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見たものと、読んだもの

2F Gallery of Honour [通常展9/9] @アムステルダム国立美術館

8回に渡ったアムステルダム国立美術館通常展編。これが最後。

 

階段を上がって "Great Hall" から "Gallery of Honour" を通って、"Nightwatch Gallery" に行き、『夜警』を楽しむというのが、王道でしょうか。

 

Great Hall

ここのステンドグラスが素敵。

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4種だったかな。

別のもの。右下はレンブラントですね。

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Gallery of Honour

通常は Rembrandtの"The Jewish Bride" はここにあるようですが、特別展行き。

The Jewish Bride

Rembrandt - The Jewish Bride - WGA19158.jpg
By レンブラント・ファン・レイン - Web Gallery of Art:    Image   Info about artwork, パブリック・ドメイン, Link

The Threatened Swan 1650 / Jan Asselijn

De bedreigde zwaan Rijksmuseum SK-A-4.jpeg
By Jan Asselijn - www.rijksmuseum.nl : Home : Info, CC0, Link

とにかく良い。この躍動感!

 

そんなに大きくないの。こんなもの。フェルメールよりもちょっと大きいくらい。

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The Threatened Swan/ Jan Asselijn (1650)

 

The Love Letter by Johannes Vermeer

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「大阪でやっている『フェルメール展』に2019年の2月16日から5月12日まで貸し出してるよ」

はい、すれ違いました。あれば、こんな感じ↓

De liefdesbrief Rijksmuseum SK-A-1595.jpeg
By ヨハネス・フェルメール - http://www.rijksmuseum.nl/collectie/SK-A-1595, パブリック・ドメイン, Link

 

The Milkmaid by Johannes Vermeer

Jan Vermeer van Delft 021.jpg
By ヨハネス・フェルメール - The Yorck Project (2002年) 10.000 Meisterwerke der Malerei (DVD-ROM)、distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH. ISBN: 3936122202., パブリック・ドメイン, Link

フェルメール展』では上の方に置いてありましたが、ここではほぼ正対する感じで置いてあったので、嬉しいです。正対してじっと観れるしかも写真も撮れるというのは嬉しかった。高級感は『フェルメール展』の方がありましたが。

 

Woman Reading a Letter by Johannes Vermeer

Vermeer, Johannes - Woman reading a letter - ca. 1662-1663.jpg
By ヨハネス・フェルメール - 不明, パブリック・ドメイン, Link

これは小さくてというのもあるけど、真剣に恋文を読む感じがかわいらしかった。

 

The Little Street by Johannes Vermeer

Johannes Vermeer - Gezicht op huizen in Delft, bekend als 'Het straatje' - Google Art Project.jpg
By ヨハネス・フェルメール - YAGJRuPz8yVuRQ at Google Cultural Institute, zoom level maximum, パブリック・ドメイン, Link

二つだけ現存するフェルメールの風景画の一つ。

もう一つは、オランダのデン・ハーグにあるマウリッツハイス美術館に。

アムステルダムから電車で一時間くらいだったらしい。行けばよかった。『真珠の首飾りの女』もそこで展示されているようで。

Johannes Vermeer (1632-1675) - The Girl With The Pearl Earring (1665).jpg
By ヨハネス・フェルメール - 不明, パブリック・ドメイン, Link

 

Venus and Adonis 1658 Ferdinand Bol

Ferdinand Bol - Venus and Adonis - WGA2367.jpg
By フェルディナント・ボル - Web Gallery of Art:    Image   Info about artwork, パブリック・ドメイン, Link

犬かわいい。作者のBolはレンブラントの弟子。確かにそれっぽい。

 

Triptych with the Incredulity of Thomas and Portraits of Nicolaas and Adriana Rockox (1613-1615) Peter Paul Rubens 

"Our Guest From Antwerp" ということで、ベルギーのアントワープ王立美術館からルーベンスが来ていました。

Peter Paul Rubens - The Incredulity of St Thomas - WGA20193.jpg
By ピーテル・パウル・ルーベンス - Web Gallery of Art:    Image   Info about artwork, パブリック・ドメイン, Link

 

ルーベンス工房でも上のやつだ。肌のハリといい、視線といい、みんなが何を思っているか表情だけでわかる感じ。 

題材は「聖トマスの懐疑」なので、「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない」という懐疑を持ったトマスが、キリストに見せてもらって改心するところ。3枚絵の真ん中が『聖トマスの懐疑』で、左右は、当時のアントワープ市長のRockox夫妻。

 

『聖トマスの懐疑』というとカラヴァッジォが有名ですね。 1600年ごろ。

The Incredulity of Saint Thomas by Caravaggio.jpg
By ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ - [1], パブリック・ドメイン, Link

 

Triptych with the Last Judgement outer wings: Saints Peter and Paul (1526-27) Lucas van Leyden

Last Judgement, by Lucas van Leyden.jpg
By Lucas van Leyden - Museum De Lakenhal, Public Domain, Link

