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見たものと、読んだもの

カーティス・ハンソン『LAコンフィデンシャル』1997

映画だ。こういうのを映画というんだよね!

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 でもこれ、もう20年も前の映画なのか。ほとんどの人が今も活躍しているので、そんなに古く感じない。もともと1950年代のLAが舞台だから、時代劇みたいなものなので。

ケヴィン・スペーシー、ラッセル・クロー、ガイ・スピアーズそしてキム・ベイジンガーという、超豪華メンバー。
大傑作なのだけど、ショーレースでは『タイタニック』に全部かっさらわれた、ある意味かわいそうな作品。
いい映画の肝は、ネームバリューがある人でも、あっさり殺すことができるかという点。古くはヒッチコック『サイコ』1960から。でももしかしたら97年だとその程度の扱いだったのかもしれないのだけれど。
警部のジェームズ・クロムウェルがいい。この人の佇まいが映画のリアリティを脇から締めている。この人って、『ベイブ』の人という刷り込みがあるから、気のいい線の細いおじいちゃんという印象だったのだけど。筋金入り、というのがぴったり。ウィキペディアにはこの役を卑劣漢とか書いてあるのだが、卑劣ではなくて、もっと本質的なものですよね。
また、キャラクターとしては、ガイ・スピアーズの青臭いが如才ない正義漢というむずかしい役柄を演じていていいとおもいました。他の人はまだ、ステレオタイプ的なわかりやすいキャラだからこその、どうどうたる演技。
構成は時系列順で特にカットバックもない、堂々としたもの。
上映時間は138分とちょっと長いが、とくとごろうじろ。