cafe de nimben

見たものと、読んだもの

カルテット

すずめちゃんの、このセリフだけでも、このドラマは見る価値があった。 

人を好きになることって絶対裏切らないから

知ってるよ、まきさんがみんなのこと好きなことくらい

絶対それは嘘なはずないよ

だってこぼれてたもん

人を好きになることって、勝手に溢れるものでしょ

溢れたものが嘘なわけないよ

 

www.tbs.co.jp

最初はこのドラマ、なんかいけすかない感じだなとおもっていたのだけれど。

家森さんのウザさとか。まきまきさんの小狡そうな感じとか。

舞台劇調で少ない人数に閉じてやるのかとおもったら、クドカンが急にでてきてとか。

バランスが微妙に破調になっていて、ちょっとあざとさを感じていたのは事実。

でもあれだね、ウザさみたいなものは、ああこういうキャラなんだとおもえば、好きになるひともいるんだね。ぼくが今回そうなった。

一番感情移入したのは、クドカンの失踪理由回。あのすれ違い感は、泣けましたよ。

「全員片思い」という惹句は、ちょっと違う感じがしたけどね。

あと、吉岡里帆。ただのグラビアアイドルだとおもっていてごめん。あんなに目の笑わないイっている役ができるのはすごいなあ。

abematimes.com


シューベルト「死と乙女」 アルバン・ベルク四重奏団

ノイズキャンセリングヘッドホンないしイアフォンで悩むの巻(悩み編)

自分が持っているsony MDR-NC100Dが、先日お亡くなりになった。2011年発売のもので、たぶん2012年くらいに買ったので、けっこう頑張ってくれたという印象。生産完了品ではあるが、アマゾンではまだ売っているのでそれなりに流通在庫があるらしい。

で、海外出張のようなロングフライト用のノイズキャンセリングヘッドホンの手持ちがなくなったので、買わねばならないという状態に陥る。

機内エンターテイメントでつかえるヘッドホンはどういう仕様?

Bluetoothは機内でつかえるのか?

さて、まずは、wiredかwirelessか、飛行機の機内でどうなっているのかを確かめる

www.ana.co.jp

飛行機の種類が

B787-8/-9、B777-200/-300、B767-300(Wi-Fi装着機)、B737-700/-800、A320、Q400のときは、機器同士のBluetooth接続(ワイヤレスマウスやワイヤレスヘッドホン等)は常時利用可能。

B767−300でWi-Fi非装着機のとき、およびB737−500は、「出発時ドア開放中」および「着陸後の滑走終了のアナウンス以降」のみ利用可能=機内ではつかえない。

これは機材の問題なので、国際線も国内線も同じだった。上記はANAの場合だが、機材の問題であれば、ほかの航空会社も同じのような気がするが、各社の運用の問題なので、飛ぶときは確かめた方がよさそう。

機内エンターテイメントをbluetoothで聞くことは可能か?

でも、機内で映画をみようとおもったら、bluetoothでは繋がらないよね、さすがに。ANAJALも視聴環境をwebで探してみたけれど、とくに記載なし。

ということは3.5mmのステレオジャックのみということだろう。

もしbluetooth対応したら世界でも割と先端のはずだから、書いてあるんじゃなかろうか、ということで、3.5mmステレオジャックタイプが使えるノイズキャンセルヘッドセットに限定することに決める。

機種選び。音か静音性か?

その前に利用機種との絡みで、仕様を決めよう

自分はiPhone6ユーザ。ただしそろそろ鈍くなってきたので、iphone7ないしそれ以降のものに買い変えたいと思っている。つまり、今は3.5mmがあるが、今回ヘッドセットを買うと物理的につなげられないという可能性があるわけだ。

なので欲張るとしたら、有線も無線もつかえる機種があれば、長く使える。

長く使うことを諦めて、つなぎとして安い機種を買うことも選択肢となる。

となると、bluetooth + 3.5mm の機種か、3.5mmだけか。

つまり、bluetoothオンリー(例: SoftBank SELECTION Smart Quiet)や、lightingケーブルオンリー(例:JBL REFLECT AWARE) は、ここで脱落。

できれば、iPhoneをコントロールできるのが望ましい。曲送りとかね。

電話として利用すると、この手のヘッドセット/イアフォンのマイクの質でいいものをみたことがないので、ここは選考対象からは外す。

トリッキーな手がひとつある。飛行機の3,5mmジャックから音を取れるbluetooth送信機を通じて、Bluetoothヘッドホンに音を飛ばす、というもの。まあ、できなくはないが、映画を見ようとするとディレイが発生するから止めておいたほうがよさそうだ。

