日本のコレクターがバレエの歴史を網羅するようなコレクションを持っているということの眼福。
牧阿佐美バレヱ団の強力な協力でチャイコフスキー三大バレエの衣装をまじかで見ることができたのも楽しかった。美しい。
通常は阪急神戸線西宮北口駅近くにある兵庫県立芸術文化センターに所蔵されている。
薄井憲二 バレエ・コレクション | Kenji Usui Ballet Collection
薄井憲二氏は1924年生まれのバレエダンサー、現役を退いてからは日本バレエ協会の会長などを歴任し、後進の指導にあたっていた。昨年(2017年)、93歳で死去。
高校生でバレエに魅せられ、ダンサーとなり、東京帝国大学に進学したものの、当時の満州国ハルピンに学徒出陣。そこで終戦を迎え、4年間のシベリア抑留ののち、帰国、復学、復バレエ。
という、なんとも凄まじい経歴ですね。
バレエ関係のコレクションは、wikipediaによると個人のものとしては世界有数とのこと。いや、確かにすごかったです。
20世紀初頭のバレエ・リュスとその関連のダンサーたち。特にアンナ・パブロワのコレクションが充実。ニジンスキーの最後のジャンプの写真など、おおこれがあの逸話の! みたいなものが目白押し。
個人的には、バレエと芸術に関するコーナーがよかったです。ジャン・コクトー、マルク・シャガール、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ、エドガー・ドガ、マリー・ローランサンの絵画、公式プログラムの表紙絵、舞台美術や衣装。同時代なんだなあ。
また、藤田嗣治による帝国劇場での白鳥の湖の舞台美術なんて素晴らしかったです。1946年に上演って、まだ東京は焼け野原じゃないですか。
バレエ好きな人は、ぜひ。