1887年から1901年までヴィクトリア女王に仕えたインド人のアブドゥルがヴィクトリア女王の孤独を癒す話。
最期の秘密というよりも、原題の「ヴィクトリア(女王)とアブドゥル」の方が、中身はよく表していると思う。冒頭に「ほぼ史実に基づく」というのが楽しい。(based on real events... mostly)
女王の孤独とそれが癒される感じに着目して、いい感じの小品として楽しく鑑賞できました。
20年ぶり二度目のヴィクトリア女王を演ずるジュディ・デンチは圧巻。尊大だが孤独で、チャーミングで素晴らしい演技でした。
私が知ったのは『恋に落ちたシェイクスピア』でのエリザベス女王でしたが、最近は007シリーズのMかしら。
でも、女王の側近に自分がいたすると、この厚遇はヤバイ、阻止に動きたいと思うのも当然で、なかなか現実とファンタシーは区別が難しいです。
映画冒頭の在位50周年記念式典の時は、日本からは小松宮様が出席。映画では描かれない60周年記念式典の時は有栖川宮様と伊藤博文が出席。
ちなみにヴィクトリア女王から現女王エリザベス2世までの系譜
ヴィクトリア女王
(在位63年:1837/6/20-1901/1/22:在位期間は現女王に次いで歴代2位。18歳で即位。ちなみに日本の元号でいうと「天保の改革」の天保から明治まで)
→ バーディとして出てくるのエドワード7世
(在位9年:1901/1/22-1910/5/6:日英同盟の時の英国王。ヴィクトリア女王の長男。明治)
→ ジョージ5世
(在位25年:1910/5/6-1936/1/20:『英国王のスピーチ』の父王。エドワード7世の次男。*1明治大正昭和)
→エドワード8世
(在位1年未満:1936/1/20-12/11:王冠をかけた恋。シンプソン夫人と結婚するために退位し、弟に王位を譲る)
→ジョージ6世
(在位25年:1936/12/11-1952/2/6:『英国王のスピーチ』第二次世界大戦の時の英国王)
→エリザベス2世(在位中:1952/2/6ー。在位期間歴代一位)
現役女王だが、たまに映画になる。
私が好きなのは、2006年作品で、1997年のダイアナ妃が事故で亡くなった時のエリザベス2世の葛藤を描いた、これ。主演のヘレン・ミレン / Dame Helen Mirrenはこれでオスカーを獲得。敷地内を一人でドライブする表情が何とも言えなかった。
ちなみに、2012年ロンドン五輪開会式のショートムービーに、James Bondと共に出演している。
*1:長男は1892年に死去している