根津青山 vs 藤田傳三郎の戦いと、奇しくもなってしまった。こういうハシゴも乙なもの。
根津美術館は「東武鉄道の社長などを務めた実業家・初代根津嘉一郎(青山)(1860〜1940)」の、藤田美術館は「南海鉄道や東洋紡の前身を立ち上げた明治の実業家・藤田傳三郎(1841〜1912)」のコレクション展示のための私立美術館。と、出自が瓜二つな美術館同士だということ。約一世代異なるが、茶の湯への傾倒と収集というところは、そっくりだなという印象をうけた。
ぼくは、裏千家などをちょっとかじった程度なので、茶の湯の主人になれるほどの知識はなくて残念だった。茶のことがわかっていたら、もっとおもしろかったろうに。
サントリー美術館「国宝曜変天目茶碗と日本の美」
国宝の曜変天目茶碗は別格でした。あの深い青と窯変で生じた丸の連続は、夜ふかくにオーロラをみるような宇宙的な深淵をみるようでした。
砧青磁の満月、青井戸の柴田、ノンコウの赤楽の小町など黒楽の太郎と次郎。どれも趣があってよかった。実際にお茶してみたいものではあるが。
色で言うと、今まで青磁ってそんなに好きな色でなかったのだけど、砧青磁をみて撤回。特に上記の満月は縁の金もあわさって、とても綺麗だった。
根津美術館「根津青山の至宝」
形で言うと根津美術館の饕餮文方盉ですね。なんとなく、マヤやインカの神様の形を、殷王の調度品に感じるというのもまたなかなかおもしろかった。
そもそもは、「根津美術館の中庭を見たい」+「曜変天目茶碗が見てみたい」を組み合わせただけなんだけど。
根津美術館の中庭は、想定通りよかったです。苔もたくさんあったし。普通に美術品が庭に置いてあるのも好感触。鬼瓦とか、象さんとか素敵。
ただ、iPhoneのカメラじゃだめかな。いろいろ景色を圧縮しているので、被写界深度をとても浅く撮りたくなるから。明るい単焦点カメラで狙いたいところ。カキツバタの場所も理解したので、来春はシーズンにいきたいもの。あ、今の今は紅葉がはじまっていないので、もうちょっとお待ちを。今の緑一色もいいんですけどね。
充実した一日でありました。