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見たものと、読んだもの

The Guards Museum / 衛兵博物館 @London, UK

英国近衛兵博物館

www.theguardsmuseum.com

※無料ではありません。

どう行くの?

たぶんここだけのために行く人は少ないと思うのです。近いのはSt. James's Park駅だけど、Westminster 駅から、ホースガーズからセントジェームスParkに入って、散策した後にたどり着くのがいいような気がします。もちろんVictoriaからいっても、Green Park駅からバッキンガム宮殿の観光してからついてもいいんですけど。

 

何があるの?

近衛兵の博物館なので、近衛兵の歴史を一覧できます。前項のHouseHolds Cavalry とはちがって、こちらは歩兵連隊。

近衛兵の帽子につける羽飾りなどで、どの近衛兵なのかがわかるようになるレクチャービデオから始まります。

みんなブリキの兵隊さんかとおもったら違うのでおもしろいですよ。

  1. グレナディアガーズ (Grenadier Guards/ 擲弾兵近衛歩兵連隊) 1656年創設。
    帽子の羽飾りは、左に白。
    上着ボタンは等間隔に8個。
    名前の由来はワーテルローの戦いでフランス最精強の擲弾兵(Grenadier)を破ったことから。あのもこもこした黒い帽子が「ベアスキン/ 熊皮帽」で、これが擲弾兵の象徴。
  2. コールドストリームガーズ (Coldstream Guards) 1650年創設。
    帽子の羽飾りは、右に赤。
    上着ボタンは2個ずつ4組計8個。
    名前の由来は、募集した町の名前。
  3. スコッツガーズ (Scots Guards) 1642年創設。
    帽子の羽飾り無し。
    上着ボタンは3個3組計9個。
    名前の由来は、のちのイングランド王チャールズ二世がスコットランドの王位についたときの近衛兵だったがこと。
  4. アイリッシュガーズ (Irish Guards) 1900年創設。
    帽子の羽飾りは右側に青。
    上着ボタンは4個2組計8個。
    名前の由来は、ボーア戦争時のアイルランド人連隊の勇猛さから。マスコットはアイリッシュウルフハウンド。閲兵や分列行進のときには連れて行く。なお、現在の連隊長はウイリアム王子。
  5. ウェルシュガーズ (Welsh Guards) 1915年創設。
    帽子の羽飾りは左に白と緑。
    上着ボタンは5個2組計10個。
    名前の由来は、ウエールズ人の近衛連隊も作るべきとジョージ五世によって。

これも、ワーテルローの戦いがかなりフィーチャーされているのと、近代戦もかなりカバーされています。ナチとの戦い(ハーケンクロイツの旗を初めて生で見た)、イラン、フォークランドアフガニスタンなど。なので後半はかなり生々しい。

また、隣におもちゃの兵隊さんのショップがあるので、お土産好適品かも。

 

 

The HouseHold Cavalry Museum / 近衛騎兵隊博物館 @London, UK

ロンドンにいって、馬と制服が好きなら、こちらへどうぞ。

The HouseHold Cavalry Museum

行き方

最寄りの駅は、westminster駅ですかね。Circle, Jubilee, Districtの各線があるので、便利です。降りると目の前にビッグベン。国会議事堂をみながら北側に進むと、騎兵さんが警護していて、みんなが写真を撮っていりうので、わかりやすいです。

 

どんな博物館?

バッキンガム宮殿の交代式やロイヤルウェディングでの護衛でも有名な騎兵隊の博物館です。

ここのいいところはオーディオガイドが無料なんだけど、残念ながら日本語はない。

戦いとしてはナポレオンとの戦争である、ワーテルローの戦いがフィーチャーされています。

ちなみに、ロイヤルウェディングで、騎兵隊は2種類の制服がありました。

赤いのと青いの。

こっちがチュニックが赤い「ライフガーズ連隊」(CC-BY-2.5/ author:Kjetil Bjørnsrud)

 

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/78/Lifeguard_Buckingham.jpg

(チュニックが赤で、カブトの房が白い)

 

こちらがチュニックが青い(濃紺)の「ブルーズ・アンド・ロイヤルズ連隊」

(CC-BY-2.0 作者Jon)

ファイル:Cavalry Trooping the Colour, 16th June 2007.jpg

(チュニックが濃紺で、カブトの房が赤い)

 

Life Guards 騎兵連隊とBlues and Royals騎兵連隊の二つ合わせて王室騎兵隊。タイトルにある "HouseHold Cavalry” です。

