いうほどミケランジェロかとは思いましたが、白大理石の彫刻をギリシャ時代からルネッサンスまで一気通貫に見れたのはよかったです。
《ダヴィデ=アポロ》《若き洗礼者ヨハネ》というミケランジェロ彫刻を、ほとんど並べた感じで360度ぐるりと観れたのはよかった。でもどうかな、ミケランジェロという看板なく観たらすごいと感じたかどうか、微妙。
撮影が可能だった「ラオコーン」
ホメロスの英雄叙事詩『イーリアス』で有名なトロイ戦争。イーリアスもイリアスもイリオスもトロイもトロイアも全部同じ意味って、方言多すぎてよくわからないね。
アカイア側にアキレスがいて、唯一の弱点であるアキレス腱を射られて殺されてしまうのもトロイ戦争ですね。以下の映画ではアキレス腱を射られても死なないアキレス。
塩野七生が酷評したらしいけど、これはこれで面白かったよ、トロイ。
アカイア対トロイ。戦いも10年目に突入して膠着。攻めるアカイアは辛い。ここでアカイアのオデッセウスは、木馬を城門に置いて引き上げる。
「ダメだよ、木馬なんて何されるかわかんないんだから城内にいれちゃ!」と反対したラオコーン神官。「木馬を入れるとトロイが滅びる未来が見える」と予言をし、反対したカサンドラ。
カサンドラはアポロンに「未来は見えるが人はこれを信じない」という呪いをかけられてたので誰もきいてはくれず。ラオコーンは、海から来た大蛇に二人の息子と共に縊り殺される。そしてソフトウェアの「トロイの木馬」よろしく、内側からは木馬に潜んだ兵が、外からは木馬を運び込むのに壊された城門から兵が殺到し、トロイ(イリアス)は一夜にして滅んでしまうのだ。
そのラオコーンが殺されるところが、この彫刻が描写しているところである。
ラオコーンの頭に蛇が噛み付こうとしている!
ラオコーンはなんとか逃げようともがいている。息子たちはかなり絡め取られている。
実は結構前後には薄い。お肌はツルツルではなく、荒れている。酸性雨?
ヴィンチェンツォ・デ・ロッシ《ラオコーン》(1584頃、ローマ、個人蔵、ガッレリア・デル・ラオコーンテ蔵)
ルネッサンス時代に作られたこれは、「殺される、逃げよう、逃げられない!」という必死で逃げようとする、まだ諦めていない躍動感。
同じラオコーンでも結構違うのね。
紀元前の古代ギリシアので、バチカン美術館収蔵のもの(今回来てません)
By xiquinhosilva - 00000 - Vatican - Pius-Clementine Museum, CC 表示 2.0, Link
生を見てないけど、静物としてはこちらの苦悶の表情が好み。もう逃げきれないと諦めている感じ。
しかし、古代ギリシアのものって実は彩色されていたという話もあるけど、何色だったんだろうねぇ?
「大英博物館の洗浄スキャンダル」というものがあったのを知らなかったので。
仏像も彩色とそうでないものとだと随分感じが違いますし。
しかし、白色での造形はすごく美しい。
来てないけどミケランジェロの代表作
ミケランジェロの代表作は多分見たことがない。フィレンチェのダビデ像も、ローマのピエタも。あえていえば、サン・ピエトロ大聖堂かな。システィーナは入りそびれたし(泣)
ダビデ像 (David di Michelangelo) フィレンツェのアカデミア美術館
By David Gaya - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
ピエタ(Pietà)ローマ、サン・ピエトロ大聖堂
By Stanislav Traykov - このファイルの派生元: Michelangelo's Pieta 5450.jpg, CC 表示 2.5, Link
おまけ
優美な超絶技巧のベルニーニの作品も見てみたいなあ。
聖テレジアの法悦(ローマ、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会堂コルナロ礼拝堂)