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見たものと、読んだもの

ナンシー・マイヤーズ『マイ・インターン』2015

間違えてシニアをインターンとして雇ってしまったために起こるドタバタコメディだと思い込んでいたら、違ったw (大学四年生とお年寄りを混同して採用したのかと)

ココロがちょっと傷んでいるときに見て、ちょっとほっとする映画だった。
 


ブルーレイ&DVD『マイ・インターン』トレーラー 2月10日リリース

 

マイ・インターン ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

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ネタバレ感想

9年前(!)の『プラダを着た悪魔』よりはかなりほんわかあまい感じに仕上がっている。甘いんだけど甘すぎず、シリアル過ぎないようにうまいバランスをとっていて、あんまり不快や困惑ポイントがないというのは、すごく注意深く作られているのだとおもう。
 
デニーロ演じるシニアインターンは、ここでボスの信頼と、彼女を得る。
アン・ハサウェイは、自信と浮気した夫からの愛を取り戻す。
夫は浮気の謝罪を受け入れてもらえる。
 
うん、みんな幸せだ。
苦い現実からちょっと目を離して自分へのご褒美を得たい時にオススメ。
 
こう見ると、アン・ハサウェイは、現代のおとぎ話の主人公という立ち位置が似合うなあ。『プリティプリンセス』もそうだったし。
美人で同性にも異性にも好かれるというのは、たしかにまれな才能だ。
年を経た時にどんな演技になっていくのだろうか。
 
デ ニーロを見ていると、好々爺をとても自然に演じていて素晴らしい。どこかで怖さがちらつくかなと思ったら全くなかった。でも、部長ってもう少し管理職然と してないかな? 特にbrick & mortar の時代なのだし。上から目線オヤジ臭を出さないためにあえてそうしてあるのだろうけど。

ちょいと横道感想

お年寄りはステレオタイプ的に好々爺であるべきなのかなぁ。若者を主人公に据えたとき、今はダメでも将来的にもっとかっこよくなってやるというのが言える。だがシニアを主人公に据えた場合、少なくとも 体力的には衰えるだけだし、自分がどこら辺までならいけるかというガラスの天井が見えていたりというのが、どうしても前提になってしまうような気がする。無限の可能性はない、みたいな。それでもその人生を、その有限の枠内で壊れないように生きるというのが現実とするならば、それを忘れさせてくれるような中老年おとぎ話映画ってあるのかな。
 
ミドルエイジクライシスなら、「愛と勇気と有給休暇」の『シティスリッカーズ』は面白かったけど。でも、あの結論に納得するというのは、絵力に強引にねじ伏せられた気がして、論理としては唐突なんだけどね。


City Slickers Official Trailer #1 - Jack Palance Movie (1991) HD

蛇足

ちなみに、アンの方にその気がないことはわかっているが、ガウン姿で出張先の部屋に(自分の親ほどの歳とはいえ)部下の男性を呼んで、同じベッドに寝転んで 色々付き合わせるのって、今のご時世的にセクハラにならないのかしら。男女逆転させたらちょっと変な気がするけど。まだ、デニーロが完全に枯れた人として 描いてあればまだいいんだけどさ。自分がデニーロの立場だったら大いに困惑するぞ。ゲスすぎるかともおもったけど、みてて一番居心地が悪かったのはここだ。