右の悪魔たちが、なんかボスっぽい。拡大してみる。

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ヒエロニムス・ボスぽいと思うんだけどなあ。ボスが亡くなるのが16世紀初頭なので、影響を受けていても不思議じゃない。

 

Nightwatch Gallery

もちろん『夜警』は大人気

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絶景でございました。

流石に殿堂なので、すごい作品ばかりでしたね。

 

通常展でもこの豪華さは、いやー、すごい。語彙力がなくなるくらいすごい。

 

3F 1900-2000 [通常展8/9] @アムステルダム国立美術館

フロアへの生き方がわかりづらいのと、収蔵点数が少ないので、ちょっと難関。

しかし、Yves Saint LaurentのMondorianがみれたのは大収穫。

 

Mondrian Dress (1965) Yves Saint Laurent

Mondrian-2017-04-22-2.jpg
By Yves Saint Laurent (photographed by Grey Geezer) - Own work, CC BY-SA 4.0, Link

 

 Tate Modernでモンドリアンをみて、ぜひドレスの方もみてみたかったので。

nimben.hatenablog.com

 

モンドリアンを見たいと思ったきっかけの映画 

nimben.hatenablog.com

 

今回初めて知ったが、背面はこうなっている。

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モンドリアン背面

他にも面白いものはあって、

 

Gerhard von Graevenitzの "3 Vertikale streifen" という抽象画とか、 Marlene Dumasの"The Last Supper" とか。

本物の飛行機も展示してあるので、楽しいですよ。複葉機のFK23 Bantam。

 

2F 1650-1700 [2/2 きれいなアスパラと][通常展7/9] @アムステルダム国立美術館

窓のところが、意図的にかどうかは別としてこんな感じで素敵だった。

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個人的に好きな静物画は、アスパラガス!

Stilleven met een bosje asperges. アスパラガスのある静物画(1697)Adriaen Coorte

Adriaen Coorte - Still Life with Asparagus.jpg
By アドリアーン・コールテ - www.rijksmuseum.nl : Home : Info : Pic, パブリック・ドメイン, Link

瑞々しい。ちょっと育ってしまった右下のくたっとなったのも良い。 

 

17世紀のリカちゃん人形? かなり精巧でした。

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2F 1650-1700 [1/2 海軍パワー][通常展6/9] @アムステルダム国立美術館

海軍パワー!

 

オランダ黄金期である17世紀を支えたのが海軍力。

この17世紀前後のオランダ史をざっくりまとめると。

16世紀、スペイン・ハプスブルク家で統治されていたネーデルラントプロテスタントであるオラニエ公ウィレム1世が徐々に勢力を伸ばし、1578年に現在のオランダを実効支配するようになる。ウィレム1世は1584年に暗殺されるが、勢いは止まらず。

1596年にグリニッジ条約により、事実上ネーデルラント連邦共和国として、名目上、スペインからの独立を果たす。

1602年にオランダ東インド会社設立。ポルトガルから、香辛料を中心とした貿易の利権をダッシュし、オランダの港であるアムステルダムが世界の富を集める。

1648年に、12年の停戦やヨーロッパ中を巻き込んだ30年戦争を経て、スペインから公式に独立。

海上覇権を巡って、英蘭戦争でイギリスとたびたび衝突。

1688年の名誉革命で、オランダのウィレム3世がオランダ統領を兼ねたまま、ウィリアム3世としてイングランド王にも即位。これで、両方の王が一緒なので仲良くなりますが、逆にこの時の取り決めで、海軍力が、イギリス5に対してオランダ3と抑えられることになり、黄金期の終わりが始まる。

1780年には、総生産量でオランダがイギリスの後塵を拝するようになり、アメリカ独立戦争と同時期に第四次英蘭戦争が勃発、ついにイギリスに敗退し、海上帝国の覇権を譲ることになる。

最後は悲しいが、海軍パワー!

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商船艦隊を守る、オランダ海軍。第一次英蘭戦争で組織された。

 

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これは2.15という比較的大きな部屋なんですけど、海軍パワーすごかったんだよ、という誇りに満ちあふれていました。

 

 

2F 1600-1650[通常展5/9] @アムステルダム国立美術館

Satyr and Nymph 1623 Gerard van Honthorst

Gerard van Honthorst - Sater en nimf - SK-C-1759 - Rijksmuseum.jpg
By ヘラルト・ファン・ホントホルスト - https://www.rijksmuseum.nl/nl/collectie/SK-C-1759, パブリック・ドメイン, Link

生々しい肉欲の悦び。サテュロスは「自然の豊穣の化身、欲情の塊」なので、しょうがない。

作者のヘラルト・ファン・ホントホルストはオランダはユトレヒトの人。

 

Triton Blowing a Conch Shell (1615-1618) Adriaen de Vries

f:id:nimben:20190330111836j:plainアドリアーン・デ・フリースはオランダはハーグの生まれ。

お尻で潰されそうな魚? 蛇? が可愛かった

 

食器など

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この辺り、すごく豪華でした。

あまり写真に撮っていませんが、このwing以外にもたくさん食器系あります。