あとは、インイヤー型か、オンイヤー(オーバーイヤー含む)か。今回は機内で使うことを考えるので、肩や首にダメージがある可能性があるオンイヤーは止めておく。(これで随分選択肢が減る)

なぜ静音性が必要か

単純な問題で、ずっと機内に入るとエンジンの重低音で四六時中脳内ノイズキャンセラーが動いてしまって疲れるから。このため、機内では音質よりも、静音性を重視する。実はお亡くなりになった私のMDR-NC100Dも、音質的には普段使いしている同価格隊の有線ヘッドセットに比べると、音質はちょっと辛い。そりゃ技術の粋を集めたノイズキャンセル機能分の差分が音質に出てしまうのでしょうがないわね。

ネットで評価が高いのは

BoseのQuiet Comfortシリーズと、Sonyのh.earシリーズ。

困った。どっちも好みではないぞw

Boseの音はそもそもそんなには好きではないが、静音性だとSonyと二強なので、検討する。

Bose: インイヤー型の場合、一択。QuietComfort 20

最新版のBose QuietControl 30 wireless headphonesが最新だが、Bluetoothのみの接続で、3.5mm有線はつけられないので外れる。

ひとつ前のBose QuietComfort 20 Acoustic Noise Cancelling headphones - Apple devices が30,000円強。これは有線。

Sony: インイヤー型の場合、一択。MDR-EX750NA

Sonyのは、Xperiaハイレゾウォークマンに特化したいようだ。

たとえば、MDR-EX750NA は、カナル型の汎用タイプ。amazon価格でだいたい20,000円弱。んー、でもハイレゾ非対応なiPhoneづかいとしてはオーバースペックなんだよなぁ。

MDR-NC750は、同じくカナル型でノイズキャンセラーが入っているが、Xperia専用機で価格が約半分。Xperia専用機なのは、ステレオジャックが5極だから。

うーん、MDR-NC100Dの流通在庫価格が約20,000円であまり安くなっていないから、これにも手は出したくない。

伏兵。Bang & Olfusen BeoPlay H3 ANC

静音性を重視すると、この二択なのだが、伏兵がいる。ノイズキャンセルノイズである。ノイズキャンセルをかけると、高速道路でトンネルに入ったような鼓膜が吸い出されるようなノイズ(というか音圧かなにか)が発生する。これはそれなりに不快。

レビューを読むと、これをあんまり感じないらしい。そのかわり、ノイズキャンセルの能力は、Bose/Sonyよりも低いとのこと。約30,000円。有線のみ。

試聴すればという理性の声はあるが、飛行機のエンジン音環境下で試聴なんてできません。BOSESonyはどちらも飛行機内での利用でよかったという声があるので、そこは安心なんだけど。 

続くのだ。

ということで、この選択では、困ってしまった。試聴して買うのが筋だが、たぶんそれを待っていたらいつまでたっても買えないぞ OTL

 

 

 

DLNAが解散していた

いつの間にか!

av.watch.impress.co.jp

 

昔にこんな記事を書いていたことがある。

nimben.hatenablog.com

 

上記記事のように、実験的にはBRAVIAで動画ファイルを再生してみたものの、PCの高解像度化と大画面化がすすんだので、わざわざテレビで再生する意味がなくなってきたので、あまりこの機能、つかわなかったんだよね。

基本的には今後もメーカー間相互接続はできるのだろう。細かいところはどうしてもメーカー方言がありそうで、完全互換は難しかろう。メーカー側のなるべくメーカー統一をしていけ、というインセンティブと、同じカゴに全部の卵はのせたくないよねというユーザ側のインセンティブの対立は、これからもありつつ、なんでしょうね。

アナログ信号だけのやりとりのときは、相互につなぐことはできて当然だったけど。

デジタルで、やれることが多くなった、ということの良し悪しなのかな。

ちなみに上記BRAVIAはまだ現役である。アナログハイビジョン用のD端子あるもんね。なんとなく骨董品的な感じすら漂う。

このデジタル業界で6年というのは長いのか短いのかよくわからない。ブラウン管世代だったら10年もつのは当たり前だった気はするけど。

大西巷一『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』 (アクションコミックス)

