平成館まるごと使った特別展ではなく、本館の一階のスペースを使っての、こじんまりとした展示。(平成館はポンペイ展をやっている)
会期:2022年3月1日(火)~5月8日(日)
重要文化財 空也上人立像
運慶の四男康勝による作品(13世紀)。
117.6センチと、そんなに大きくない。(快慶の三尺阿弥陀の約90センチより、ひとまわり大きいが)
ここに50センチ程度のお立ち台を設けて、全面をガラスで覆って、360度閲覧できるようになっている。
唱える「南無阿弥陀仏」の6字が仏像になって口から出るというファンタジックなところ以外は、写実的で、今にも歩いていきそうなほど。
輸送は大変だったらしい。
二体の地蔵菩薩
定朝作地蔵菩薩立像
定朝は仏師で、11世紀は藤原道長時代の人。定朝様と言われる仏像作りのフレームワークを作った人。運慶快慶は定朝の息子の覚助の流れを汲む。定朝作と確定できるものは唯一、平等院鳳凰堂の阿弥陀仏坐像のみ。この六波羅蜜寺の地蔵菩薩立像も、六波羅蜜寺は定朝作と謳っているが、東京国立博物館は定朝作とは謳っていない。何か決定的なものがないということなのか。
非常に優美なお顔立ちをされていて、心が安らぐ。
鬘掛地蔵の異名あり。
運慶作地蔵菩薩坐像
こちらは運慶。快慶の阿弥陀立像と、やはりよく似ている。端正。
このほか、運慶とされる像や、平清盛とされる像があり、数は少ないが楽しかった。