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見たものと、読んだもの

特別展「春日大社 千年の至宝」@東京国立博物館

前期に行ってきました。後期は行けないかも。

藤原氏氏神様である春日大社、というところから知らなかったので、見るもの見るもの新鮮で楽しかったです。

ストーリーライン

まずね、ストーリーラインがいい。私みたいな初心者にわかりやすいように並んでいる。

 

  • 第1章 神鹿の社(神社の起源)
  • 第2章 平安の正倉院平安時代の宝物)
  • 第3章 春日信仰をめぐる美的世界(春日信仰とは何か、また関連の美術品)
  • 第4章 奉納された武具
  • 第5章 神々に捧げる芸能
  • 第6章 春日大社の式年造替

 

※かっこ内は私の補足

という教科書的な時系列まとめ。第6章はお伊勢様と同じように20年に一度建て替えなどをするので、昨年2016年に竣工した第60回の式年造替に関するまとめ。だから、全5章+最新増補版、みたいな感じです。

みどころ

今回は自分の興味のありなしがはっきりしていたので、美術史的なポイントは外していても許してくださいませ。

www.tnm.jp

第5章 神々に捧げる芸能

この公式ページの案内をみてもまったく予想をしなくて、度肝を抜かれたのが、第5章神々に捧げる芸能。大がかりな太鼓の展示。レプリカではなく春日大社蔵の鼉太鼓(だだいこ)が大きくて素敵。高さ6.5m! 以下の公式Blogを見よ。上がトーハクの、下が春日大社の。

www.tnm.jp

世界遺産 春日大社 公式ホームページ/国宝殿・植物園・庭園喫茶/国宝殿/国宝殿概要

一度生で見たい気になってきます。陵王の舞とか浦安の舞とか。

www.youtube.com

その他の章の目玉

勉強になったという意味では、春日曼荼羅。神鹿とともに、神仏習合にならった神と仏が描かれる、今から見るとちょっと不思議ではある。

武具がまた素晴らしい。

赤糸威大鎧(梅鶯飾)(あかいとおどしおおよろい うめうぐいすかざり)や、刀剣の数々は、戦いのためというより奉納用の美術工芸で、奉納されているためか保存状態も良く、きらきらしている感じ。

金地螺鈿毛抜形太刀(きんじらでんけぬきがたのたち)は宝刀の極みですね。生を見ただけではわからないので、詳細な解説動画があって、ここだけでワンコーナーになっているのは、わかりやすかったです。ねこかわいいし。

鎌倉時代作の文殊菩薩騎獅像および侍者立像などの仏像群もよかったです。やはり鎌倉時代が一番好み。

絵巻物もとてもきれいでした。生で文章が読めればよいのだけど、そこまでの素養がなくて残念。

 芸術新潮でかなりわかりやすい解説があったので、後から補完した感じ。

芸術新潮 2017年 02 月号 [雑誌]

芸術新潮 2017年 02 月号 [雑誌]

 

昨年の式年造替で現世にもどった狛犬と獅子はとてもかわいかったです。写真撮りたかった。

平安鎌倉の世界にタイムトリップできて幸せでした。

補足:作品リスト

www.tnm.jp

 

「リニューアル記念 特別名品展 + 杉本博司「海景 – ATAMI」」@MOA美術館

ある意味これも初詣

www.moaart.or.jp

 

行き方

けっこうな上り坂なのでJR熱海駅からバスが楽ですね。170円でMOA美術館が終点。Suicaなどの電子マネーはつかえないので、小銭所持推奨。お泊まりして出かけるかたは、バス以外だとタクシー推奨です。坂をのぼるのがきついのと、歩道があんまりないので危ないんで。

バス停から長いエスカレータをのぼってたどり着くと、いつもの光景。眼下に熱海を見下ろすのは、晴れていたというのもあって、とても気持ちが良かったです。花粉も飛び始めでまだ少なかったのでなんとか屋外も耐えられましたw

建物にはいると

建物は3Fが入り口。展示物をみながら階下におりるかんじ。1Fにはレストランやショップもあります。

前回の印象もそんなに暗いという感じはありませんでしたが、今回は一枚光のベールを羽織った感じで、白くしかし白過ぎずという感じでした。常若的な。

展示物

さて、確かに展示環境は絶品でした。

環境

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大きな部屋の真ん中を黒壁が間仕切りしている。左右が低反射ガラスの展示。さすがにこの角度だと反射はみえます。展示品を正面から見ると、ガラスがあるのかないのかわからないという、ふつう言ったら盛っているでしょといわれかねないことが眼前で起きていました。間接照明で全体は暗めに、展示品は明るくスポットライト寸前くらいまで、というバランスだったので、見るのに迷いがなくてよかったです。動線の混乱もほとんどなし。