ミュシャ『スラブ叙事詩』の「言葉の魔力」にでてくるヤン・フスというひとってどんなひとかと調べてみてぶちあたったコミック。なんちゅうか、悲惨。まだ連載中で7巻まで出ています。巻末解説で、どれは創作、それは史実、みたいなことも書いてありますので、『スラブ叙事詩』の参考文献としても楽しめるとおもいます。

 

スラブ叙事詩と戦争の悲惨さ

『スラブ叙事詩』ではクロアチアの司令官ズリンスキーによるシゲットの防衛 — キリスト教世界の盾』のみが、戦闘シーンが描かれている。他は戦闘後の暗澹たる光景はあるが、直接は描かれていない。ただ屍体と嘆く生きているひとが同時に描かれるだけだ。

グリュンワルトないしタンネンベルグの戦いとヤン・ジシュカ

たとえば『グリュンワルトの戦闘の後 — 北スラヴ人の団結』

After the Battle of Grunwald - Alfons Mucha.jpg
By Alphonse Mucha (1860–1939) - http://www.pricejb.pwp.blueyonder.co.uk/slav-epic/10.htm, パブリック・ドメイン, Link

 

「グリュンワルトの戦い(Grünwald suğışı)」はタタール語。ドイツ語だと「タンネンベルグの戦い(Schlacht bei Tannenberg)」となり、1410年にポーランドリトアニア連合軍とドイツ騎士団とで戦われた。ミュシャではなく、マテイコによるこの戦いの絵では、中央の赤い衣装をまとっているのが、若きヤン・ジシュカ。フス戦争の最重要人物のひとりでもあり、『乙女戦争』の影の主役でもある。このとき、彼はポーランド軍についている。

Jan Matejko, Bitwa pod Grunwaldem.jpg
By ヤン・マテイコ - http://cyfrowe.mnw.art.pl/dmuseion/docmetadata?id=4799, パブリック・ドメイン, Link

ジシュカはスラブ叙事詩にもちょっと描かれている。スラヴ叙事詩ベトレーム礼拝堂で説教するヤン・フス — 真実は勝利する』だと左下で壁を背にして静かに座っている眼帯をした男だ(この図版だとみづらいので、ぜひ現場でみてみてください。瞑想しているような、深く考えているような、静かな感じです)

Kazani mistra jana husa v kapli betlemske 81x61m.jpg
By アルフォンス・ミュシャ - http://russianculture.files.wordpress.com/2010/12/kazani_mistra_jana_husa_v_kapli_betlemske_81x61m.jpg, パブリック・ドメイン, Link

 

フス戦争の年表

1410年、タンネンベルグの戦い(ジシュカ36歳)
1411年、宗教改革の先駆者であるヤン・フスが、カトリックから破門
1415年、ヤン・フスが異端として火刑に処される
1419年、第一次プラハ窓外投擲事件。フス戦争開始。
1420年、第一次反フス派十字軍(フス派勝利)
1421年、第二次反フス派十字軍(フス派勝利)
1422年、第三次反フス派十字軍(フス派勝利)
1424年、ヤン・ジシュカ死去 (ペストによる病死。享年50)
1426年、第四次反フス派十字軍(フス派勝利)
1431年、第五次反フス派十字軍(フス派勝利)
1434年、フス派内部抗争により、穏健派が急進派を皆殺しに。
1439年、ポーランド王による取り締まりで、フス派壊滅。フス戦争終了。 

(1517年、マルティン・ルターの95ヶ条の論題。よってフス派は宗教改革の先駆けともいえる)

 

反フス派十字軍が五回も結成されて、その悉くを退けたということが奇跡ならば、奇跡の現場は悲惨なんだろうなとおもったら、おもったよりも悲惨だった。 

日本であれば室町時代、三代将軍足利義満が亡くなったあとくらいだから、日本では銃を持った戦いはまだない。しかし、冒頭シーンは、乙女がなぜ銃を持って戦うことになるのかを示すところから始まる。銃はヨーロッパ史上初めて実戦に投入されたマスケット銃(先込めでライフリングがない、火縄銃)。

 ということで、このフス戦争を描いたのが、この『乙女戦争』。

スラブ叙事詩の背景をしるには適当とおもわれるので、ぜひ。

作者による、関連解説はこちら。

blog.livedoor.jp

 

国立新美術館開館10周年 チェコ文化年事業 『ミュシャ展』@国立新美術館

おめあては、『スラブ叙事詩』の19点の作品群。ひとつの大きさが木造二階建ての一戸建ての大きさだと思えばいい。これは生の迫力をみるに限りますので、おすすめです。

www.mucha2017.jp

ミュシャ展|企画展|展示会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

 

