未来のエトワールたちということで、若い日本人ダンサー(女性5名男性3名)が、マニュエル・ルグリに指導をうけてNHKバレエの饗宴で舞台を踏んだお話のドキュメンタリ。
ルグリは現役引退しているとはいえ、あるくだけでダンスになっている!
技術を教えるというよりはダンサーとしての心構えや、世界観の学び方を教えるという感じ。こういうひとに十代で習えたら、大きな財産になるね。いいなあ。
もちろん技術指導もするのだが、おそらく100言いたいところを大事なひとつに絞って具体的に指導をするから、すぐにその効果がでているようにおもう。さすが芸術監督。
言葉もおもしろくて、基本はフランス語で通訳さん経由で話をしているが、英国にバレエ留学している子には英語で話している。細かいニュアンスは、ルグリレベルであっても母国語のほうが楽なんだろうねぇ。
演目は、ソロではなく、二人で踊る『ゼンツァーノの花祭り』と六人で踊る『ナポリ』。私はどちらも初見。いずれもコンビネーションが大事になるが、これがなかなか息が合わない。
男性によるリフトや回転サポートは、もちろんその技術もいるが、タイミングが合わないとうまくいかない。これはコミュニケーションの問題でもある。
練習シーンを生で見ていればちがったのかもしれないが、『ゼンツァーノ』のほうは、女性が心を開ききれていなかったようにおもえた。男性の技術的問題かもしれないけれど。
『ナポリ』のほうは、リフト初体験からはじめたのに、それなりに様になっていた。
最年長の女の子が、いろいろとチームをまとめていて、男性に対してリフトの練習やお化粧を手伝ったりしてすごくよかった。ルグリがいるときの合宿的なとき以外の期間にどれだけ練習しコミュニケーションをとれるかが大事だったとおもうので、超好感。
みんなオーディションのときからすると、ものすごく上達しているのがわかったので、いい成長物語として、また、公演後のみんなの悔しさの表明が、これからのスタートとして見られるとてもいい番組でした。
公演の模様は5/22に放映があるようなので、要チェックですね。