唐招提寺の御影堂障壁画は必見。中にいるかのような見せ方。
これだけは撮影できた。本当はこれを背景にした自撮り用なんだろうけど。
生誕110年 東山魁夷展|企画展|展覧会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
以下引用部は、上記NACTのWebページから。
絵にガラスがはめてあるので、たまに反射が気になりました。保護のためとは思いつつ、ちょっとそれだけは小さく残念。 当たり前ながら、唐招提寺の御影堂障壁画にはガラスがはまっていないので、とってもよかったですよ。
唐招提寺の御影堂障壁画展示の何がすごいって、
構想から完成までに10年を要した東山芸術の記念碑的大作、奈良・唐招提寺御影堂の障壁画(襖絵と床の壁面全68面)を再現展示します。御影堂の修理に伴い、障壁画も今後数年間は現地でも見ることができないため、御影堂内部をほぼそのままに間近に見ることができる大変貴重な機会となります。
修理していなくても、お座敷に上がって障子を見るなんて、できませんよね、きっと。これが見えるんですよ。まさに「体験」素晴らしい。
また、気配りの人である。
日本に来るために何度も難破し光を失った鑑真和尚のために、#51『濤声』の海はエメラルドグリーンに輝き、あくまで穏やか。
#50『山雲』は、パナソニック汐留ミュージアムで見た東山魁夷の『山峡朝霧』によく似ていて、幽玄な荘厳な感じ。あのモチーフは、絵面は違うが等伯の『松林図屏風』の流れを感じる。(と、前にも書いていた>自分)
東山魁夷を初めてまとめて見たので、その印象を
- 「朦朧体」という当時は蔑称だった絵画法を使っているせいか、細密ではなくちょっとぼんやりしている。遠くから見るとちょうど良い。そういえば「印象派」も最初は蔑称だったはずだなあ。
- 色だと、少しクリームがかったエメラルドグリーンが素敵
- 写実ではなく心象風景
- 最初に展示してある初期のものは、具象と抽象の中間という感じ。イラスト感がある。
- 途中は、特に海外モチーフのものについては、具象的なものが展示されていた。
- 晩年に向かうにつれ、具体的な細密さが上がるが、できているものは抽象という一回りしたように見える。晩年は多忙と年齢で実際に写生に行けなかったということだが、細かいところの具象度は上がっているように思います。
- 時間で見ると、写真のように、それもシャッタースピードがあまり速くないものとして描いてあるように、私には見える。音自体は聞こえない。しかし、空気感は、湿り気や気温も含めて、感じられるというか。
障壁画以外に気になったものたち
- 09 たにま: 苔の緑、白い水と黒い岩の三色。光琳の図屏風のような曲線。抽象っぽい
- 15 秋翳: 細かく書いた紅葉が富士山のような形をします。秋の夕暮れ?
- 27 白夜光: まさに北欧の白夜の水と森
- 28 月篁: 細かいだけが風に揺らぎ、画面外の月(満月?)が、柔らかくも明るく照らす。
- 29 谿紅葉: 大胆なコントラストが素敵
- 41 晩鐘: らしくなく写実的。逆光の尖塔がよい。
いろんな感じの作品があったので、興味深く鑑賞できました。楽しかった。