国宝 紅白梅図屏風/ 尾形光琳

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手前が暗くて展示物が明るいので、ひとが逆光で真っ黒になり、顔もわからないからいい感じ。サイズがわかるのもいい。

左から

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右から

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ガラスがあるとは思えないでしょ。

落ち着いた金箔の陰影礼賛的な重厚感がすてき。これ、明るくていろいろ見ることができるのはいいのだけれど、大きなお寺さんあたりで、夕暮れ時にみてみたいなあ。

聖徳太子立像

演出的におもしろいとおもったのがこれ。

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1320年、康俊による木造彩色の立像なのだが、天井からのLEDのひかりが頭部にあたり、後ろの白壁に神々しく影を落とす。

白衣観音

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1425年、吉山明兆による。神々しく、親しみがあり色っぽい。

阿弥陀三尊

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とくに阿弥陀如来のうしろの楽隊のみなさまが楽しそうでよかった。

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下から煽り気味で撮ると重厚感でますね。

その他

特別展の杉本博司もよかったです。熱海の海のモノクロ写真が、抽象画みたいで。

ひとも少なかったので、ゆっくり見て回って60−90分という感じ。これくらいだと飽きないからいいですね。ルーブルとかだと多すぎて途中で頭が白くなりそうだからw

リニューアルと同時にはいったレストランには心惹かれたのだけど、予約でいっぱいだった。現地でいきなりというよりも、余裕を持っておでかけください。

 

花粉症対策2017

お題「花粉症対策」

花粉症対策は

  1. よく寝ること。睡眠不足だと朝一のモーニングショットから寝るまでずっと辛い。よく睡眠がとれていると、少なくとも午前中は生き残れる。
  2. ヨーグルトを食べること。どうやら量の問題らしく、いいものをちょこっと食べるよりも、朝に400gを食べるのが私には効く。
  3. 運動をすること。花粉が体に入ることを100%カットすることはできないので、運動をして血液やリンパの循環がよいのが良さそう。

スギ花粉に特上で反応する体ですが、この三つで、かなり対応ができています。辛さは1/3くらいまでに抑え込めている感じ。

花粉症は腸内対策が大事という話があるが、経験上、正しい気がする。汚い話だが、おならが臭いとか、排便時にするりと出ないとかの場合は、花粉症の症状がきついことが多い。だからあとは、食物繊維の多いものを食べるってのもいいのかも。

人によって症状が違うから、どこまで参考になるかはわかりませんが。

東京国立博物館『博物館に初もうで』

初詣に行ってきた。

www.tnm.jp

通常展示料金なのね。特別料金かとおもっていたのでラッキーである。

正面玄関から入って二階に上がる階段の踊り場に池坊の華道の品が。

金の扇に松竹梅でとてもめでたい感じ。

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そこから、高円宮コレクションの根付。様々あったが、ペンギンの「一人旅」がかわいかった。(うまく撮れなかったのでここには掲示しないが、ネット上にたくさんころがっているはず)おもったより巨大な根付もあってびっくりした。ぐい呑サイズくらいが最大かとおもっていたのだけど、手のひらサイズの根付もあるのね。

 

圧巻は国宝の長谷川等伯『松林図屏風』

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やっぱこれくらいの引きからの絵がいい。山の中で近くの松はくっきりと、遠くの松は白く遠くにみえる感じ。わたしには、寒い雪風を耐えているようにみえる。

くっきり松さんは、近くで見ると自然の厳しさに耐えているようなガッチリとした筆致。

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遠くから見てよし、近くから見てよし。すばらしい。すごすぎて自宅に置きたいとすら思えない感じ。眼福。

2階には、写真には撮らなかったが、鶏さんを含んだ鳥さんたちがたくさんいて、さすが酉年初詣という感じだった。

やっぱり私の好みは若冲の鶏さんですね。若冲の超絶写実系ではない、ちょっとコミカライズされたような鶏の姿、とくに真正面のちょっとしたアホヅラが好きです。

 

