cafe de nimben

見たものと、読んだもの

パソコン通信のフォーラムと、カフェをくらべてみる(前置き)

ビジュアルコミュニケーションをなりわいにしている。
このため、リアルで話をかわすcafe的なものにはもちろん興味があるが、バーチャルでそれができるのか、できないのか、エッセンスだけ拾いあげて別のものに仕立てることは可能なのか、ということを、いつも心の片隅においている。

わたしにとってオンラインでのcafe的な物は、すでになくなってしまった パソコン通信 "NIFTY-Serve" の "フォーラム" のことだ。

「オーナー」である運営会社 "NIFTY-Serve" に対して「アクセス料」をはらう。
年齢、職業、肩書き、性別はとわれず、自身の発言のみで客と客との関係性が測られるという点が、cafeにおける関係とよく似ている。
"NIFTY-Serve" では、発言者はハンドルといわれる筆名をつかい、それと同時に接続IDもさらされる。
これは「セミ匿名性」だ、おもう。
cafeとちょっと異なるのは、参加者の発言を過去ログなどから発掘して、そのひとの発言の信頼性やおもしろさが実績になる点が、匿名性と実名性の中間にあるシステムだとおもうからだ。

cafeだと「評判」というものが発言者の実績にちかいが、「評判」はあくまで伝聞だ。
直接そのハンドルのひとの発言を検索することができる=一次情報を検索できるという意味では、過去の発言に対する未来への影響が、下手をすると実名性よりも高い。

フォーラムは、最大20の会議室にわかれており、大まかなアジェンダセッティングがされていた。(告知用、雑談用、特定話題用、など)

cafeでいえば、テーブルといえばよいのかな。
話題によって、しゃべる場所を変える、という感じ。
バーチャルなので、複数のテーブルに同時に存在するということもできる。

「主人」の役割をするのは、Sysop/sub-sys (シスオペ/サブシス)という管理人だ。彼らは、そのフォーラム内のルール決めをして、時には発言削除などのパワーを行使することがあった。

しかしながら、sysopのルールに対する態度は、ひとによってかなりことなっていた。

厳密に運用しすぎて信者しかあつまらないようになって活力をうしなうところもあれば、てきとーすぎて収拾がつかなくなったところがある。

「ところ」というのは、「会議室」のときもあるし、「フォーラム」全体のときもあった。

「炎上」がおこると、最終的には「炎上を納められないのは管理者がダメだから」という飛び火がおこって、フォーラム自体が焼け野原になることもあったので。

テーブルでのケンカが、カフェの中での殴り合いになって、店が臨時休業するみたいなイメージかしらね。