展示構成

二部構成。

チェコ国外では世界初の『スラブ叙事詩』20点がいきなり展示されている前半。歌でいうといきなりサビから始まる感じ。 

その圧巻を越えた先に、いわゆる『ミュシャ様式』のポスターやリトグラフが並んでいる後半。

だが、実際は19世紀末にパリでグラフィックデザイナーとしてアールヌーボー(art nouveau)にも大きな影響を与えた時代の最先端を行くアルフォンス・ミュシャは後者の時代であり、財政的に安定したところで汎スラブ民族主義の神話を描き連ねるが時代遅れともいわれてしまう後半生が前半で展示されていることになる。

絵柄が前半と後半ではかなり違うので、このふたつをつなぐために、11分のNHKエデュケーショなる作成の紹介動画が、展示会場内でループ再生されているから、これは場内で見ておいたほうが混乱しないとおもいます。ぼくは混乱したので。

前半:スラブ叙事詩

大きさの迫力

構成は、いきなりハイライト『スラブ叙事詩』20点が並んでいるという、歌でいうといきなりサビから始まる感じ。感覚はほぼ住宅展示場。最大のものが、高さ6.1 x 幅8.1 m。だいたい木造2階の一戸建てをみるような大きさ。以下の設置タイムラプスで大きさの感じをご覧くださいませ。

www.youtube.com

この大きさのものは、どんなに図版できれいに撮影されているものをもっていても、大きさ自体が持つ迫力がちがうから、生でみるに限る。

また、絵としては遠くから眺めるようにみるのがよかった。近くで細かく見てもかえって何が描いてあるのかわからなくなってしまった。おもいっきり引きの絵でみると、くっきりと見えてくる感じ。

例をあげよう。『クロアチアの司令官ズリンスキーによるシゲットの防衛 — キリスト教世界の盾』 

Mucha defense of Szigetvar.jpg
By アルフォンス・ミュシャ - Internet, パブリック・ドメイン, Link

おそらくこの図だと彩度とコントラストを上げているのでちょっとわかりやすくなっている。現場で見る限りはもうちょっとぼんやりしている。あと、全体的にもっと赤い。となると、誰がこの火薬庫に火をつけて、自爆的にトルコ軍を撃退しているのか、近くから見てもよくわからないのだ。

細部が描かれているかといって細部を目を凝らしてみるのももちろんよいのだが、もっとこの死の三秒前のような禍々しさを感じるほうが、いいような気がした。

なので、反対側の絵の前からくらい引いてご覧になることをお勧めしたいです。

ちなみに近くで見たり遠くで見たりと、好みの差が閲覧者にもたくさんあろうとおもうので、ちょっと空いている間にみたほうがいいかも。毎秒数センチで一方通行でみないといけない激混み状態だとこの展示はみても何が何だかわからなくなる気がするので。

光と影

絶妙なのは、一つの絵の中での光と影のコントラストだとおもう。スポットライトの当て方がすばらしい。

1.故郷のスラヴ人 1912年、610×810cm

Slovane v pravlasti 81x61m.jpg
By アルフォンス・ミュシャ - http://russianculture.files.wordpress.com/2010/12/slovane_v_pravlasti_81x61m.jpg, パブリック・ドメイン, Link

真ん中左側の赤い色は焼かれている村の色、その右には追撃してくる武装した蛮人、中央下段にスポットライトを浴びているスラブの民の夫婦、そして右上段に当時のスラブの神々とおもわれる超越的な存在が描かれている。あからさまといってよいほどの視線誘導。

3. 大ボヘミアへのスラブ式典礼の導入 1912年、610×810cm

自然光による人間の描き方と、超越者ないし概念の擬人化は青くも逆光にもみえるようなファンタジックな描き方をしている。

Zavedeni slovanske liturgie na velke morave.jpg
By アルフォンス・ミュシャ - http://russianculture.files.wordpress.com/2010/12/zavedeni_slovanske_liturgie_na_velke_morave_81x61m.jpg, パブリック・ドメイン, Link

スラブの民の団結を示す下段左の輪をもった若者は、前後でいうと一番手前にいて逆光になって顔も見えづらいという描き方だ。対して地上の人間は昼白色の暖かい光のなかにいる。

