原三渓なる人物を知らなかったのだが、孔雀王は大好きということで行ってみたが、いやいや大コレクターですね。下村観山の生活の面倒も見るとか、パトロンでもあり。
アーティストとしての原の、白蓮はなんとも穏やかで静謐で、夏の朝の夜明け直後のような爽やかさ。ああいうのを一幅置いて、お抹茶をいただくと気持ちよさそうです。眼福でした。
孔雀明王像
今は東京国立博物館に所蔵されている国宝の『孔雀明王像』(平安時代)
By 不明 - uwEm0Ca3wrGrww at Google Cultural Institute maximum zoom level, パブリック・ドメイン, Link
平安時代のものにしては紙があんまり茶色く変色していなくて、くっきり綺麗でした。
遠くから眺めても、近くから詳細をみても、どちらも美しい。
円山応挙『中寿老左右鴛鴦鴨』
顔の精密さ、鳥の精密さ。精密なのにいい構図。いいバランス。
原三溪の美術 伝説の大コレクション | 取材レポート | インターネットミュージアム
本阿弥光甫(空中斎)『梅に鶯図』
小ぶりな作品だが、鉛直に立ち上がる二本の枝が、にょほっとしていてよい。
クスッとまろやかな気分でお茶をいただけそうな掛け軸。
下村観山『大原御幸』
ただ美しい。精密さと彩色と、省略と。
久住守景『加茂競馬』
これ1番好きかも。楽しげな笑い声が聞こえる。先行する馬が振り返ってるのは、煽っているのかな?
当たり前だが、ベジェ曲線ではかけない主線
色々あって楽しいのと、展示替えが多いので、近ければ何度か行かれると吉かも。再訪割引あるようですし。
コレクション展
コレクション展も良かった。
いきなりセザンヌで始まって、いろいろ。
奈良のこんな大きいのも初めてかな。
写真も充実してた。
沢田教一の写真、初めて生で見たかも。
木村伊兵衛はきちんとまとめて見てみたいなあ。
スペイン内戦とか、ノルマンディー上陸とか、ロバートキャパも初めてかもしれない。
有名なヤツだと、戦勝が決まってニューヨークで水兵さんが女性とキスしてるヤツあった。
ドイツ占領中にドイツの見方をしたとして糾弾されるフランス人女性の図を見て、『愛と哀しみのボレロ』を思い出すなど。
具象図を見て、写真を見て、抽象図を見ると、写真があるのにあえて絵なのはなぜか、という問いが常に頭の片隅で鳴る
今のところ、抽象画を描くのは、具象から何かを取り出してチャンクアップした時に、それを純度高く定着する手段だと思っていて。
その、言葉にも形にもできない何かに対峙して浸るのが好き。
なので、抽象画は抽象画の作者の頭の中を想像するという、不可能な対話なのだ。
だから、ノイズはいらない。
ロスコールーム行きたいな。