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見たものと、読んだもの

ノイズキャンセリングヘッドホンないしイアフォンで悩むの巻(解決編)

結論として、買いました。インイヤーじゃないやつを。

インイヤー型は、耳をかっぽり覆わないので、軽いし汗もかかなくていいんだけど、そのぶん遮音性に劣るので回避。また高音質を諦めたくなくなった。音はドライブユニットが大きく取れる分、高音質であろうということで、オバーイヤー型に態度を変更。

買ったのは: MDR-1000X

最後まで迷ったのは、

 

 

購入理由:音の好み

最終的には好みの問題です。ノイズキャンセリング機能については、おそらくほとんどかわらない。有線でも無線でもつかえるのもかわらない。ただ、この機種は聞いていないけれど、今までの傾向として、Sonyの音のほうがBoseよりも好みだ、というところです。

購入後の感想は:ノイズキャンセリング機能最高

人間の頭はえらいので、自動的に脳内ノイズキャンセルをおこなっている。

カクテルパーティー効果ってやつだ。

でも、脳が疲れるとなかなかできなくて、イライラしてしまう。

そう、今の時期にイライラする室内の要因、それは花粉症のための空気清浄機の音。

USBで充電してすぐにつかってみたが、ノイズキャンセル効果がすばらしい。

ノイズキャンセルは、定常的な暗騒音にもともと強いので、空気清浄機の騒音はたしかに消しやすいという理屈がたつとはいえ、ほぼ無音。このため、ppくらいの音でも、通常と同じくらいのボリュームでしっかりと聞こえる。

以前使っていたMDR-NC100Dよりも、騒音を消しているし、軽く流れるホワイトノイズも随分抑えられたし、ノイズキャンセルをいれたときの鼓膜が吸い出されるような変な感触もないので、非常に快適だ。

また、音質もかなりよい。まあ、値段が値段だからノイズキャンセルなしの機種と比べたら、正直見劣りがするんだろうけど、有線の2万円レベルの音質くらいは普通に出ていると思います。

当分室内では、ノイズキャンセルとして使うことになるとおもいますわ。Bluetoothだからケーブルの長さに縛られないですしね。

ということで、購入直後効果もありますが、かなり幸せな感じ。

 

カルテット

すずめちゃんの、このセリフだけでも、このドラマは見る価値があった。 

人を好きになることって絶対裏切らないから

知ってるよ、まきさんがみんなのこと好きなことくらい

絶対それは嘘なはずないよ

だってこぼれてたもん

人を好きになることって、勝手に溢れるものでしょ

溢れたものが嘘なわけないよ

 

www.tbs.co.jp

最初はこのドラマ、なんかいけすかない感じだなとおもっていたのだけれど。

家森さんのウザさとか。まきまきさんの小狡そうな感じとか。

舞台劇調で少ない人数に閉じてやるのかとおもったら、クドカンが急にでてきてとか。

バランスが微妙に破調になっていて、ちょっとあざとさを感じていたのは事実。

でもあれだね、ウザさみたいなものは、ああこういうキャラなんだとおもえば、好きになるひともいるんだね。ぼくが今回そうなった。

一番感情移入したのは、クドカンの失踪理由回。あのすれ違い感は、泣けましたよ。

「全員片思い」という惹句は、ちょっと違う感じがしたけどね。

あと、吉岡里帆。ただのグラビアアイドルだとおもっていてごめん。あんなに目の笑わないイっている役ができるのはすごいなあ。

abematimes.com


シューベルト「死と乙女」 アルバン・ベルク四重奏団

ノイズキャンセリングヘッドホンないしイアフォンで悩むの巻(悩み編)

自分が持っているsony MDR-NC100Dが、先日お亡くなりになった。2011年発売のもので、たぶん2012年くらいに買ったので、けっこう頑張ってくれたという印象。生産完了品ではあるが、アマゾンではまだ売っているのでそれなりに流通在庫があるらしい。

で、海外出張のようなロングフライト用のノイズキャンセリングヘッドホンの手持ちがなくなったので、買わねばならないという状態に陥る。

機内エンターテイメントでつかえるヘッドホンはどういう仕様?

Bluetoothは機内でつかえるのか?

さて、まずは、wiredかwirelessか、飛行機の機内でどうなっているのかを確かめる

www.ana.co.jp

飛行機の種類が

B787-8/-9、B777-200/-300、B767-300(Wi-Fi装着機)、B737-700/-800、A320、Q400のときは、機器同士のBluetooth接続(ワイヤレスマウスやワイヤレスヘッドホン等)は常時利用可能。

B767−300でWi-Fi非装着機のとき、およびB737−500は、「出発時ドア開放中」および「着陸後の滑走終了のアナウンス以降」のみ利用可能=機内ではつかえない。

これは機材の問題なので、国際線も国内線も同じだった。上記はANAの場合だが、機材の問題であれば、ほかの航空会社も同じのような気がするが、各社の運用の問題なので、飛ぶときは確かめた方がよさそう。

機内エンターテイメントをbluetoothで聞くことは可能か?