このようなグラフィックデザイン的な視点からの仕掛けが随所にある。意図の罠にはまるもよし、意図をさぐりに入るもよし、なんかいくらでも見ていられる感じがある。

スラブ叙事詩の展示順

概ね神話的な順番通りなのだが、「言葉の魔法」三部作はまとめて一つの壁面に並べられている。

7. クロミジーシュ市のヤン・ミリーチュ 1916年、620×405cm
9. ベツレヘム礼拝堂でのヤン・フスの説教 1916年、610×810cm
10. クジージュキの集会について 1916年、620×405cm

このみっつはほぼ高さが約6mとほぼいっしょで、巾は、7番10番が約4mでいっしょ、9番がその倍の約8m。

中央ヨーロッパの歴史を全くと言っていいほど知らないので、フスという人の立ち位置をしらなかった。いやあ、「フス戦争」という名がつく反フス派十字軍の戦争(計5回の十字軍出兵。第一回が1420年。第五回が1431年)があったことすら知らなかったので。ちなみに日本だと、室町時代で将軍は4代目足利義持。1397年に金閣寺建立、1428年にくじ引きで足利義教が第六代将軍になる。1467年に応仁の乱、という時代。

好みの問題

個人的には、1-3番

故郷のスラヴ人 — トゥラン人の鞭とゴート族の剣の間で (前述)

ルヤナ島のスヴァントヴィト祭 — 神々が戦う時、救いは芸術にある

Slavnost svatovitova na rujane.jpg
By アルフォンス・ミュシャ - http://russianculture.files.wordpress.com/2010/12/slovane_v_pravlasti_81x61m.jpg, パブリック・ドメイン, Link

 

ボヘミアにおけるスラヴ的典礼の導入 — 母国語で神をたたえよ

Zavedeni slovanske liturgie na velke morave.jpg
By アルフォンス・ミュシャ - http://russianculture.files.wordpress.com/2010/12/zavedeni_slovanske_liturgie_na_velke_morave_81x61m.jpg, パブリック・ドメイン, Link

 

が好みでした。

何かね、順番は逆だとわかっているのだけど、加藤直之、生頼範義山田章博あたりの絵と近いものを感じる。影響を受けたってことなんだろうけど。神話的に汎スラブ民族主義的に描く叙事詩だから、space operaちっくに今からだとみえるからだろうか。

寓話的な象徴するものをあれこれいれていって絵画自体にいろんな含みを持たせるということを否定するものではないのだが、なんだかお腹いっぱいになっちゃう感じがある。すごいのだけど、好みかというとんーどうしようかなと迷う感覚がある。なんかストレートにすごいだけで済ませたほうが幸せなんだろうなあ。なんかみぞみぞするんですよね。

 

後半:アールヌーボー

単純に綺麗とおもえるので、楽しいです。

しかしなんで堺市がたくさん持っているのかとおもったら、カメラのドイの土井さんのコレクションが堺市に寄贈されているんですね。堺市に行く機会があったら堺市立文化館アルフォンス・ミュシャ館にGoですね。

mucha.sakai-bunshin.com

ちなみにいまは空調設備などの工事で2017年6月30日まで休館中。ああ、たぶんそれで目玉展示物が全部この六本木に来ているのだな。

出世作である『ジスモンダ』のポスター

Alfons Mucha - 1894 - Gismonda.jpg
By アルフォンス・ミュシャ - Art Renewal Center, パブリック・ドメイン, Link

に始まって、四つの花、四芸術など。

個人的にはヒヤシンス姫が好き(展示品とは色味がちがいますが)

Mucha, Alfons - Prinzessin Hyazinthe - 1911.jpg
By Alphonse Mucha - http://www.hypo-kunsthalle.de/newweb/mucha.html, Public Domain, Link

ある意味単純に美しさや楽しさを感じればよいので、心の負担はすくなかったです。

生で見るとおもったよりも大きいね小さいねというのも感じられておもしろかったですし。

その他

地味に嬉しいふたつ。

ミュージアムショップはチケットなくても入れます。

図版はアマゾンでも買えます。(2017年3月19日現在、在庫切れですが。ミュージアムショップにはまだある模様)

ミュシャ展

ミュシャ展

 

 

いろいろいいたい放題いっていますが、これだけのコレクションを一気に見る機会は、今後ないとおもうので、是非この機会に。たぶんスラブ叙事詩を生で見ようと思ったら、生涯に数度レベルのチャンスではなかろうか。アールヌーボーのは堺市に行けばなんとかなりそうだけど。