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見たものと、読んだもの

ドラマ『フラジャイル』第2話

苦さとシンプルさの間で、なんとかエンターテイメントしようとする誠実さを感じる。

 

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前景となる苦さは、自分のキャパ以上に押し寄せる患者と、苦闘するがゆえに「これくらい」と手を抜かざるをえない医療状況。
 
ある者は、開き直る。それに対して「あんたが医者であるかぎり、俺の言葉は絶対だ!」と言う岸京一郎。そこだけなら水戸黄門で、前回「歌舞伎」っぽいといったシンプルなところ。だが、その岸も、絶対を公言するための裏付けに苦しみ、背負う。
 
患者も患者の妻も苦しむ。病気だけではなく、そこに、善意でしたこととはいえ、追い込んだこと。
 
出口がない状況では、プライドか思考停止でしかやり過ごせないことがある。
そこを人に突きつけるのは溜飲が下がるけど、その刃が自分に向くのは本当につらいね。
 
決め台詞でシンプルにまとめようとしたいが、全てはできないことに悩みながら戦っていく苦さを、どういうバランスで見せてくれるのか、楽しみでもあり怖くもある。