cafe de nimben

見たものと、読んだもの

至上の印象派展 ビュールレ・コレクション (1/3) ルノワール編 @国立新美術館

個人のコレクション。印象派を中心に、だけれど、同時代のものなどもあり。

印象派」として見るならば、2016年のルノワール展というばけものがあるが、個人が自分の好みで集めているという意味で、面白かった。2020年にこのコレクションがスイスのチューリッヒ美術館に所蔵されることになるということで、最後の世界ツアーということのようです。

「絵画史上 最強の美少女」というのもアリかなと思う、ルノワールの「可愛いイレーヌ」や、今回が初来日となる、モネの「睡蓮の池、緑の反映」が、見所です。

個人的には、あとは、ゴッホ「日没を背に種まく人」も目当ての一つ。

他には、ポール・シニャックがよかったなあ。

※表記が難しい。ルノワールで統一していきたいと思います。喫茶店はルノ「ア」ール

可愛いイレーヌ / Portrait d'Irène Cahen d'Anvers /Pierre-Auguste Renoir, 1880

Mlle Irene Cahen d'Anvers.jpg
By ピエール=オーギュスト・ルノワール - http://www.abcgallery.com/R/renoir/renoir29.html http://www.arteworld.it/ritratto-irene-cahen-danvers-renoir-analisi/, パブリック・ドメイン, Link

8歳ですって。そうは見えないなあ。下側のスカートのところ、白と青と金の組み合わせがとても清楚で美しい。

光の当たり具合からしても、顔を中心に見て欲しいという意図もよくわかる。

1番の人だかりでした。

こぼれ話

実際は、この絵の出来上がりはモデルには嫌われ、ナチスには売られるというすごい変遷を経て、ビュールレ・コレクションに収まるという波乱万丈である。映画にしてくれないかな。詳しい経緯は以下参照。

東京新聞:<幻の少女を追って 至上の印象派展を前に> (上)一時はナチスの手に:至上の印象派展 ビュールレ・コレクション:イベント情報(TOKYO Web)

東京新聞:<幻の少女を追って 至上の印象派展を前に> (中)「あの絵は大嫌い」:至上の印象派展 ビュールレ・コレクション:イベント情報(TOKYO Web)

東京新聞:<幻の少女を追って 至上の印象派展を前に> (下)長女の記憶を求めて:至上の印象派展 ビュールレ・コレクション:イベント情報(TOKYO Web)

 

しかし、wikipediaには、この「可愛いイレーヌ」の解説って、日仏伊の3ヶ国語、つまり英語がない。ってことは、「最強の美少女」が英語圏にはあまり知られていないってことなのかしら。英語圏での「最強の美少女」って何なのかは、ちょっと興味ある。

蛇足:印象派と私

2016年のルノワール展は、これも国立新美術館だったのだが、オルセー美術館とオーランジェリー美術館から、有名どころを引っこ抜いてくるという凄まじいものでしたからね。ベストアルバム的な。日光がキラキラして印象に残ります。

Bal du moulin de la Galette  (Musée d'Orsay) / ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会 (オルセー美術館蔵)

Pierre-Auguste Renoir, Le Moulin de la Galette.jpg
By ピエール=オーギュスト・ルノワール - http://allart.biz/photos/image/Pierre_Auguste_Renoir_2_Bal_du_moulin_de_la_Galette_Smaller_version.html (derivative work of musee-orsay.fr image?) Notwithstanding the source description, this is the version at the Musée d'Orsay (in the smaller version the central figure leaning forward lacks an earring)., パブリック・ドメイン, Link

 

私個人は、今まであんまり印象派を好んで見ては来なかったのですが、オルセー美術館で初めて生で見て、こいつは面白い、と感じ、テートモダンで抽象画との関連を考えた時に、光の芸術たる印象派が好きになったというニワカです。

 

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なお、2016年のルノワール展については、主催の日経新聞社のまとめがいい感じ

www.nikkei.com

ドイツ語だけど、本家のWebページ。せめて英語も用意してくれればいいのになあ。

Werke · Stiftung Sammlung E.G. Bührle