cafe de nimben

見たものと、読んだもの

2018-01-01から1年間の記事一覧

2018年に行ってみた美術展トップ3

年始の見立てのものはほとんどカバーできたので、今年は大満足。 総論 今年は時間を作って、なるべく見てみる、という感じに敷居を低くした。行くと発見があるもので、質も量も楽しめた。 特に気にしていたのはキューレーションで、頭の中に色々補助線を引い…

2018年、読まれた記事、トップ3

ちょっと興味があって、今年の9月の半ばに、Google Analyticsを入れてみました。 今までの統計よりはかなり細かいことがわかるようになりました。これで無料ってすごいですね。 Hatena blogの無料のアクセス統計って、直近1000件についてのみというちょっと…

ウェイン・ワン『スモーク / Smoke』1995 米日独

タバコの煙のような癒しの、大人のクリスマス映画。 題名の通り、みんなびっくりするくらいタバコを吸っている。それもそのはず、主人公の一人であるオーギー(ハーベイ・カイテル)はニューヨークはブルックリンのタバコ屋の主人なのだ。そのタバコにまつわ…

薄井憲二バレエ・コレクション特別展 The Essence of Beauty バレエ 究極の美を求めて @そごう美術館

日本のコレクターがバレエの歴史を網羅するようなコレクションを持っているということの眼福。 牧阿佐美バレヱ団の強力な協力でチャイコフスキー三大バレエの衣装をまじかで見ることができたのも楽しかった。美しい。 www.sogo-seibu.jp 通常は阪急神戸線西…

『ラヴァーズ・キス』のランボーとヴェルレーヌの詩

『ラヴァーズ・キス 』の中扉に、なんかフランス語が書いてあるなあと思って調べてみたら、ランボーとヴェルレーヌの詩だった。 nimben.hatenablog.com Vol.I: 悪い噂:ランボー『我が放浪 / Ma Bohème』 海街Diaryにも出てくる藤井朋章と、出てこない里伽子…

吉田秋生『海街Diary』第9巻 (完結)

行ってくる、という副題の通り、みんながそれぞれの道を歩み始める卒業の巻。 海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス) 作者: 吉田秋生 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2018/12/10 メディア: コミック この商品を含むブログ (2件) を見る 初出が2006…

Tony賞2018のオープニングが素晴らしかった

今年6月に行われたTony賞の授賞式の様子を、今更見て感動するなど。 www.tonyawards.com アカデミー賞のはよく見ているんだけど、Tony賞の授賞式を見るのは初めて。 期間中にブロードウェイで上演された舞台がノミネートされ、ブロードウェイ関係者による投…

Mouvement des Gilets jaunes

Mouvement des Gilets jaunes 直訳すると、movement of yellow vests。 Mouvement = Movementdes = ofGilests = vestsjaunes = yellow ツールドフランスで個人総合優勝の人が来ているイエロージャージは、マイヨジョーヌ (maillot jaune)ですね。英名は、Yel…

3月のライオン:原作:羽海野チカ(2007-), 実写映画:大友啓史(2017)

原作も好きで、映画版をやっと録画で見たので。 タイトルの元々の文章は、イギリスのことわざで march comes in like a lion and goes out like a lamb. 三月は獅子のようにやってきて、小羊のように去っていく。 日本でいう三寒四温のようなもので、春の最…

つくみず『少女終末旅行』(2014-2018) Kindle / アニメ(2017) @Netflix

世界の最後になった女の子二人が、そこにたどり着くまでを、淡々と描く作品。 [まとめ買い] 少女終末旅行 作者: つくみず メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る www.youtube.com 60−70年代ならば、ポストアポカリプト・ディストピアハードSFになる…

ブライアン・シンガー『ボヘミアン・ラプソディ』(Bohemian Rhapsody)英米2018

最後の Live at LIVE AID @Wembley Stadiumの20分強のためにある映画。 音響が大事なので、ぜひ映画館で。 www.youtube.com 個人的にもう一度見たいかと言われると、いや、LiveAID以外の部分は見たくないと答えてしまう。なんせ、ツライのだ、フレディーを見…

フィリップス・コレクション展 @三菱一号館美術館

概要 オールスターという感じで、同時代の名のある画家を中心に収集した感じ。今回来ているのは、一度は名前を聞いたことがあるような有名作家ばかり。 「全員巨匠」というのは、確かにその通りだった。 といっても、すごい大作、というよりも、こじんまりと…

生誕110年 東山魁夷展 @国立新美術館

唐招提寺の御影堂障壁画は必見。中にいるかのような見せ方。 これだけは撮影できた。本当はこれを背景にした自撮り用なんだろうけど。 kaii2018.exhn.jp 生誕110年 東山魁夷展|企画展|展覧会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO 以下引用部は、…

マチュー・カソヴィッツ『La Haine / 憎しみ』1995フランス

パリは2度ほど訪れていて、機会があれば再訪したいと思っているくらいには好きな街なのだが、もちろん暗黒面もある。テロや暴動が定期的に起きるのだ。 2005年のパリ郊外暴動事件 2015年のシャルリー・エブド事件 2015年の同時多発テロ事件 これに通奏低音と…

ChromeのERR_SSL_VERSION_INTERFERENCE エラーで、見れないサイトがある時の対処

タイミングが、OSのバージョンを上げた時と似ていたので、OSのせいかと思ったら、実はブラウザのデフォルト設定のせいでした。 前提情報 OS: Mac OS X: Mojave Browser: Google Chrome : バージョン: 70.0.3538.77(Official Build) (64 ビット) バージョ…

