cafe de nimben

見たものと、読んだもの

福本伸行『賭博黙示録カイジ』

Kindle Unlimited に入っていたので、今更ながら、読んだ。

こう言う話だったのか。「ざわざわ」「圧倒的ーー」など、コマを切りはりした引用は多く見ていたのだが、オリジナルを読んで合点がいった。

現時点でUnlimitedに入っているのは、以下の3シリーズ。

賭博黙示録 カイジ 1

賭博黙示録 カイジ 1

Amazon
賭博破戒録 カイジ 1

賭博破戒録 カイジ 1

Amazon

 

読んでみて面白かった点は、

  • ギャンブルはオリジナルのものであること
  • ルールは開示されていないものもあるし、違反にならないイカサマを許容し、逆利用もアリなこと(つまり、ほぼなんでもあり)
  • ギャンブルは基本的に対人戦であり、心理の読み合いであること
  • カイジも他の人も、人間ならでの弱さズルさを持っていて、それが動機であること
  • また、金額を張れば張るほど、負けたら終わりと言う厳しさと、魅力に囚われること

私は、ギャンブルをしない。このため、麻雀の役などさっぱりわからないし、なぜここでお金をかけて戦って一発逆転を狙うのか、と言う根本のところが理解できないと言う、想定読者からは外れる人間のはずなのだ。しかし、ロジックだけでも感情だけでもない心理の読み合いで、カイジも相手も揺れる描写がすごい。

あと、事実関係の裏取りなしに、「あいつは俺を騙した」「これくらいの端金は問題ないはずだ」「なんとかなる」と言う思い込みをする、したくなると言う、人間心理の描き方が凄まじい。

この辺りを、クズどもめ、と、上から目線で読む人も、このヒリヒリ感がたまらないと中の人の目線で読む人も、ああこう言うところ自分にもあるクズなところだとしたから見上げる人もおそらくいて、この重層構造が、物語を分厚くしていると思う。

例えば、『DEATH NOTE』のように高度なロジカルな読み合いと言うのとは、その辺りが別物。

しかし、映画だとどっちも藤原竜也主演作か。やっぱ似ているってことなのかね?


www.youtube.com