cafe de nimben

見たものと、読んだもの

History

サントリー美術館『酒呑童子ビギンズ』

2020年に大規模改修が完了した、サントリー美術館が所蔵する重要文化財「酒伝童子絵巻」(狩野元信筆/サントリー本)の展示会。 www.suntory.co.jp 改修のおかげか、絵巻の色が瑞々しい。着物の緑の上に金とか。こんなに巻物を開いて展示してくれているのっ…

奈良国立博物館『超 国宝―祈りのかがやき―』(前期)

国宝揃いではあるのだが、メインは奈良国立博物館開館「130周年記念」というところだろう。 奈良国立博物館『超 国宝―祈りのかがやき―』 https://www.narahaku.go.jp/exhibition/special/202504_kokuho/ ゆかりのあるものを中心に置ける、という奈良の旧首都…

池上俊一『少女は、なぜフランスを救えたのか』

「オルレアンの乙女」ジャンヌ・ダルクについては、創作でちょこまかと知っているだけで、きちんと通読したものがなかった。COTEN RADIOで取り上げられていたので、これを機会に読んでみた。 ジャンヌ・ダルクは、フランスを救った聖女で、異端審問にかけら…

源頼光の鬼退治、酒呑童子編

こちらで出てくる nimben.hatenablog.com 3巻の扉絵は、源経基。その子が満仲、孫が頼光。 そして、鬼として描かれている、酒呑童子、紅葉と茨木。 この鬼たちは頼光時代の伝説で、将門の物語とは別。このため、本編ではおそらく頼光はもうでてこないとおも…

魚豊『チ。-地球の運動について-』/ 15世紀欧州の宗教と美術と音楽と大航海時代

前提として、14-16世紀ヨーロッパについて調べてみた 15世紀P王国。おそらくアディス朝ポルトガル王国。 ゴシックから、ルネッサンスへ変わっていく時期。ルネッサンスを朝日とするなら、チ世界は一番暗い夜明け前。 キリスト教 細かい派閥はあれど、まだカ…

魚豊『チ。-地球の運動について-』/ 地動説とリアリティライン

実際の地動説 コペルニクスの『天体の回転について』は1543年だから、この物語世界の最初は15世紀なので、次の世紀に結実する話。この物語で出てくるかどうかは、まだわからない。そもそもこの物語の最初では、コペルニクスは生まれていないかもしれない。 …

魚豊『チ。-地球の運動について-』(既刊6巻)

面白いという噂を聞いていたのだが、その通りだった。 年末年始に既刊6巻を大人買いして追いついた。 地動説を信じる人たちの戦い、と言ってもいいのかもしれない。 地動説自体を信じているのか、地動説を正統と叫ぶことで得られる何かを得ようとしているの…