100万円の女たち @Netflix

TV

キャラクターが活きているというのはこういうことなのだろう。 おすすめです。2017年にテレビ東京の深夜ドラマで放映、今はNetflix で見れます。 www.youtube.com 解明される謎もあるし、されない謎もある。全ての伏線やミスディレクションがうまくハマるな…

ルーベンス展−バロックの誕生 @国立西洋美術館

惹句は「バロックの誕生」というよりも「王の画家にして画家の王」という方が、展示会の内容をよく表しているのではないかと思う。 まあ、人間という動物の本能なのか、見上げるようなデカイ絵がどーんと鎮座しているとそれだけで敬虔な気持ちにもなります。…

フェルメール展 @上野の森美術館

フェルメールルームという概念はとても嬉しい。光量を落とした部屋に浮かび上がる8点のフェルメール。フェルメール作品は大きい訳ではないので、しっくりくる。希少性を考えると、かなり贅沢な作りなので、おすすめです。 フェルメール全制覇を目指す人は、 …

ワヤン・クリ @東京国立博物館 東洋館

ずっと前にバリに行った時に、とても気になっていたのが、ワヤン・クリだ。 www.tnm.jp なんでだろうね、この極彩色のデフォルメされた二次元の人形劇の人形に、とても心惹かれる。 www.tnm.jp www.tnm.jp

京都大報恩寺 快慶定慶のみほとけ @東京国立博物館 平成館

平成館の二階全部と思っていたら、半分はデュシャン展だったので、床面積的には小さい展示。(サントリー美術館くらい?) しかし、仏像は慶派の良い感じ。 www.tnm.jp www.tnm.jp 仏像だけじゃないけどね。 北野経王堂図扇面 室町時代・16世紀なんて、立体…

ダルちゃんは、フィリップ・マーローだ。

hanatsubaki.shiseidogroup.jp ダルちゃんの気持ち悪さと気持ちの良さ ダルちゃんは、2017年秋の連載当時から読んでいたのだが、気持ち悪かった。 10話でそれがピークに達して、読むのを止めた。 気持ち悪さとは、彼女が自分で自分を殺すことを世の中とやっ…

鹿島神宮と香取神宮の共通点

背筋が伸びるところでした。武神だからか、強さとか、厳かさというような感じが強かったかな。杉を中心とした神域の森林も豊かでよかったです。 祭神が、出雲の国譲り関係の武神 葦原中国平定(日本書紀) どちらも神武天皇時代の創建なので、約2700年前の話…

香取神宮

下総一宮。ご祭神は経津主大神(フツヌシノオオミカミ)。 鹿島神宮の武甕槌大神と一緒に、出雲の国譲りに終わる葦原中国平定を成し遂げた武神。 全体的に 鹿島神宮とは異なり、参道はまっすぐではない。右投手のスライダーのように途中から向かって左側に向…

息栖神社(いきすじんじゃ)

東国三社巡りなので、今まであまり知らなかった息栖神社にご縁あって行ってきました。 海水の側で真水が湧くという、日本三大霊泉の一つ。 このように、海(水門)に面している。昔は海から船で参拝したのだろうね。 この一の鳥居の両脇に一つずつあるのが霊…

鹿島神宮 その2/2

常陸国一宮。ご祭神は武甕槌大神(タケミカヅチノオオミカミ)。 香取神宮の経津主大神と一緒に、出雲の国譲りに終わる葦原中国*1の平定を成し遂げた武神。 境内 鹿島神宮の社域は70ha、東京ドーム15個分。といっても、奥宮から左右に、要石と御手洗池がある…

鹿島神宮 その1/2

出雲大社に行ったので、関連して鹿島神宮と香取神宮に行きたくなった。 鹿島さんと言えば、鹿島立ち。 色々と今年はあって古いものが色々終わったのだけど、では区切りをつけて新たに出発するぜということで、鹿島さんに行こうと思ったのですよ。 絹本著色鹿…

デニスEテイラー『われらはレギオン1 AI探査機集合体』早川書房

今読みたいSFってこうよね、というお話だった。 われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF) 作者: デニス E テイラー 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/04/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (4件) を見る われらはレギオン2 ア…

京都・醍醐寺 真言密教の宇宙@サントリー美術館

『阿・吽』から空海づいてる。醍醐寺は、空海の孫弟子の聖宝が開祖の真言密教のお寺。「醍醐の花見」の醍醐寺でもある。 構成は編年体っぽく、開山から年代別に流れていく。 展示替リストを見ると、九州国立博物館でほぼ同じ内容のものが2019年1月から3月に…

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展 @21_21 DESIGN SIGHT

21_21 DESIGN SIGHTに初訪問。 Audio Architectureとは、以下の音楽を使って、ビジュアルデザインをいくつか見せていくというもの。 vimeo.com ※Vimeoでの公開が終了。おそらく展示会自体が終了したので。 見せ方が面白い。 広大な横長のスクリーンに一つの…

川原泉『笑う大天使』白泉社文庫

ものすごくしばらくぶりに再読したのだが、こんなに哀愁を帯びたお話でしたっけね。 笑う大天使 全2巻 完結セット(白泉社文庫) 作者: 川原泉 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2014/09/29 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る というか、表題作の『笑…