cafe de nimben

見たものと、読んだもの

原作:青木潤太朗 漫画:森山慎 『鍋に弾丸を受けながら』(1) KADOKAWA

治安の悪い場所の料理は美味い そう思いませんか?

(中略)

日本みたいに安全な場所って、"70点から90点のものがどこでも食える" んですよ

そりゃあ素晴らしいことです

でも危険とされるところ…

グルメなどでは絶対に赴かないはずのエリアかな…

そういう場所に行くとーー

20点か5万点なんですよ

という場所でのグルメの話。

 

5万点の食べ物たち

もちろん食べ物は、5万点のものが紹介されている。

メキシコの『マフィアの拷問焼き』(ロモアールトラポ / Lomo al trapo)

アメリカシカゴの『イタリアン•ビーフ

ブラジルアマゾナスの『オレンジジュース』と『豚足のファビュラ風』

アメリカの『エルビス•サンドイッチ』

アメリカシカゴの『ブレックファースト•バーガー』

 

それぞれに美味そうなので、夜寝る前には読書厳禁。

 

サウダージ」ないし、旅行の美しい思い出

友達と同じ場所に旅行に行っても、思い出として残るのはその人の個人史の何かなので、その唯一無二感を楽しむのが旅行記だと思っている。原作者がそれを「サウダージ」というのは、とても共感できる。

原作者の気づきは、

Um peixe vivo vale muito mais que um morto. / A live fish is worth much more than a dead one

これをさんま風に「生きてるだけで丸儲け」とは訳せない何かが、原作者のサウダージなのだと思う。

 

グルメ部分についてちょっと調べたので、この蛇足を持って感想を終えたい。

 

YouTubeで見る、『鍋に弾丸を受けながら』飯

Lomo al trapo


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こちらのYouTubeではコロンビア料理として紹介されているが、気にしない。

スペイン語で、Lomoが、牛ヒレ肉の中心部のこと。Trapoが布のこと。al は a + el の縮約型なので、「ヒレ肉を布に」というのが直訳になるのかな?

中南米は肉を塊で焼くのが美味しいイメージがあるので、一度食べてみたいなあ。

もしキャンパーの人がいたら、ぜひキャンプでのBBQの一環として、試して欲しい。

 

Italian Beef


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パンを煮汁につけているのを見ると、すごい絵面だった。

客の「チーズは好きだけど、これに入れたらダメだ。肉汁の風味がわからなくなるだろ!」という幸せそうな顔。

顔面を肉汁で汚しながら食べたい。

 

2022年2月追加

 

豚足のファビュラ風

これは直接のものは、見つからなかった。残念。皮付き豚バラ肉のローストは結構見つかったのですが。これが近いかな。


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エルヴィスサンド


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揚げているのは見つけられなかったのだけど、これでもかなり胸焼けしそうな感じですね。

 

ブレックファースト•バーガー


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二種類紹介されている。どっちも美味しそう。

 

絵面は食欲を削がないという意味でとても大事

そういう意味では、ちょっと『ハイパーハードボイルドグルメリポート』に似ているかもしれない。しかし、あくまで主役は現地に行かないと食べられない「美味い飯」なので、そういうハードボイルドな描写は(ほとんど)ないので、安心して読んでいける。

なんといっても登場人物は美少女ばかりだから。だって原作者が

ーー私の脳は

長年にわたる二次元の過剰摂取で壊れてしまっている

だから私の互換を通して観測するこの世界には

基本的に美少女しかいない

ということなので、仕方がない。

 

リアルな絵面にしたら、きっとこうなるので、美少女化は正しい。怖くて食欲どころではなくなる。


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おまけ

豚足のファビュラ風を読むときに、ちょっと読んでおくと背景がわかるかも、な参考リンク。

www.hotpepper.jp

実際にファヴェーラに住んでいた日本人写真家によるお話。

ブラジルのリオデジャネイロには行ったことがあるが、流石にファヴェーラはバスの中から見るだけ。ファヴェーラの近くと通る時は固まって動く。逸れると命の保証はないと脅されるし。

実際にトラブルに巻き込まれたら簡単に人死にが出るんだろうから、近づきたくはないんですけどね。だからこそ知りたいという気にはなる。