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「里崎指数」と言う盗塁についての新指数提案が面白かった

捕手の指標で、盗塁阻止率と言うのがある。盗塁を阻止した数÷盗塁を企画された数で表す。10回企画されて、5回刺したら、5÷10=0.500で、盗塁阻止率.500と言う。

そこに、元ロッテマリーンズの名捕手里崎が、それはおかしくないか、盗塁させないのが大事で、それは投手にも責任があるんだから、別の指標を作ってはどうだろうと日刊スポーツで提案したのが、里崎指数だ。

www.nikkansports.com

里崎指数は、盗塁を企画された数÷投手と捕手のコンビの投球イニング数。

つまり、1回盗塁を企画されるのに何イニングかかるかと言う数値で、数が多いほど、走ろうとしても走られないイニング数が長いと言うことで、盗塁の予防が優秀と言うことになる。

が、待てよ、と。

野球が結果のスポーツであるならば、例えばどんなに走られても全部刺殺してしまえば、それは試合の結果には好影響であろう。であれば、それを全体で見る必要があるのではないかと。

そこで、「里崎指数」で利用された元データを利用して、上記の投球イニング数÷盗塁を許した数と言う指標を作ってみた。

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この指数の最優秀バッテリーは、青柳-梅野(Tigers)

青柳-梅野(Tigers) 131.33

という数値となる。

これを見ると、バッテリーとしてTigers青柳-梅野コンビが桁違いに良い数値。

最優秀の理由は、盗塁阻止率の高さ

盗塁を1つしか許していないためだ。

8回走られて7回刺殺するという、盗塁阻止率が.875と非常に良いためである。

では、梅野捕手がすごくいいのかというと、このランキングの母数としてもう一度出てくるのは西投手とのコンビだが、こちらは盗塁阻止率が.364と、青柳投手とのコンビニ比べるとそんなに良くはない。11度走られて4回刺し、しかし7回許しているのだ。

となると、コンビとして青柳-梅野は最優秀だが、梅野捕手単体で最優秀とは言えない気がする。

捕手として優秀なのは、會澤か(Carp)

盗塁に強いバッテリー Top5 の残り4組は、

床田-會澤(Carp) 69.83
九里-會澤(Carp)57.50
今永-伊藤光Baystars)35.44
大瀬良-會澤(Carp) 34.67

Top5のうち、3回名前が出てくるCarp會澤捕手が最優秀と言えるのではないか

#ここには出てこないが、そもそもローテーションピッチャーとこれだけ組んで試合に出ることができると言うこと自体で、信頼が厚いといえる。この19組の中で捕手としては會澤がトップの3組で登場というのもある。Hawks甲斐捕手も3組で登場。

會澤捕手が強いのは、予防。

里崎指数のTop5は

床田-會澤(Carp) 69.83
九里-會澤(Carp) 57.50
千賀-甲斐(Hawks) 22.54
今永-伊藤光(Baystars) 21.27
大野雄-加藤(Dragons) 18.04

このTop5で2回登場。数字もこのTop2が三位以下と比べ段違いに良い数値。

ちなみにこの里崎指数Top2は、どちらも2度走られて2度成功されているのというのはちょっと面白い。

盗塁阻止率でいうと、大瀬良と組んだ.500の同率6位が最高なので、ここは最優とは言えない。

盗塁阻止率

盗塁阻止率でみると、Giantsが面白い。山口投手と組んだ小林捕手、メルセデス投手と組んだ大城捕手と、捕手を違えてTop5に2回出てくる。ただ、盗塁を企図された数は9回と13回と平凡なので、走らせないよりも、走ったら殺すという戦略のようにも見える。

ちなみに盗塁阻止率のTop10で名前が二回出てくる捕手は、Lions森捕手(六位と九位)、Buffaloes若月捕手(三位と十位)だけ。盗塁阻止率が捕手だけで決まるならば、もうちょっと上位に固まってもいい気もする。2018年日本シリーズMVPで「甲斐キャノン」の異名をとった甲斐捕手の盗塁阻止率が8位、16位と17位なのはちょっと意外。もっと高い位置で固まっているかと思ったので。

ただ、盗塁阻止率は母数である盗塁企図数が、最大でも17なので、あんまり割合でいうのは意味が無いような気がしなくも無い。意味があるとすれば、年間通算の、球団別か、捕手別か、投手別のような気がしなくも無い。盗塁阻止は派手だから面白いんですけどね。

 

と言った感じで、数字をいじって見てみるというのは、なかなか面白かったです。

野球はデータのスポーツなので、調べればデータが公開されているので、頭の体操にいいですね。