でも、機内で映画をみようとおもったら、bluetoothでは繋がらないよね、さすがに。ANAJALも視聴環境をwebで探してみたけれど、とくに記載なし。

ということは3.5mmのステレオジャックのみということだろう。

もしbluetooth対応したら世界でも割と先端のはずだから、書いてあるんじゃなかろうか、ということで、3.5mmステレオジャックタイプが使えるノイズキャンセルヘッドセットに限定することに決める。

機種選び。音か静音性か?

その前に利用機種との絡みで、仕様を決めよう

自分はiPhone6ユーザ。ただしそろそろ鈍くなってきたので、iphone7ないしそれ以降のものに買い変えたいと思っている。つまり、今は3.5mmがあるが、今回ヘッドセットを買うと物理的につなげられないという可能性があるわけだ。

なので欲張るとしたら、有線も無線もつかえる機種があれば、長く使える。

長く使うことを諦めて、つなぎとして安い機種を買うことも選択肢となる。

となると、bluetooth + 3.5mm の機種か、3.5mmだけか。

つまり、bluetoothオンリー(例: SoftBank SELECTION Smart Quiet)や、lightingケーブルオンリー(例:JBL REFLECT AWARE) は、ここで脱落。

できれば、iPhoneをコントロールできるのが望ましい。曲送りとかね。

電話として利用すると、この手のヘッドセット/イアフォンのマイクの質でいいものをみたことがないので、ここは選考対象からは外す。

トリッキーな手がひとつある。飛行機の3,5mmジャックから音を取れるbluetooth送信機を通じて、Bluetoothヘッドホンに音を飛ばす、というもの。まあ、できなくはないが、映画を見ようとするとディレイが発生するから止めておいたほうがよさそうだ。

あとは、インイヤー型か、オンイヤー(オーバーイヤー含む)か。今回は機内で使うことを考えるので、肩や首にダメージがある可能性があるオンイヤーは止めておく。(これで随分選択肢が減る)

なぜ静音性が必要か

単純な問題で、ずっと機内に入るとエンジンの重低音で四六時中脳内ノイズキャンセラーが動いてしまって疲れるから。このため、機内では音質よりも、静音性を重視する。実はお亡くなりになった私のMDR-NC100Dも、音質的には普段使いしている同価格隊の有線ヘッドセットに比べると、音質はちょっと辛い。そりゃ技術の粋を集めたノイズキャンセル機能分の差分が音質に出てしまうのでしょうがないわね。

ネットで評価が高いのは

BoseのQuiet Comfortシリーズと、Sonyのh.earシリーズ。

困った。どっちも好みではないぞw

Boseの音はそもそもそんなには好きではないが、静音性だとSonyと二強なので、検討する。

Bose: インイヤー型の場合、一択。QuietComfort 20

最新版のBose QuietControl 30 wireless headphonesが最新だが、Bluetoothのみの接続で、3.5mm有線はつけられないので外れる。

ひとつ前のBose QuietComfort 20 Acoustic Noise Cancelling headphones - Apple devices が30,000円強。これは有線。

Sony: インイヤー型の場合、一択。MDR-EX750NA

Sonyのは、Xperiaハイレゾウォークマンに特化したいようだ。

たとえば、MDR-EX750NA は、カナル型の汎用タイプ。amazon価格でだいたい20,000円弱。んー、でもハイレゾ非対応なiPhoneづかいとしてはオーバースペックなんだよなぁ。

MDR-NC750は、同じくカナル型でノイズキャンセラーが入っているが、Xperia専用機で価格が約半分。Xperia専用機なのは、ステレオジャックが5極だから。

うーん、MDR-NC100Dの流通在庫価格が約20,000円であまり安くなっていないから、これにも手は出したくない。

伏兵。Bang & Olfusen BeoPlay H3 ANC

静音性を重視すると、この二択なのだが、伏兵がいる。ノイズキャンセルノイズである。ノイズキャンセルをかけると、高速道路でトンネルに入ったような鼓膜が吸い出されるようなノイズ(というか音圧かなにか)が発生する。これはそれなりに不快。

レビューを読むと、これをあんまり感じないらしい。そのかわり、ノイズキャンセルの能力は、Bose/Sonyよりも低いとのこと。約30,000円。有線のみ。

試聴すればという理性の声はあるが、飛行機のエンジン音環境下で試聴なんてできません。BOSESonyはどちらも飛行機内での利用でよかったという声があるので、そこは安心なんだけど。 

続くのだ。

ということで、この選択では、困ってしまった。試聴して買うのが筋だが、たぶんそれを待っていたらいつまでたっても買えないぞ OTL

 

 

 

DLNAが解散していた

いつの間にか!

av.watch.impress.co.jp

 

昔にこんな記事を書いていたことがある。

nimben.hatenablog.com

 

上記記事のように、実験的にはBRAVIAで動画ファイルを再生してみたものの、PCの高解像度化と大画面化がすすんだので、わざわざテレビで再生する意味がなくなってきたので、あまりこの機能、つかわなかったんだよね。

