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見たものと、読んだもの

2018年に行ってみた美術展トップ3

年始の見立てのものはほとんどカバーできたので、今年は大満足。

総論

今年は時間を作って、なるべく見てみる、という感じに敷居を低くした。行くと発見があるもので、質も量も楽しめた。

特に気にしていたのはキューレーションで、頭の中に色々補助線を引いてもらえて嬉しかった。あと、多作な作家の場合、同時期に開催されているもので、ゆるいリンクになって、多重に楽しめたのはいい感じ。東京は芸術の都だな。

artsタグをつけてあるので、ご興味があればそちらからご覧くださいませ。ブログエントリーは今年だけで30以上。充実ですね。

悪い意味でショックだったのは、フランスのイエロージャケット運動で、凱旋門の中にあるマリアンヌ像が壊されたこと。芸術品が壊されるのは、本当に悲しい。

ちなみに、入場者数のランキングトップ3は

  1. レアンドロ・エルリッヒ展 61万人
  2. 建築の日本展 54万人
  3. ルーブル美術館展 42万人

出典は美術手帖

bijutsutecho.com

 

 

和系トップ3

第1位: 特別展「仁和寺と御室派のみほとけ展」 @東京国立博物館平成館

プレミアムチケット初体験。

 

ゆったりさを体験できたのと、『阿・吽』のおかざき真里さんのお話が聞けたのは楽しかった。周辺情報を知ってみるのは、広がりができて楽しい。

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ただ、図録がなあ。保管場所を考えると、常にほしいかというと、判断が難しいところ。すぐ売ればいいという話もあるが。電子版になったりしないかしらね。 

第2位:名作誕生 つながる日本美術 @東京国立博物館平成館

キューレーション命。

 

知識と教養があれば、自分の頭の中にあるものと、目の前のものを比較して自己キューレーションできるのだろう。

しかし、それができない私に、いろんな補助線を引いてもらえて嬉しかった。

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第3位:生誕110年 東山魁夷展 @国立新美術館

唐招提寺御影堂障壁画の再構築が、すごかった。

 

原寸大の元々の展示ブース(御影堂)で作って、そこに東山魁夷の大作を元のままのようにはめ込む。

実際の唐招提寺に行っだとしても、こんな感じで見ることはできないから、展示会ならではの素晴らしさ。

また、今までほとんど気にしたことがなかった日本画に目を向けることができた発見は楽しかった。

ターコイズブルーの波の色、よかったなあ。

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その他

大報恩寺の仏様の間を縫うように歩けるのは楽しかった。醍醐寺展のも含めて、アシメトリックな造形の極致である如意輪観音の美しさを再認識。仁和寺なども観音さんだったから、仏像的には観音イヤーだったな。

タイミングがあれば、若冲をパリに見にいくというウルトラCもやってみたかったが、自重した。先年、東京都美術館でやっていた薬師三尊と動植物菜絵を、まとめてやってたみたいだったので。

あと、日本画

横山大観東山魁夷を、まともに見たのは初めてかも。

 

西洋系 トップ3

第一位:至上の印象派展 ビュールレ・コレクション  @国立新美術館

 印象派のよさを再認識した。

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明るく、風景を中心にみていくとなんか心が落ち着くんですよね。モネも好きですが、ルノワールシニャックというところにも興味を広げてくれたというのは、コレクション展のいいところ。

 

そういう意味でフィリップスコレクションもよかったです。

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第二位:プラド美術館展 @国立西洋美術館

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ベラスケス目当てだった。王太子バルタサールもよかったのだが、マルスが超よかった。後に西洋美術館の特別展で開催されるルーベンスも出品されていて、特別展同士の繋がりもよく考えられていて、すごい。

しかし、プラド→ミケランジェロルーベンスという2018年国立西洋美術館の特別展の流れ、神がかってますね。 

 

第三位:ヌード @横浜美術館 

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これもキュレーション萌え。最初は「こんなのみたかったんでしょ?」、それから「ロダン、どーん! 写真も撮ってね」、とはいえ最後に向かって「でね、でね、今はこういうところまで来てんのよ(ふふふ)」

最後の居心地の悪さも含めて「ヌード」とはを語る、キュレーターの意図が明確に出ている面白さ。その次に行ったモネ展は、ちょっとこじつけっぽさが過ぎた気がしたけど。そんなお茶目な横浜美術館、良いです。

 

現代美術:レアンドロ・エルリッヒ展 @森美術館 

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体験できるのは、面白い。自分が美術の中に入ってる感覚は、楽しい。

体験型のは、2014年の『リー・ミンウェイとその関係展』@森美術館とか、 2017年の草間彌生『わが永遠の魂』@国立新美術館くらいしか、参加したことがなくって。

もっとこういう機会を増やしたいな。

ということで、大満足の2018年でした!