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見たものと、読んだもの

京都大報恩寺 快慶定慶のみほとけ @東京国立博物館 平成館

平成館の二階全部と思っていたら、半分はデュシャン展だったので、床面積的には小さい展示。(サントリー美術館くらい?)

しかし、仏像は慶派の良い感じ。

 

www.tnm.jp

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仏像だけじゃないけどね。

北野経王堂図扇面 室町時代・16世紀なんて、立体的で細密画で、すごく綺麗。

日本の絵でいつもおもうのは、黄金って派手ではないってこと。銀もそうだけど、静謐な感じがする。なんでだろうね。

 

伝大士坐像および二童子立像が、すごくいい(Webだと上記、トーハクの公式にどうぞ!)

童子は大士の実のこども。子供の表情がとても良い。

 

メインディッシュは二つ。

快慶と行快の釈迦如来十大弟子

釈迦如来(行快)

行快の釈迦如来は、目が切れ上がってクールビューティ。金箔の貼ってあるお顔の丸みもほよんとして良い。

耳で区別できるというのは知らなかった。Y字として、上に伸びているのが行快で、Yの上の両方が前の方に向いているのが快慶(個人的に快慶の方が人間っぽいとおもう)

十大弟子(快慶)

快慶の十大弟子は、多分全部が快慶のじゃないね。総監督かな。

ただ、快慶という証拠のある目犍連はすごかった。三尺阿弥陀の太ももの描写の香りがあり、そして、腕の血管! 曲がった腰と、爛々と輝く玉眼。

他の弟子も、誰かモデルがあるでしょうというくらいの人間臭さ。

これを全部360度回って見られるというのは、なかなか贅沢。

 

あと、フィギュア並みの小ささの、天王および羅刹像は、躍動感と表情が良い。1/1フィギュアにしたらいいのに。欠損部分は補っても想像で足しても良い。

 

肥後定慶の六観音

こちらはでかい。見上げる。唯一の坐像である如意輪さんも、嵩上げされている。多分高さは六つとも同じくらい。

肥後定慶は華麗かつ優美。髪の表現が細かい。

光背の透かし彫りも含めて流麗。

観音様は色々な顔をお持ちとは知っていたが、六道と連動しているのは知らんかった。

 

聖観音だけ撮影可能だったので。

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なお、10/30からは光背を外して展示。これは見たいかも。

しかしこの光背の軽やかさ優美さよ!