ケビン・ベーコンとぱっと見、区別がつかなくなっていてどうしようかとおもっている。
巻き込まれ型で、そのなかをクールに凌いで必要なことを達成する、という役が多いのかなという印象をもった。前に見た『極大射程』はそうだったし、今回の2作品もそんな感じ。
ローン・サバイバー
実話をもとに映画化とあったので、勧善懲悪最後の最後にすっきりした終わりの映画になったのかとおもったら違った。ドンパチに力を入れたアクション映画でも、葛藤を中心とした劇映画でもなく、ドキュメンタリーに近いような、事実の積み重ねを映像化したような映画だった。
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2013年公開。2005年のアフガニスタンでの、US対タリバンの戦いの一場面を切り取ったもの。
最初のところから、ちょっとずるい。ネイビーシールズにどうやってなっていくのかを写真を積み重ねながら見せていく。理不尽とも言える選考があり、兄弟として育っていくところをみせたなかで、どういう選択を迫られていくのか、というバックボーンを貼っていく。その選択が、いかに重いものだったのか、その時点でおおよそ理解させてしまう脚本的骨格をもっている。ここが、単純なドキュメンタリーちっくな映像作品とは違うところ。
「その選択をすると自分が自分で無くなってしまう」「その選択をすると、家族以上の仲間と自分の生命を危機に晒す」という両取りができない選択をする苦渋。その選択の負の部分に対する、長い長い回収劇が、苦味と痛みをもって始まる。
自分だったらどういう選択をするのかと考えてはみるものの、どちらの選択もしたくない。どうなるのかを後出しで知っていても。しかしその判断を瞬時にしないといけないという状況に追い込まれる感覚は、ほんとうにヒリヒリする。その判断に酔う暇もなく自体は動いていくし。「現実」ってものの怖さというか、なんだろう絶望感にどう対処していくのかというメンタルなことをずっと考えながら最後まで見てしまった。
『プライベート・ライアン』なんかも苦渋の選択の映画だろうけれど、こういう風にみてほしいという監督の意図が伝わるし、安心して物語としてみることができるのだが、『ローン・サバイバー』はその安心感をとりさって、現場を自分の手前50cmのところに突きつける感じ。「二度はみたくないが、一度は見ておくべき」というカテゴリーの映画だろう。
心が健康な時に一度ご覧あれ。
ミニミニ大作戦
2003年のリメイク版。こちらはよくできたデート映画的プログラムピクチャー、かな。アニメのルパン三世的な小粋なクライムサスペンス。車のミニ可愛いけど、ミニ偏愛映画ではない。
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ウォールバーグは、実は主眼ではない。うまく話を転がしているとおもうけれど。
ジェイソン・ステイサムは安定のジェイソン・ステイサム。
まだ20代のシャーリーズ・セロンのほうに注目。
後のフェリオサ大隊長(Mad Max Fury Road)なのだが、この『ミニミニ大作戦』では、よくある美しい主演女優という役割。(不二子ちゃん的なものは期待してはいけない)
同年に公開された『モンスター』で、美人台無しのデニーロ的怪変身をしてオスカーを受賞するのだが、全然そういう演技派的なものはみせていない。
あと、エドワード・ノートンの無駄遣いを感じる。『バードマン』みていないけど、初期のあのキレキレの演技って見られるのかなあ。