ループものなのだが、かなりの変化球で、とてもワクワクする。
ここからもうネタバレ。
わたしのループものの基準は、ケン・グリムウッド『リプレイ』
ひとつの時点にむかって時間が回り続け、それをどう克服するのか、というお話。
しかし、僕街の「リバイバル」はそういう「時点」が固定されていない。
犯人探しと状況解除でサスペンスを作っているのだが、主人公のルールをずらして状況がかわっていく。
が、たぶんそこは手法であって本質ではないのだろう。
悲劇は起こってはならないし、起こさずに済む手があるなら止める、という主人公の意思。それがただまっすぐにあるだけなら、昭和のヒーローの話なのだが、諸処起こる悲劇にあってもそこで諦めないところ、そしてそれを理解して助けようとするまわりのひと、という苦味をかみしめた上での意思というのが、本質なんだとおもう。
たぶんそれを描くための道具として「リバイバル」をつかっていて、そこがぶれないので作品と正対している感じがある。
キレイごと。そういってもいいかもしれないのだが、それを応援したい自分がいる。
犯人のひとの動機も、まるで書かないという選択肢もあったろうに、書いてあるので人間ドラマっぽくて、ぼくは好き。
7巻一気読みした。
まあ、ひとつ気になっているのは、冒頭に出てくる世界は、未来からもどってきた自分ではないといえるのかどうか、なんだけど。それもふくめて続刊が楽しみ。