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見たものと、読んだもの

book

郭敬明『陰陽師: とこしえの夢』2020/中国

伝奇アクションブメロドラマ。 夢枕獏原作を、中国&NETFLIXで。 『陰陽師: とこしえの夢』予告編 - Netflix 日本版といえば野村萬斎主演の2001年版なのだが、20年経ったらああなるのね。 陰陽師(予告編) 個人的には夢枕獏原作であれば、岡野玲子版の漫画…

ヤマシタトモコ『違国日記』(7) 祥伝社

この物語を読んでいると、自分の言葉だけで生きていけたらいいなあ、でもできないないなあ、それでも自分の言葉を紡ぐことは大事だなあ、尊いなあと思う。 Death Happens but never die youngという朝が着ているTシャツが好きだ。 ちょっと意訳になるが「い…

あfろ『ゆるキャン△』芳文社(既刊11巻)

こういう状態だと、アウトドアしたくなるのだが、その欲を程よく満たしてくれるほのぼのキャンプ漫画。 ゆるキャン△ 11巻 (まんがタイムKRコミックス) 作者:あfろ 発売日: 2021/01/07 メディア: Kindle版 なんと言っても、キャラクターたちがいい。 悪い…

カルロ・ゼン、東條チカ『幼女戦記』(20)/KADOKAWA

ジャンルとして、異世界や戦記だけでなく、ダークファンタシーと称しているのが、このお話のミソだよなぁ。 幼女戦記(20) (角川コミックス・エース) 作者:東條 チカ 発売日: 2020/12/26 メディア: Kindle版 ハードさが同程度で、原作者が同じカルロ・ゼンの…

今年読んで面白かったマンガ2020

まあ、今年を一言で言うと「鬼」かな。 吾峠呼世晴『鬼滅の刃』(全23巻完結) 田島列島『水は海に向かって流れる』(全3巻) アベツカサ/山田鐘人『葬送のフリーレン』 とよ田みのる『金剛寺さんは面倒臭い』 大童澄瞳『映像研には手を出すな!』 宇佐崎しろ …

自分を甘やかす、と言うこと

3巻までkindle unlimitedで出ていたので読んでみて、面白かったので、原作版をなろうで読んでいる 穏やか貴族の休暇のすすめ。@COMIC 第1巻 (コロナ・コミックス) 作者:百地,岬,8KEY 発売日: 2019/06/01 メディア: Kindle版 休暇だと思って楽しみます。…

永椎晃平『星野、目をつぶって。』全13巻

人と繋がって、変わるということの、喜びと辛さの物語。 星野、目をつぶって。(1) (週刊少年マガジンコミックス) 作者:永椎晃平 発売日: 2016/07/15 メディア: Kindle版 ビルディングロマンとしてのラブコメ プログラムピクチャ的なものの寄せ集め感はあ…

芥見下々『呪術廻戦』0から13巻

ダークファンタジーバトル漫画 呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:芥見下々 発売日: 2018/12/04 メディア: Kindle版 呪術を使うので『孔雀王』、外連味は『BLEACH』というところの影響をしっかり受けて消化した漫画でい…

吉田秋生『詩歌川百景』第1巻

吉田秋生の美しい女子高生から始まる話といえば『吉祥天女』だと思っていたのだが、この『詩歌川百景』が、それとは別の角度でとってかわるかもしれない。 詩歌川百景(1) (flowers コミックス) 作者:吉田秋生 発売日: 2020/10/09 メディア: Kindle版 話は…

ヤマシタトモコ『違国日記』(1-6 以下続)

最近の本購入の導線は、kindle unlimited で1-2巻くらい読んで、残りをそのまま購入というパターン。ぶらりと本屋で1巻だけ買ってみて、というのがやりにくい現在、割と機能する。もちろん、後半部分が好みと合わないこともあるが、unlimited範囲で判断でき…

原作:マツキタツヤ、漫画:宇佐崎しろ『アクタージュ act-age』12巻

『羅刹女』編が終わってしまった。 なんか、百城編ダイジェストと墨字無双と予告編という感じで、ちょっと食い足りなかったなあ。例えば20巻一気読みするとしたら、ここはこれくらいの分量がいいというと思うのだけど、11巻を読み終えて、これに百城がどう答…

原作:マツキタツヤ、漫画:宇佐崎しろ『アクタージュ act-age』

人が人になるとはどういうことか。 孤独な人間が仲間を得るとはどういうことか。 アクタージュ act-age 11 (ジャンプコミックス) 作者:宇佐崎 しろ 発売日: 2020/05/13 メディア: コミック 少年漫画の主役には、面白い人が面白いことをただ行って笑わせるも…

小川一水『天冥の標』(てんめいのしるべ)早川書房/途中経過6巻まで

残念ながら、今読むべき作品。 今のアメリカの状況が、タイミングが今だと叫んでいるからだ。それが残念でならない。もっと遠くの世界の話として読みたかった。しかし、それだけに、強く入ってくる物語だ。 《天冥の標》合本版 作者:小川 一水 発売日: 2020/…

みなもと太郎『風雲児たち』と、閉塞感

みなもと太郎が描きたいのは幕末なんだけど、幕末を描くためのバックグラウンドがわからないとなんでこのキャラクターたちがこういう動き方をしたのかわからないから、そうだ、わかるようなところから描いていこうぜ、ということで関ヶ原の戦いから描き始め…

