監督として2008年から2011年まで8年間中日ドラゴンズの指揮を取り、日本一を1度、リーグ優勝を4度獲得、そして一度もBクラスにならなかった落合博満。
「嫌われた監督」と言うよりも「孤独な監督」と言う気がした。
「その年に優勝するため」に全てを注ぎ、好き嫌いではなく、勝てる選手を選ぶと言う考え方なのだなと言うのが良くわかる。誰にでもいい顔をすることはできない。それならば、勝つと言う一点の優先順位で考える。だから非情な采配をするし、好き嫌いを超えて使う選手を選ぶ。若手を育てなかったと言うが、立浪から森野への移行はしたわけだし、そこは公平だったのかもしれない。育てられなかったのか、育たなかったのか、それはわからない。
裏の軸は著者鈴木忠平の記者としての成長記でもあり、この面でも面白い作品。