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見たものと、読んだもの

東大寺で仏像を見上げる

博物館で快慶を見たら、その足で東大寺南大門にいき、仁王像を見るのだ。途中で鹿のフンを踏んだり、人力車に「リムジン乗りませんか」と声をかけられるが、そんなものは気にしない。

 

東大寺南大門金剛力士

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お昼に行った時は、網が邪魔をしてうまく映らなかったのだ。夕刻にライトアップされると、いけるぞ!

仏敵が中には入れないように守る、通称仁王、正式名金剛力士。阿吽の二躯とも国宝である。運慶快慶というか慶派として作成したらしいが詳細はまだわかっていないようだ。学術的なところは置いておいて、この堂々たる力強さをみよ! という外連味が素晴らしい。この8.4mの木造像は、1203年にたった69日で作られたらしい。東大寺の建立が752年なので、約4.5世紀たって金剛力士像ができたことになる。そこからさらに8世紀たっているので、いやはや時の流れは速い。

快慶といえば九尺阿弥陀だと思っていたら無位時代の色々やっているところに戻って、いやあこの力強さはこれはこれで素晴らしいとまたループに入る。この辺りの謎解きは秋の運慶展に期待したい。

ここまできたら、本殿にお参りである。盧舎那仏見ませんと。

中門をくぐって右を見ると、木造の屋根のゆったりとしたRが美しい。

 

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東大寺大仏殿

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見上げるお姿。

盧舎那仏、虚空観音、如意輪観音の三位一体。

修学旅行の時に参拝しているとはいえ、素晴らしい。大きいものはそれだけで十分すごいものと感じてしまうのは古来からの人間心理なのだろうか。

聖武天皇が建立し、それは色々な物語にもなっているのだが、大きく見上げてみんながそう思わせるべき世相だったのだとすると、単純に崇高な感じでは見られなくなるが。

如意輪観音にはちょっと違和感があった。というのは通常は六臂のはずだが、こちらは二臂なので。

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ちなみに盧舎那仏を裏側から見るとこんな感じ。

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二月堂三月堂

三月堂の不空羂索観音や執金剛力士像などは公開時期でもないし、二月堂の十一面観音は絶対秘仏で見ることができないので、建物だけ。

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二月堂は、思ったよりも小さかった。ここで二月にお水取りをするんだろうけど。

鹿さんが、せっせとお食事中。

ここから歩いて春日大社

手向山八幡宮

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なーんか気になって、左を見るとかわいい灯篭が。

巨木もありそうなので、入って見る。

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たまらない。素晴らしい巨木。

手向山八幡宮は、東大寺を建立するにあたっての守り神として、宇佐八幡宮からいらしたそうな。(調べると参拝は、一般的な二拝二拍手一拝ではなく、二拝拍手一拝なのが、八幡さまだそうな。失礼しました)

癒された後でふと見ると、

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菅原道真公ではありませんか!

新古今和歌集「このたびは幣もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに」を詠んだ地とされる。

ついでに見て行きなさいよ、と呼ばれた感じだ。

 

東大寺ミュージアム

東大寺総合文化センター 公式ウェブサイト/東大寺ミュージアム 企画展・特別展のご案内

千手観音をぜひご覧あれ。運慶快慶よりも前、平安時代のものだが、手が全て太い。

これの迫力は、後世の洗練されたものとはまた違う凄みがあって良い。

国宝の日光月光菩薩と共に三位一体で展示されている。