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見たものと、読んだもの

原作:マツキタツヤ、漫画:宇佐崎しろ『アクタージュ act-age』12巻

羅刹女』編が終わってしまった。

なんか、百城編ダイジェストと墨字無双と予告編という感じで、ちょっと食い足りなかったなあ。例えば20巻一気読みするとしたら、ここはこれくらいの分量がいいというと思うのだけど、11巻を読み終えて、これに百城がどう答えるのかを期待していた私としては、ちょっと肩透かしを食った気分。

おそらく私は、百城の「天使/悪魔」の切り替えを、言葉ではなく、漫画として読んでみたかったんだろうな。しかしそれを書くと、夜凪の物語ではなくなるので、圧縮したのではないか、という気がしている。

黒山墨字、who?

あと、違和感の一つが、墨字の監督としての性能。彼は、優秀な「ドキュメンタリー」監督で、カンヌ・ベルリン・ヴェネツィアの世界3大映画祭全てに入賞しているが、日本ではマイナーな監督ということだが、ドキュメンタリー監督がエンタメの舞台の演出家としても成立するというのは、かなり稀有な才能ではないかという気がするのだが。

稽古で演出を研ぎ澄まし、座組のみんなを「泥舟」に乗せて、その人の個性を開花させ、普通の人ではたどり着けないところに送り届ける。これは、凄腕の舞台演出家であり、ドキュメンタリー監督という生き物とは違う気がする。

ドキュメンタリーは、やり直しがない。カメラの画角と編集で演出はできる。が、劇映画とは違って、これから撃たれて死ぬであろう女性に演技をつけられない。

もちろん、モキュメンタリーという映画ジャンルはある。『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』とか『カメラを止めるな』とか。本当は劇映画なのだけど、あたかもドキュメンタリーのように撮ってある作品群。


【映画】ブレア・ウィッチ・プロジェクト 日本国劇場予告

でもここらへん、結構一発屋的なものになるから、これでカンヌ、ベルリン、ヴェネツィアで入賞できるんかなあ。

 

日本人の戦場系だと『地雷を踏んだらサヨウナラ』あたりがイメージなのかな。主人公の一ノ瀬泰造は、戦場カメラマンとしてベトナム戦争から戦争が飛び火したカンボジアなどで活躍。1973年にクメールルージュに処刑される。


地雷を踏んだらサヨウナラ Trailer

 

もちろんフィクションなんだから、どんな人がいてもいい。

この辺りの裏設定、どこかで開示されるだろうから、色々予想していくのは楽しみだ。

 

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