私の場合は、儀式用のものが好きなのだけど、英陸軍序列一位だけあって、実戦もおこないます。騎兵だからといって馬にしか乗らないわけではないし。

馬がお好きであればお気に召すかも。

 

 

TATE Modern / テートモダン:ダリとピカソ @London, UK

ダリとピカソが同じ壁に並んでいた。

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Level 2: Artist and SocietyのCivil War という展示室。

その名の通り、「芸術家と社会/内戦」についての部屋だ。

Civil Warだけどアメリ南北戦争ではなく、第二次大戦直前のスペイン内戦のこと。

ピカソは『泣く女 / Weeping Woman』ダリは『秋の人肉食い / Autumnal Canibalism』である。他にもいろいろ展示があるが、戦争について描いたものなので、沈痛で黒くあるいはおぞましい。

Weeping Woman /Pablo Picasso / 1937

'Weeping Woman', Pablo Picasso | Tate

キュビズムの代表作のひとつ。モデルになったドーラ・マールはものすごく美人なんだけど、そういうことがいいたいわけではないから、本当にモデル必要だったのかという感じ。

絵から受ける印象は、とにかく「悲嘆」

バスク地方へのドイツ空軍による空爆。そしてその直後にピカソが描いた『ゲルニカ』そしてその系譜にのる『泣く女』

別の部屋にある『三人のダンサー』('The Three Dancers', Pablo Picasso | Tate)もいろいろ謎解きが隠されていておもしろいのだけど、『泣く女』を見た後では説明的すぎるかも。

Autumnal Cannibalism /Salvador Dalí /1936

'Autumnal Cannibalism', Salvador Dalí | Tate

シュルレアリズム。食べ合っているような自分自身を食べているような。

リンゴがウイリアム・テルのような。

ユーモアがあるんだか、悪意があるんだか。そこはかとなく底意地悪い感じ

 

両方とも超有名作家ではあるが、スペイン内戦の悲惨さからうけたのは、やはり人のダークサイドで、それに影響される。"Artist and Society" としてまとめるのは、キューレーターがえらい。

 

 

TATE Modern / テートモダン 抽象画: モンドリアンたち

モンドリアンといえばイブサンローラン。

 

nimben.hatenablog.com

というのはこの映画で知ったのだけど、それのもともとを生では見たことがなかった。

Composition C (No.III) with Red, Yellow and Blue / Piet Mondrian / 1935

'Composition C (No.III) with Red, Yellow and Blue', Piet Mondrian | Tate

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抽象画の中でもモンドリアンって、白地に太い黒い線を描いて、てきとうにビビッドな原色を塗ればいいんじゃない? くらいにおもっていたので、あんまり美しいとか感じたことがなかった。

おかしい。なんかおかしい。

生で composition C (1935) をみると、すごくよく感じる。

興味深かったのはオーディオガイドで、むかしはリンゴの木を具象的に描いていて、どんどんそれが抽象化されて、鉛直水平方向の線になっていった様子がオーディオガイドの小さいスクリーンでも表示されていた。ちなみに5ポンド弱なので、ぜひ使おう。

 

むかしTATEリバプールで回顧展をやっていたらしく、その情報が残っていた。いいなあ、日本に巡回してくれないかな。

www.tate.org.uk

 

そして、その2次元のモンドリアンを三次元にしたような作品もあった。

Abstract in White, Green, Black, Blue, Red, Grey and Pink / Victor Pasmore / 1963

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'Abstract in White, Green, Black, Blue, Red, Grey and Pink', Victor Pasmore | Tate

単純になんかおもしろい!

TATE Modern / テートモダン 抽象画: クラズナー

また抽象画でおもしろかったのが、

Gothic Landscape / Lee Krasner / 1961

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躍動感というか、ちょっと抽象的な棟方志功というか、なんか太い線がポジティブな感じで。現実というよりもファンタシーな感じもして。なーんか好き。

'Gothic Landscape', Lee Krasner | Tate

 

リー・クラスナー自体の名前は日本語版のwikipediaには名前がないが、夫のジャクソン・ポロックは有名なひとらしい。知らないというのはいいことでもあって、名前に邪魔されずにいろいろ「いいなあ」というものを発見できるもんだ。(もちろんテートにあるんだから、それなりのものではあるはずという前提はあるけど)

 

ポロックとクラズナーの関係性について面白いのがあったので、リンク貼っときます。

http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/lcs/kiyou/pdf_24-3/RitsIILCS_24.3pp.15-23Yonemura.pdf