対談が終わってからの約1時間が、閲覧タイム。
人数が300名限定だったので、ゆっくりと閲覧できました。
第1章 御室仁和寺の歴史
第2章 修法の世界
第3章 御室の宝蔵
第5章 御室派のみほとけ
私の興味は、大きく分けて、「三十帖冊子(第1章)」「曼荼羅(第2章)」「仏像(第4章、第5章)」の三つ。「三十帖冊子」については、前回すでに触れたので、残りの二つを。
曼荼羅
奈良の子島寺にある国宝両界曼荼羅のうち、胎蔵界曼荼羅。
縦約3.5m, 横約3m。模写図もあり、これは高精細に復元しているもので、闇の中から仏像が曼荼羅の形でやってくるかのような大迫力だった。
同時に展示されている、各種曼荼羅もこれほどの大きさではないものの、迫力のあるものだった。色がついているものは、かなり退色が見られ、残念だったが。
仏画
孔雀経法は、厄災を払うために行われ、仁和寺のそれは無双の大秘法だったらしい。第一回でも触れたが、中宮徳子の出産のための祈りとかも、そう。以下のは仁和寺に伝わり、今は京都国立博物館にある、北宋時代の孔雀明王(国宝)である。
By 不明 - Kyoto National Museum, パブリック・ドメイン, Link
仏像
仁和寺の観音堂のオールキャストがすごかった。
大石師の解説によると、築後370年ほどたつが、流石に耐震工事改修が必要になった。それまで、お掃除で観音堂には入っていたが、蝋燭の光で中に入る程度だったので、こんなにキレイな色の仏像がいらっしゃるとは、よもや思っていなかったのだそう。
千手観音とその従者二十八部衆。さらに、左右に風神雷神を置き、合計三十尊という豪華さ。このキレイな彩色をみよ!
不動明王 - 千手観音菩薩 - 降三世明王 というちょっと珍しいトリオ。
雷神さん、でんでん太鼓が可愛らしい。
大阪金剛寺の五智如来坐像は全て金ピカの神々しさが素晴らしかった。サイコロの五のように、真ん中に大日如来を置き、周りを不空成就如来、阿弥陀如来、阿閦如来、宝生如来が置かれる。
この他にもたくさん千手観音像が設置されていた。個人的には香川の屋島寺の千手観音菩薩坐像のドクロにハッとさせられるなど、素晴らしいものばかりで、御室派大集合の総力という感じだった。
博物館に展示されるときは、一時、魂を抜くというが、やはり信仰の対象となるべきものだろうなあという気がする。
仏像としては展覧会自体の一番の推しである、葛井寺の本当に千本腕がある、千手観音坐像。後期展示ゆえにまだ展示されていなかったので、できれば見に行きたいなあと思っています。
で、元は取れたの? --> Yes!
プレミアムナイトチケット6,000円 = 前売り券1,400円 + 図録2,800円 + 御朱印700円(小計4,900円) + 僧侶による仁和寺のお話(非売品)+ おかざき真里ー恵美研究員対談(非売品)+1時間ゆったり鑑賞(非売品)
なので、非売品価格がトータルで1,100円。
御朱印は集めているので、これは私に取っては十分な価値。
図録は、あれば嬉しい。今回の記事を書くときも参考にしたし。お値段分の価値はしっかりある。ただ個人的な事情としては、家のスペースの問題であまり買わないようにしているので、そこは微妙。
図録ぶんを価格から外すと、非売品価格が3,900円になる。
ただそれでも、私には1時間ゆったり鑑賞だけでも元が取れて、特に「おかざき-恵美対談」でプライスレスで、元は取れたかな。