cafe de nimben

見たものと、読んだもの

(antipasto-1) LEGOワークショップ

2009年3月27日に行われた『学びと創造の場としてのカフェ』に参加した。
http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/03/post_1469.html

antipastoは、LEGOをつかっての工作。

参加者のおよそ半分くらいの方が実際にLEGOをくみたてていた。
これは、ロール紙が足りなかったからおこった不測の事態ではある。

別にLEGOをつかわなくてもよいのだろうけど、言葉でも絵でもなく、物をくみたてることから始める、ということに意味があったのかもしれない。

http://www.youtube.com/watch?v=kuA_yz7aTo0

"Back of the Napkin" の作者 Dan Roam は、上記YouTubeのなかで、こうふれている。

「小学生に『絵をかけますか』と訊ねると、クラスのみんなが手を挙げる。『字は読めますか』と訊ねると、2-3人しか手を挙げない。
しかし、高校生に同じコトを問うと、正反対になる」

『絵を描いて』『文字を書いて』となると、コンパクトにまとまった「何か」というものをつくってくれ、というのは、やりにくいのだろうな、とおもった。

LEGOなら、精密にはつくれない分、適当でいいや、という考えができる。
ので、考えを表明する方法としては、敷居がさがってくるのではないか?

そのあとで、お互いに「自分のLEGOは何を表しているのか」を簡潔に答えるというセッションにはいる。

他人がつくったのをみるとおもしろい。

自分のものは時間が「つながっている」感をだしたかったので、起きてから寝るまで物理的にLEGOがつながっているものにした。

しかし、イベントだけを切り取る発想で、別々に固まりがおいてあったりする。

おそらく、LEGOの色でそのときの感情を表すというのは、各人共通だったとはおもうのだが、それ以外はまったく違う発想でおもしろかった。

この "antipasto" の提案者である、上田先生は、「一度カタチに落とすことで、思い出しやすくなり、どんどん話せるようになるでしょ」とおっしゃっていた。

一旦、自分の中を掘って、それをLEGOの固まりというカタチに落として、それを誰かに説明をする、というのは、

課題(外) → 思考(内) → 製作(内&外) → 発表(外)

という自分の内と外をいったりきたりするので、いい意味でふりまわされ、目の前のことに集中できるとおもった。

(antipasto-2) 感想:LEGOワークショップでの空間デザイン

後から思い返すと、この時点から「空間デザイン」にはかなり配慮されていたことがわかる。

・照明は、蛍光灯→ダウンライトへ
・音楽は、(実現しなかったけれど)「Jazzyなもの、ある?」
・机は、教室形式ではなく、2x2をワンセットにしたダイアモンド型を、頂点同士がくっつくようなカタチに
・ホストは、バリスタのような黒いエプロンをしており
・カフェは飲み放題

という、まさにCafeを意識した空間。

もちろん、大学の教室であるという大前提からは放たれることはないが、そのなかでも最大限の努力がしてあったとおもう。
ホストのみなさんに感謝です。

また、最後にホストの中原准教授からのネタばらしがあったのだが
・人は、男女比を全体構成と同じ程度にし、年齢層や所属業界にも配慮

ということで、目に見えないところに、頭をつかっていることがわかった。

上田教授
http://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/data/811.html

によると、アンティパストの設計がいちばん難しいとおっしゃっていたが、目に見えないノウハウがいちばん難しいというのは、どこの業界でも同じであることよ、と感心したのと同時に、どうやったら気がつけるかということで必死になってふりかえっている自分がおります。

「さすがにどーしよーもないだろー」という教室でセミナーをやることになったときに、「壁に真っ黒なシートを敷」くというアイデアをだして実行する、という前科を上田先生はお持ちのようなので、「金がなければ知恵をだせ、知恵もなければ汗をかけ」という金言をとにかく地でいくのが大事ですよね。凡事徹底。