでもなかった」なんて、いい施主ですね。
一体感のある個々の屋根になるように、一家に屋根が三つあり、そのうち二つは隣と共有。こうすることで、10戸が別々に建っているのではなく、一つの大きな家が中で10戸に分かれているのではなく、10日バラバラで一つと言う面白い概念の集合住宅となった。
ちなみに英語字幕の作りがとても良い。
ツイッターでは英語に比べて日本語は言える量が多いとか揶揄されるが、日本語の婉曲表現にかかると、ダイレクトに英語らしい英語になってシンプルで力強くなるというメタモルフォーゼを、見ることができてよかった。もちろん字幕として読ませるためには文字制限が厳しいというのもあるのだけど。
内部の映像。妹島らしく透明で明るい。ギャラリーっぽくて生活感はあんまりないですね。
施主の長谷さんっておもろいお方ですね。
などなど、内容てんこ盛りだったので、機会があればもう一度行きたい。ちょっと予習しよう。