いわゆる「なろう」小説を色々読んでみた

なぜ「なろう」がそんなにバカにされるのか、よくわからなかった。ので、読んでみることにした。 考えられる嫌われる理由って、二つある。 一つは、表現が稚拙であること。 ま、これはありえる。編集者や校閲者のフィルタを通していないものが対象になる。び…

高浜寛「ニュクスの角灯」

第24回手塚治虫文化賞マンガ大賞作品。 全く初めて読む作家なのだが、第1巻丸ごとこちらで読める。読んでみて面白かったので、全6巻大人買いした。 to-ti.in 話がどこに行くのかわからない感じが、とても素敵。 1878年/明治11年の長崎、主人公である、ちょっ…

眉月 じゅん『九龍ジェネリックロマンス』

今日まで全部無料で読める(第16話まで) https://tonarinoyj.jp/episode/10834108156705514756 九龍という今は無き無法地帯で、ジェネリックというジェネリック医薬品の香りのする言葉に、ロマンスという言葉をつけるというタイトルに、心を奪われる。 ヒロ…

カガノミハチ『アド・アストラ -スキピオとハンニバル-』

タイトルはラテン語の Per aspera ad astra (Through hardships to the stars) という格言から。後のスキピオ・アフリカヌス (Scipio Africanus)が、カルタゴの名将ハンニバル・バルカ (Hannibal Barca) という困難に打ち克ち、ついには倒すという物語を、全…

大英博物館『マンガ展』の図録

ラッキーなことに、大英博物館でやっていた『マンガ展』の図録を手に入れた。 magazine.manba.co.jp これをざっと見るだけで、行くべきだった展覧会だということがわかった。 メインキャッチの絵が、『ゴールデンカムイ』のアシリパさんだったから、現代によ…

末次由紀『ちはやふる』映画版と合わせて

漫画の『ちはやふる』と映画のそれとは、違うんだけど一緒の物語のように思う。 Kindleまとめ買い版 [まとめ買い] ちはやふる 作者: 末次由紀 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 漫画版の『ちはやふる』はまだ完結していない。しかし、第1巻の…

日本橋ヨヲコ『少女ファイト』講談社

気にはなっていたんですよ、この作品。 Kindleで3巻まで無料。まとめ買い(現在合計15巻。未完結)が20%オフだったので、これを機会に購入。 もっと早く買っておけばよかった。 [まとめ買い] 少女ファイト 作者: 日本橋ヨヲコ メディア: Kindle版 この商品を…

草野原々『最後にして最初のアイドル』 (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワのセールで購入。今年読んだSFで一番ぶっ飛んでいた。 著者本人が「実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF」というジャンルと言っているらしいが、もう訳がわからん!(褒め言葉) 最後にして最初のアイドル (…

『ラヴァーズ・キス』のランボーとヴェルレーヌの詩

『ラヴァーズ・キス 』の中扉に、なんかフランス語が書いてあるなあと思って調べてみたら、ランボーとヴェルレーヌの詩だった。 nimben.hatenablog.com Vol.I: 悪い噂:ランボー『我が放浪 / Ma Bohème』 海街Diaryにも出てくる藤井朋章と、出てこない里伽子…

吉田秋生『海街Diary』第9巻 (完結)

行ってくる、という副題の通り、みんながそれぞれの道を歩み始める卒業の巻。 海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス) 作者: 吉田秋生 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2018/12/10 メディア: コミック この商品を含むブログ (2件) を見る 初出が2006…

3月のライオン:原作:羽海野チカ(2007-), 実写映画:大友啓史(2017)

原作も好きで、映画版をやっと録画で見たので。 タイトルの元々の文章は、イギリスのことわざで march comes in like a lion and goes out like a lamb. 三月は獅子のようにやってきて、小羊のように去っていく。 日本でいう三寒四温のようなもので、春の最…

つくみず『少女終末旅行』(2014-2018) Kindle / アニメ(2017) @Netflix

世界の最後になった女の子二人が、そこにたどり着くまでを、淡々と描く作品。 [まとめ買い] 少女終末旅行 作者: つくみず メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る www.youtube.com 60−70年代ならば、ポストアポカリプト・ディストピアハードSFになる…

デニスEテイラー『われらはレギオン1 AI探査機集合体』早川書房

今読みたいSFってこうよね、というお話だった。 われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF) 作者: デニス E テイラー 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/04/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (4件) を見る われらはレギオン2 ア…

川原泉『笑う大天使』白泉社文庫

ものすごくしばらくぶりに再読したのだが、こんなに哀愁を帯びたお話でしたっけね。 笑う大天使 全2巻 完結セット(白泉社文庫) 作者: 川原泉 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2014/09/29 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る というか、表題作の『笑…

前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ 』(光文社新書/2017)

バッタ本というとアレな感じだが、中身は全然アレじゃないです。 エンターテイメントな一大半生記ですよ、これ。 バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書) 作者: 前野ウルド浩太郎 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2017/05/17 メディア: 新書 この商品を含む…

戸田和幸『解説者の流儀』洋泉社2018

真面目だ。 解説者の流儀 作者: 戸田和幸 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2018/05/30 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 自分が自分であろうとする事に対して。その上で、成功しようとしている。 元が誰の言葉か忘れて…