一階に回ると、彫像がたくさん。

とくにこの十二神将勢揃いがおもしろかった。

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ふつうは、薬師如来と日光月光菩薩さんがいて、それを守る十二神将でしょ。でもここには十二神将だけしかいない、というのが初めてでおもしろかった。

十二神将の説明は、以下の新薬師寺のがわかりやすいかも。

新薬師寺 公式ホームページ 十二神将

んー、もしかして、お寺さんによって武器が違うのかな。wikipediaでも諸説あるという感じだった。

じつは、トーハクの通常展示はおそらく今回が初めてなんだけど、展示物はおもしろいんだけど、なんかどよーんとした感じなのは建物が古いせいか。

作品にあまり明かりがあたって劣化するというのは嫌なんだけど、全体的にもうちょっとライティングがなんとかなってほしいかなという気がした。

建物の古さでいうとルーブルの方が当然古いけど、暗さは感じなかったんだよね。だから古さという問題ではないようにおもうので。

買えなかったのが残念だけど、春日大社の特別展はわくわくしますね。17日から!

 

 

関ジャム『プロデューサーが選ぶ2016年の名曲ベスト10』

プロデューサーが、選ぶ2016年のトップテンが面白かった。

星野源『恋』は踊りやすくするためにギターが慌てているけどこの速さにしてあるだろうなんてプロデューサー視点の解説っておもしろい。

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ふだん、音楽を聴かないので、知らない曲がたくさんあって、どれもいい曲だったな。

多分リアルタイムに聴いた2016年の新曲って、星野源『恋』RADWIMPS前前前世』とMETAFIVE "Don't Move" "Luv U Tokio" くらいじゃないかな。星野源RADWIMPSは映像が先。METAFIVEはたぶんTBSテレビ『オトナの!』で知った。ソースが少なすぎるw

気になったのは、aimer の『蝶々結び』

www.youtube.com

 

声がいい。歌詞も隠喩として機能しているというならプロデューサーの言葉通り。MVは岩井俊二監督で、相変わらずの作風だが、よく似合っている。プロデュースはRADWIMPS野田洋次郎

実は未だにRadとbump of chicken の区別がついていないので、聴いてみようかなあ。

歌詞は、男女の別れと読むのが自然なのだが、恋愛に限定しなくても通じるのがいい。これは星野源『恋』もそうなんだけど。

あと、米津玄師「LOSER」

www.youtube.com

こっちも声がいいなあ。歌詞の言葉遊びも。

蔦屋好位置

  1. ??? (これがダントツのナンバーワンで、あとは全部2位だそうだ)
  2. ???
  3. ???
  4. リーガルリリー『リッケンバッカー
  5. チャットモンチー『majority blues』
  6. Chance The Rapper 『No Problem』
  7. SALU 『In My Face』
  8. Kan San 『C'est la vie feat. 七尾旅人
  9. 米津元師『LOSER』
  10. T字路s 『はきだめの愛』

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T字路sって、憂歌団っぽいなあ。たぶん誰の真似をしようともしてなくて、ただ腹の底から歌いたいって感じで、すごい。どストレートに届いてくる。この声は、宝物だ。

 

いしわたり淳治

  1. ???
  2. ???
  3. ???
  4. Suchmos 『STAY TUNE』
  5. Aimer 『蝶々結び』
  6. JUJU 『ラヴ・イズ・オーヴァー』
  7. RADIO FISH 『PERFECT HUMAN』
  8. SKE48 『金の愛、銀の愛』
  9. 平井堅『魔法って言っていいかな?』
  10. 清水翔太『My Boo』

 

tofubeats

  1. ???
  2. ???
  3. ???
  4. 宇多田ヒカル真夏の通り雨
  5. Heize "Shut Up & Groove"
  6. 三浦大地 "Cry & Fight"
  7. SOLANGE "Don't touch my hair" 
  8. 星野源『恋』
  9. METAFIVE "Luv U Tokio"
  10. 欅坂46サイレントマジョリティー』

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アンビエントR&Bってのはいいえて妙。引き算している感じが洗練。

 

まだまだ知らないすばらしい曲がいろいろあって、いいなあ。

いまのつまらない曲を聞くくらいなら昔の名曲でいいじゃんとおもっていたのだが、いやいやいまの名曲ってのもあるんだなあと。食わず嫌いはだめですね。