概要
オールスターという感じで、同時代の名のある画家を中心に収集した感じ。今回来ているのは、一度は名前を聞いたことがあるような有名作家ばかり。
「全員巨匠」というのは、確かにその通りだった。
といっても、すごい大作、というよりも、こじんまりと自宅に飾って、日常的に楽しみたい感じ。
今回来たものだけなのか、それとも全体的にそうなのかはわからないが、少し湿気を帯びた静かで温かい感じが好きなのかな。
ご本家のフィリップス・コレクションの公式ページはこちら。
だいたい第一次大戦から戦後にかけて蒐集。ほぼ、年代別に掲示してある。記紀でいうと編年体。
年代別の良さは、具象の絵が、だんだんキュービズムに行く遷移が楽しめるところ。
特に気に入った作品
カンディンスキーの「連続」 / Kandinsky "Succession"
五線譜からこぼれ出す音楽って感じ。カンディンスキー、わけがわからないと思っていたけれど、これは大好き。
public domain /
https://uploads3.wikiart.org/images/wassily-kandinsky/succession-1935.jpg
ドガ「リハーサル室での踊りの稽古」 / Degas "Dancers at the Barre"
ドガのバレエ品は、「稽古する踊り子」も良かったが、「リハーサル室での踊りの稽古 /Dancers at the Barre」背景色が軽やかなオレンジだったのが好ましい。
public domain /
https://uploads2.wikiart.org/images/edgar-degas/dancers-at-the-barre.jpg
ピエール・ボナール『開かれた窓』 / Pierre Bonnard "The open window"
ピエール ボナールは見たことがなかったのだけど、見てるうちに少しずつ好きになる感じ。ハレの作家というより、ケなのかも。
「開かれた窓」がとても良かった。ネコも幸せそうだったし。
(public domain) / https://uploads5.wikiart.org/images/pierre-bonnard/the-open-window-1921.jpg
ああ、気にいるんだったら、国立新美術館のボナール展行けばよかったな。ピンと来なかったから行かなかったんだよね。
オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展|企画展|展覧会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
やっぱり、生で見るのは違うなあ。
パウル・クレー『養樹園』 / Paul Klee "The Nursery Tree"
パウルクレーの「養樹園」は、象形文字っぽい石板に、やわらかい色のグラデーションが乗っていて、、軽やかでステキ。
(public domain) http://www.bestweb-link.net/PD-Museum-of-Art/960/Klee/No.041.jpg
ロジェ ド ラ フレネ「エンブレム(地球全図)」 / Roger de La Fresnaye
ロジェ ド ラ フレネ (Roger de La Fresnaye)の「エンブレム(地球全図)」もよかった。書斎に飾りたい。やわらかな青に整えられた、抽象化された本や文房具。この人、wikipediaの日本語版にもないので、マイナーなのかなあ。好きだけどなあ。画像も、パブリックドメインのはずなのだが、発見できず。
ゴヤ『聖ペテロの悔恨』 / Francisco José de Goya "San Pedro penitente"
ゴヤ (Francisco José de Goya)の「聖ペテロの悔恨」 / San Pedro penitente (1820-24)
By Francisco José de Goya (1746 - 1828) (Spanish) Details of
これだけだとあれなのだが、実は脳内で大変なことが起こっていまして。
展示されていない『我が子を食らうサトゥルヌス』が頭の中でセットになって、大変怖く感じました。脳内カクテル。確かに同年代の作品とはいえ。きゃー!
(展示外)我が子を食らうサトゥルヌス / Saturno devorando a un hijo (1819-23)
By フランシスコ・デ・ゴヤ - [1], パブリック・ドメイン, Link
(これは、プラド美術館収蔵)
ちなみにルーベンスだとこうなる(展示外)
By ピーテル・パウル・ルーベンス - [1], パブリック・ドメイン, Link
ピカソは「緑の帽子をかぶった女」のように具象図と、普通にキュービズムのがあって、混乱するw ブロンズの「女の頭部」は3次元だけど絵画にあるような感じで興味深かった。
ジョルジュブラックも、いい感じだった。
クールベの「地中海」の揺るぎない海の感じ。
スーティンの「嵐の後の下校」の緑と道は、東山魁夷を彷彿とさせる。共鳴?
参考: