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見たものと、読んだもの

レンブラント[4/5] レンブラント広場/Rembrandtplein

レンブラントのためにアムステルダムまできたので、レンブラントというものは制覇してやろうという思い出、レンブラント展→レンブラントハウスときたら、レンブラント広場である。

これは公園だ。レンブラントの『夜警』をモチーフに、銅像が並べてあり、その後ろにレンブラント銅像があるというもの。二次元の三次元化である。観光客狙いである。まんまと引っかかる私である。

 

これがオリジナルの『夜警』 

The Nightwatch by Rembrandt - Rijksmuseum.jpg
By レンブラント・ファン・レイン - http://hdl.handle.net/10934/RM0001.COLLECT.5216, パブリック・ドメイン, Link

 

 中央の一番後ろの高いところにレンブラントの像を建て、あとは絵の通りに。

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インスタスポットになるのも当然

 

睥睨するレンブラントおじさま

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「さあ、行くのだ」「Sir Yes Sir」

 

 

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三次元だとこういうアングルもできるから好き。

 

 

レンブラント[3/5] レンブラントの家 / MUSEUM HET REMBRANDTHUIS

レンブラントの家と言っても、旧居を改造した博物館である。

https://www.rembrandthuis.nl/?lang=en

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レンブラントの家の外観

 

特別すごい美術品があるわけではないが、レンブラントが実際に絵を描くときに使った部屋を、当時のように再現してあるのが面白い。描くための材料集めとか面白かった。

入場料のなかにオーディオガイドがついているので、それを使いながらみていくといい感じ。

また、油絵よりはエッチングに特化しており、刷り方についての話が聞けたりする。

支払いは、apple pay対応。と言うかアムステルダムでは現金よりもICカード付きのクレジットカードが普及している感じ。レジなどでも、「現金無理です」が並んでいるので、クレカを使う方にインセンティブがある。

特別展は、レンブラントのお友達にどんな人がいてと言うソーシャルネットワーク(と言うか相関図)。

こちらには油絵もあります。

レンブラントの周辺状況をみてみたい人にはおすすめ。

 

 

レンブラント[2/5] オール ザ レンブレント@アムステルダム国立美術館 (2/2 鑑賞編)

All the Rembrandts @RIJKSMUSEUM (2/2)

おお、これがアムステルダム国立美術館ことRIJKSMUSEUMか

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RIJKSMUSEUM/アムステルダム国立美術館

青い素描っぽいのがレンブラント。上の電線みたいなものはトラム用。

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RIJKSMUSEUM/アムステルダム国立美術館の中を通る道路。自転車怖い。

この地図を見るとわかるが、橋に向かって一直線に中を突っ切っている道路なのです。

Rijksmuseum Amsterdam area map.svg
By OSeveno - 投稿者自身による作品, build on public data from the municipality of Amsterdam, CC0, Link

 

 

左右のガラスみたいなところが入り口。そこから階段を下ると、展示場のもぎりへ。

もぎりを通る前に、コートやバッグなどはクロークに預ける。(上野の東京文化会館くらいの大きさかな)

もぎりで、係員の人にチケットのバーコードを読み込んでもらう。PDFの2ページ目の通常展用のやつです。*1

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なぜかラオコーンによるお出迎え(通常展チケットもぎり入った直後)

そこから通常展に回るも良し、レンブラント特別展に行くも良し。もちろん私は特別展に。行き方がわからなくて、アジア展を最初に見たのは内緒だ。

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特別展入り口を上から

1885年の建物の中が白と直線の北欧っぽい現代テイストになっており、19世紀と21世紀が交錯する内装も面白い。

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みんな大好きレンブラントおじさんのエッチング


油絵もあるが、エッチングが一番多い。素描も色々。

好きなエッチング 

エッチングも連作的に提示すると、落ち着いたいい感じになります。壁の色もいいんですよね。

左から
「Christ Healing Leper』(素描)
『The raising of Lazarus / ラザロの蘇生』(エッチング
『The raising of Lazarus / ラザロの蘇生』(エッチング

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真ん中のキリストなんだけど、細かい。ものすごく細かい。エッチングなのに細密画かと言うほど。

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キリスト降架 / The Descent from the Cross (1633)

とはいえ失敗もあり、刷るのに失敗したキリスト降架の最初の版。

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おそらくレンブラントが銅板を熱し過ぎたらしくて失敗。

 

刷り直し。やっぱりこれ、一点ものじゃなくてエッチングなのすごいよ。

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技術を突き詰めた果てに、技術ではなく美を提示していく。 

 

好きな油絵

Man in Oriental Dress (日本名わからず)

Man in oosterse kleding Rijksmuseum SK-A-3340.jpeg
By Rembrandt Harmensz. van Rijn - http://www.rijksmuseum.nl/collectie/SK-A-3340, Public Domain, Link

注目したいのはターバン(?)部分

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髭もそうなんですが、ターバンの繊維が全部一本一本立体的にしかも光を浴びてキラキラしているんです。それでいて服はそのキラキラを抑えてあるから、ターバン部分に視線が誘導されるというこのメリハリ。キレイ。

Portrait of a Woman, Possibly Maria Trip (Rembrandt)

Portret van een vrouw, mogelijk Maria Trip Rijksmuseum SK-C-597.jpegPortrait of a Woman, Possibly Maria Trip (Rembrandt)

By Rembrandt - www.rijksmuseum.nl : Home : Info, Public Domain, Link

この肖像画なのですが、手のどアップにしてみると

 

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レースの描きこみもすごいですが、油絵特有のひび割れかもしれないけれど、指毛的なところまで偏執的に描き込んでいるかのような。

レンブラントって、エッチングだけでなく油絵もこんなに細かいとは思っていませんでした。

 

しかし、細かいところを偏執的に描くだけの人であれば、もっとデッサンが狂ったりしてもおかしくありませんが、全体像の捉え方や、光の濃淡のつけ方が絶妙。

好きな素描

ああ言う細かさを見た後で、素描を見たときの線の大胆さと、捉え方の巧みさに驚く。

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集大成的な『夜警/ Nightwatch』(1642年)

そしてその集大成的に、『夜警 / Nightwatch』になるわけですが。これが特別展の中でなく、通常展の中にあるというのも、またちょっと面白いところですけど。

The Nightwatch by Rembrandt - Rijksmuseum.jpg
By レンブラント・ファン・レイン - http://hdl.handle.net/10934/RM0001.COLLECT.5216, パブリック・ドメイン, Link

 

手前の二人と、童女にスポットライトが当たっているような、この感じがとても好き。

他のみんなもそれぞれに準備をしている、と言う全体のバランスの良さ。

 

そのバランスの良さを崩さず、例えばこのスポットライト当たっている右側の人の服や槍の細かい描き込み。手前が光って、奥が暗い槍は、立体感をもつ。

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細かい、槍と服の模様

レンブラントが好きと言うと「ああ、あの暗いやつね」と言われて悔しいんだけど、そんなに暗いと思っていないんですよね。修復されたらもっと明るくなるんじゃないかと言われてはいますが。

これ、集団ポートレートなのですが、これをみて当たり前と思っていると、他の人の作品を見ると良さが際立ちます。『夜警』の左右も集団ポートレートではありますが、

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ね、パンフォーカスで、全員にスポットライトが当たって、全員カメラ目線で、ほのぼのと「わーい、写真撮影だ。かっこよくとってね」と言うゆるい感じで、私には退屈。

『夜警』は、確かに集団ポートレートですが、これから出陣だと言うような緊張感やそこからくる物語性があるように私には思えます。多分、だから好き。

 

なお、キレイに修復されているのでわかりづらいですが、右の犬の上くらい、傷がふたたつあります。

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傷の修復跡

これは1975年に切りつけられた跡。*2

 

もちろん修復済みなのですが、これが原因で痛んでいるのがわかってきたので、再修復が検討されていて。ついに、今回の "All the Rembrandts" が終わった7月から、公開で修復作業が行われる予定。

公開なので、インターネットでのライブもある模様。それはそれで見てみたい。

期間として、修復にどれくらいかかるんでしょうね?

 

懸念がないわけでもない。

手前と奥の明度のコントラストが変わるといやだなあと、ちょっと思っています。システィーナ礼拝堂の修復で、ものすごく絵が明るくなったのを知っているので。でもミケランジェロのあの絵、修復後の方が好きなんですよね。だから、夜警も修復前後で感じ方がどう違うか、よくわからない。よくわからないから、ちょっと楽しみ。

 

今回の展示を見ることで、ますますレンブラントが好きになってきた感じ。無理して行った甲斐がありました!

 

*1:なので、実際には物理的にはもぎらない

*2:しかし、手前にあるのに犬の解像度の低いこと。こういうメリハリも好きなのかも。同時代のべラスケス『マルスの休息 / Mars Resting/ Descanso de Marte』(1638年)もこういうメリハリですね。

Velázquez - Dios Marte (Museo del Prado, 1639-41).jpg
By Diego Velázquez - See below., Public Domain, Link

レンブラント[1/5] オール ザ レンブレント @アムステルダム国立美術館 (1/2 事前準備編)

All the Rembrandts @RIJKSMUSEUM

 

現在、『夜警』の修復直前スペシャルで、アムステルダム国立美術館にて、レンブラントの特別展示をやっている。レンブラントの集大成展と言って良い感じなので、おすすめです。

アムステルダム国立美術館所蔵の22枚の油絵、60枚のドローイング、その他300枚の関連作品。

ちなみにフェルメールでも有名なのだが、『恋文』が『フェルメール展』で日本に来ているのですれ違い。

 

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夜警(修復前)

 

期日と場所

2019年2月15日から、6月10日まで。アムステルダム国立美術館(RIJKSMUSEUM) にて

 

料金は、20Euro。

オンラインで買うと、19 Euro.*1

これは通常展示の金額でもある。つまり+0円で入場可能! カロリー理論でいうとレンブラントが実質無料!

なおガイドツアーが 5Euroであるが、あんまり頻度は多くないので、公式アプリで音声ガイドを見るのが良いかも。私は自分で見たいものを見て会場内をふらふらするのが好きなので、申し込まなかった。二回以上行くなら、2回目以降に依頼するかも。

前準備に必須の、予約と公式アプリ

予約は必須

しかし、予約が必要。これがないと、特別展コーナーには入れてもらえない。 コーナー入り口に美術館員の方がいて、印刷した(ないしはPDFの)バーコードをスキャンしてOKがでないと入れてはくれません。 

予約は、日本でやっていたフェルメール展のように、時間で区切ったタイムスロット型。 

チケットは、アムステルダム国立美術館の公式ページから簡単に購入できる

https://www.rijksmuseum.nl/en/tickets/articles

#購入ページは、オランダ語、英語、ドイツ語、フランス語の4ヶ国語のみで、残念ながら日本語はない。が、英語でもわかりやすいです。

希望日時を、公式サイトの予約用カレンダーで表示するとこんな感じ。

 
 
March 2019
MonTueWedThuFriSatSun
 
 
April 2019
MonTueWedThuFriSatSun

Start time on 24 March 2019

入場タイプスロットが、30分ごとに設定されている。

緑がまだ入れるところ、薄いグレーになっているところは、売り切れタイムスロット。

Timed ticket entry
All the Rembrandts is a timed-entry exhibition.
You must enter the exhibition within the time
slot marked on this ticket. Once you are in the
exhibition, you may stay as long as you wish.

と送られてくるチケットには書いてある。つまり

  • 申し込みタイムスロット内に入場してね。(それの前でも後でもと入れません)
  • 一度入ったら、いつまでいてもいいよ

と言うことで、朝早めに入って、長くいるのが、お得ではある。と言っても朝早いのはみなさん苦手なのか、朝一はそんなに取りづらくない印象。

念には念を入れるなら、紙とモバイルで冗長すべし

公式サイトで予約が完了すると、電子メールに添付されたPDFでチケットが送られてくる。2ページ1ファイル。

1ページが特別展用、2ページ目が通常展用。

通常展は、その日のうちなら入れるかも。(3階に行こうとして迷って出てしまって、館員さんに聞いたらスキャンして入れてくれたので)

両方必要なので、忘れないこと。規律は結構厳しく、うまくスキャンで読み取れない人も入り口に戻されていたので。念の為、私は紙とモバイルの両方を用意しました。(紙は破れた時、モバイルは電池切れや故障でダメになる可能性があるので)

 

公式アプリは無料な上に、情報豊富

もう一つ準備をしておくと良いのが、公式アプリ

iOS

https://itunes.apple.com/jp/app/rijksmuseum/id621307961?mt=8

 

これでガイドツアーをしてくれる。

オーディオツアーで約90分。bluetoothと位置情報をオンにしておくと、割と正確な場所を把握してその絵画などの前で音声を鳴らしてくれるらしい。

これ、英語とオランダ語のみのサービスらしく、モードを日本語にしていたため気づかなかった模様。あー、しくじったな。

行動を制約されると思って、当日使わなかったんですよ。事前ないし事後にハイライトをみるためのものとしてしか思っていなかったので。ただ、再生だけならできるので、心の眼で会場を思い出しながら聞けば、なんとかなるかも?

もう一度行く機会はないだろうなあ、ちょっと悔しい。

 

CF: 公式アプリについて、公式の紹介(英語)

https://www.rijksmuseum.nl/en/multimediatours

交通の確認

アムステルダムチンチン電車ことトラムの街。トラムでRijksmuseumで降りるのが一番楽だと思う。

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トラム

が、実は私はトラムになっていない。タイミングが悪くて、おそらく一番お金の効率が良い1日乗車券を買うことができなかったから。例えばアムステルダム中央駅のGVBの自動券売機で買うのがいいみたい。トラムでも買えるみたいだけど、確か現金ダメだった気がする。

と言うのは言い訳で、晴れていたから、移動を徒歩でしていたからです。基本真っ平らなところなので、歩くのはかなりおすすめ。陽が落ちたらちょっと怖い場所もあるので、日中限定で。

こんな風景にも会えるしね

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運河沿いの家

参考: 

All the Rembrandts

www.rijksmuseum.nl

 

  

 

*1:普段の通常料金は17.5Euroだったようなので、ちょっとだけ値段が上がっているのかも

Macの標準入力でフランス語の特殊文字を入れる方法

久々のフランス語ネタ。書く方は元々やっていないし、聞く方は最近ご無沙汰なのですが。

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YouTubeをみているとたまにフランス語字幕が出ているので、そうか、これを写経してGoogle翻訳とかにかければ、話している言葉を日本語で理解→字幕が仏→それを和訳ということで流せば、意味がわかりやすいかもしれない、という自堕落なことを考えついた。

 

で、引き写しをしようとした時に困るのが、アクサン系と合字である。

 

Macの標準入力の場合、以下の手順で記述が可能ということがわかったので、めも。

 

é = option + e [accent aigu]

à = option + _ → a / è, ù も同じ [accent grave] 

â = option + i → a / ê, î, ô, û も同じ [accent circonflexe]

ü = option + u → u / ë,ï も同じ [tréma]

ç = option + c [cédille]

œ = option + q [O-E entrelacé]