生誕300年記念 若冲展 /東京都美術館

眼福。

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必見:動植綵絵+釈迦三尊

想定通り圧巻だったのは、動植綵絵30幅+釈迦三尊3幅の33幅を、円形にまとめて展示してある様子。東京でこの33幅が同時に見られるというのは初めてらしい。10年くらい前に京都ではあったらしいけど(2007年に京都の相国寺承天閣美術館にて行われた若冲展で展示されていたらしい。釈迦三尊は相国寺に、動植綵絵は東京の三の丸収蔵館にあるから、たしかにレア度は高い)

理想を言えば、相国寺で飾られていたときのような感じの長方形で見せてもらえるのが一番だったろうけど、入り口付近でほぼ全景俯瞰するとなかなか眼福。

若冲だけに細かいところを細かく見ていきたい気持ちもあるけれど、あえて広く大きくみると、コンポジションのよさとかもみえてきて、贅沢な気分になれた。

閲覧者が右回りになるか左回りになるか、立ち止まってみているかなど、ちょっと人のさばき方がいけていなかったけど、まあ、そこは想定の範囲ということで。

好みのものは、咲き誇る梅の花の向こうに言える満月が美しい『梅花皓月図』、降りしきる雪が高速度撮影でストップモーションになったように見える『雪中鴛鴦図』、紅葉の赤に小鳥の青が映える『紅葉小禽図』でした。うつくしい。

しかし、若冲って鶏が好きだよね。私が子どもの頃、祖母の家にレグホンはたくさんいたので鶏には馴染みがあるが、ほんとうに精密に描かれていてすばらしい。

 

ゆるキャラ系:特に子犬と布袋さん

若冲は、鶏もいいが、犬もよい。

子犬わらわらの『百犬図』、箒と遊んでいた子犬のふりむいた顔が可愛い『厖児戯帚図(ぼうじぎほうず)』

あと、『象と鯨図屏風』『鳥獣花木図屏風』『虎図』『竹虎図』も、動物がキャラ化していておもしろい。鶏などが超絶技巧写実なのに、直接はみることができなかった象や虎がこんなにも愛らしい。

ゆるキャラの極北は、『伏見人形図』だとおもう。これはほんわかしていて、みるだけでしあわせになる布袋さんだ。布袋さん以外の伏見人形って、あるのかしらね。伏見人形は伏見稲荷のお土産の土人形ということみたいなので、べつに布袋さんに限ったものではないみたいなのだけど。

縦位置の伏見人形図が手ぬぐいになっていたら家に飾りたいくらい好き。

 

精密とゆるキャラの狭間で:鹿苑寺大書院障壁画の襖絵

実は今回一番感心してみていたのは、鹿苑寺大書院障壁画の襖絵軍団。

芭蕉叭々鳥図襖絵』なんてふすま4枚のうち一番右には何も描いていない。けれどもその余白が、真ん中二枚の墨絵に視線を誘導していく。墨絵の襖絵であるから、裏彩色の技とかプルシアンブルーなどの色で勝負することなく、墨の濃淡と掠れやウネリで、精密にえがくところと、ラフに描くところを描き分けていく。写真でいうと、被写界深度を浅く取っているような感じ。今回の展示品のうちの個人的一等賞はこれです。

『菊鶏図屏風』などは、鶏の顔や首あたりがとても細密にかいてあるのに、尾の先は一筆でぐいっと伸ばしたような感じで、キャラのなかでも被写界深度の浅さによる美しいボケ味をだしている感じだ。

動植綵絵の場合は、詰め込みすぎて&全部にピントがあっていて、図としてみる分にはちょっと苦手なものもあるのだけど、鹿苑寺の襖絵シリーズは、余白がいい味となって、バランス具合がステキ。

ちなみに、図録はけっこうよいので買うとよいです

拡大画像も充実。

なお、会場を出てすぐの特別展用ミュージアムショップは並ぶので、図録だけ買うときは1Fなど別の図版売り場で購入すると並ばずに済みます。

蛇足

幸せでございました。 年初に、

目玉は5番東京都美術館若冲展」ですね。これが一番行きたい。

といっていたのを、なんとか達成できたので嬉しい。

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