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見たものと、読んだもの

デニスEテイラー『われらはレギオン1 AI探査機集合体』早川書房

今読みたいSFってこうよね、というお話だった。 

われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF)

われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF)

 
われらはレギオン2 アザーズとの遭遇 (ハヤカワ文庫SF)

われらはレギオン2 アザーズとの遭遇 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

一応三部作完結編とされるものは、紙の版は発売中。Kindle版は10/15発売予定。

われらはレギオン 3: 太陽系最終大戦 (ハヤカワ文庫SF)

われらはレギオン 3: 太陽系最終大戦 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

ギオン。ローマの軍団というか、2000頭の豚に取り付いたマルコによる福音書の悪霊というか、最終的にどっちの意味で使われるだろう?

 

原題は "We are Legion (We are Bob)" 。え、Bobという固有名詞なのに "We are" で受けるの?

そう、それにはきちんと理由がある。

 

IT社長であるBobが死んでしまったのだが、それがデジタルコピーされて約1世紀後にコンピュータ上の思念体として蘇る! しかも、デジタルなので自分のコピーを作成可能。だから We are Bob。でもコピーされたBobは100%同じではなく、少しずつ性格は異なる。あるものは……いや、止めておこう、今に立ち位置を置いて、AIでデジタルコピーできたらというところから未来を描いてみるというのは、とても面白い。

 

ボブシリーズは、多少キャラクターは異なるが、ジョークが好きで前向きな性格ということは共通している。もちろん体がなくなってしまったことは悲しいし、自分がどういう立場に置かれていて、どのようにこの訳の分からない状況からサバイブしていくのか、というのはハラハラする。

ハードSFかと言われたらそうでもないと答えるが、逆にその分、軽妙さがあり、現在のネット社会からの延長の作品という面白さがあるので、(全部読んでないけど)おすすめです!

3巻分読めたら、ネタバレありで、ちょっと描いてみよう。