基本的には今後もメーカー間相互接続はできるのだろう。細かいところはどうしてもメーカー方言がありそうで、完全互換は難しかろう。メーカー側のなるべくメーカー統一をしていけ、というインセンティブと、同じカゴに全部の卵はのせたくないよねというユーザ側のインセンティブの対立は、これからもありつつ、なんでしょうね。

アナログ信号だけのやりとりのときは、相互につなぐことはできて当然だったけど。

デジタルで、やれることが多くなった、ということの良し悪しなのかな。

ちなみに上記BRAVIAはまだ現役である。アナログハイビジョン用のD端子あるもんね。なんとなく骨董品的な感じすら漂う。

このデジタル業界で6年というのは長いのか短いのかよくわからない。ブラウン管世代だったら10年もつのは当たり前だった気はするけど。

大西巷一『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』 (アクションコミックス)

ミュシャ『スラブ叙事詩』の「言葉の魔力」にでてくるヤン・フスというひとってどんなひとかと調べてみてぶちあたったコミック。なんちゅうか、悲惨。まだ連載中で7巻まで出ています。巻末解説で、どれは創作、それは史実、みたいなことも書いてありますので、『スラブ叙事詩』の参考文献としても楽しめるとおもいます。

 

スラブ叙事詩と戦争の悲惨さ

『スラブ叙事詩』ではクロアチアの司令官ズリンスキーによるシゲットの防衛 — キリスト教世界の盾』のみが、戦闘シーンが描かれている。他は戦闘後の暗澹たる光景はあるが、直接は描かれていない。ただ屍体と嘆く生きているひとが同時に描かれるだけだ。

グリュンワルトないしタンネンベルグの戦いとヤン・ジシュカ

たとえば『グリュンワルトの戦闘の後 — 北スラヴ人の団結』

After the Battle of Grunwald - Alfons Mucha.jpg
By Alphonse Mucha (1860–1939) - http://www.pricejb.pwp.blueyonder.co.uk/slav-epic/10.htm, パブリック・ドメイン, Link

 

「グリュンワルトの戦い(Grünwald suğışı)」はタタール語。ドイツ語だと「タンネンベルグの戦い(Schlacht bei Tannenberg)」となり、1410年にポーランドリトアニア連合軍とドイツ騎士団とで戦われた。ミュシャではなく、マテイコによるこの戦いの絵では、中央の赤い衣装をまとっているのが、若きヤン・ジシュカ。フス戦争の最重要人物のひとりでもあり、『乙女戦争』の影の主役でもある。このとき、彼はポーランド軍についている。

Jan Matejko, Bitwa pod Grunwaldem.jpg
By ヤン・マテイコ - http://cyfrowe.mnw.art.pl/dmuseion/docmetadata?id=4799, パブリック・ドメイン, Link

ジシュカはスラブ叙事詩にもちょっと描かれている。スラヴ叙事詩ベトレーム礼拝堂で説教するヤン・フス — 真実は勝利する』だと左下で壁を背にして静かに座っている眼帯をした男だ(この図版だとみづらいので、ぜひ現場でみてみてください。瞑想しているような、深く考えているような、静かな感じです)

Kazani mistra jana husa v kapli betlemske 81x61m.jpg
By アルフォンス・ミュシャ - http://russianculture.files.wordpress.com/2010/12/kazani_mistra_jana_husa_v_kapli_betlemske_81x61m.jpg, パブリック・ドメイン, Link

 

フス戦争の年表

1410年、タンネンベルグの戦い(ジシュカ36歳)
1411年、宗教改革の先駆者であるヤン・フスが、カトリックから破門
1415年、ヤン・フスが異端として火刑に処される
1419年、第一次プラハ窓外投擲事件。フス戦争開始。
1420年、第一次反フス派十字軍(フス派勝利)
1421年、第二次反フス派十字軍(フス派勝利)
1422年、第三次反フス派十字軍(フス派勝利)
1424年、ヤン・ジシュカ死去 (ペストによる病死。享年50)
1426年、第四次反フス派十字軍(フス派勝利)
1431年、第五次反フス派十字軍(フス派勝利)
1434年、フス派内部抗争により、穏健派が急進派を皆殺しに。
1439年、ポーランド王による取り締まりで、フス派壊滅。フス戦争終了。 

(1517年、マルティン・ルターの95ヶ条の論題。よってフス派は宗教改革の先駆けともいえる)

 

反フス派十字軍が五回も結成されて、その悉くを退けたということが奇跡ならば、奇跡の現場は悲惨なんだろうなとおもったら、おもったよりも悲惨だった。 

日本であれば室町時代、三代将軍足利義満が亡くなったあとくらいだから、日本では銃を持った戦いはまだない。しかし、冒頭シーンは、乙女がなぜ銃を持って戦うことになるのかを示すところから始まる。銃はヨーロッパ史上初めて実戦に投入されたマスケット銃(先込めでライフリングがない、火縄銃)。

 ということで、このフス戦争を描いたのが、この『乙女戦争』。

スラブ叙事詩の背景をしるには適当とおもわれるので、ぜひ。

作者による、関連解説はこちら。

blog.livedoor.jp