トーハクの国宝展繋がりで、長谷川派の図屏風があると聞き、参上。
長谷川等伯やその息子の久蔵の図屏風(国宝)も良かったが、全く予期していなかった堂本印象の図屏風も良かった。こういう良き出会いって素敵。
長谷川等伯
楓図
Asie - auteur: Akiyama Terukazu - éditeur: éditions Albert Skira – リンクによる
桜図
長谷川久蔵 - Shimizu, Christine: L'art japonais, Flammarion, パブリック・ドメイン, リンクによる
松に草花図
長谷川等伯 - Postcard published before 1986, パブリック・ドメイン, リンクによる
キンキラキンなのに躍動的で静謐。
世の盛りが満月ならば、その1番の輝きを描こうというものなのに、これから咲いていくような生命力をも感じる。
この壁画や図屏風を肴に、お酒を飲みたい。
松林図屏風は以下のように水墨画なので、感じは違う。(東京国立博物館のものなので、サントリーでは展示されていない)
これも、冬の雪や風に煽られながらも、強く生きているという生命の強さを感じる。
堂本印象
『松桜柳図』が、またいい。図屏風だけど等伯とは全く違う色彩の、昭和三十三年の作品。具象画と抽象画の間にあるような。色彩もポップなのに静謐という。
長谷川等伯の国宝は三つ。そのうちの二つが展示される
- 松に草花図・桜楓図・松に梅図・松に黄蜀葵及菊図
- 松に草花図
- 松林図
このうち、松林図屏風(#3)は、東京国立博物館の正月展示で有名。
他の2作は、智積院が保有。なお、読みは「ちしゃくいん」。「ちせきいん」ではない。(私は間違えてしまった)
来年2023年4月4日に、智積院宝物館ができるので、その間に、初めてお寺さんの外での展示、となる。
智積院とは?
真言宗のお寺さん(なので、弘法大師の絵がある)。寺号は根来寺。
根来寺といえば、司馬遼太郎『尻啖え孫市』でお馴染み雑賀衆と同じ時代の鉄砲衆である根来衆は、ここを拠点としたことで知られる。根来寺は一度、豊臣秀吉によって壊滅されている(1585年)。高野山に難を逃れた住職の玄宥僧正が、祥雲寺を江戸幕府から譲り受け、再興 (1615年)。
祥雲寺は、3歳で亡くなった息子の菩提を弔うために、1591年に豊臣秀吉が建てた寺。長谷川等伯はの絵は、この祥雲寺のために描いたもの。